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ガートナー社が提唱するハイパーオートメーションとは?定義やトレンドも

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ハイパーオートメーションとは、Gartner Inc(※以下「ガートナー」)が「2020年の戦略的テクノロジのトップ・トレンド」で定義した言葉です。

複数のオートメーションツールを組み合わせて業務を自動化することを指し、これまでよりも一層革新的な業務効率化が期待されます。

ハイパーオートメーションは2020年から2022年の3年連続で、戦略的テクノロジのトレンド入りを果たしました。2022年7月のハイプ・サイクルでは“過度な期待”を通過し、“幻滅期”に入っており、あと2〜5年で“普及期”に到達すると予想されています。

本記事ではそんなハイパーオートメーションの定義から、現状や課題、企業で導入していくにはどうすればよいのかを解説します。ガートナーが提言する、DX競争時代を生き抜くためのマインドセットにも触れるため、IT化に抵抗のある企業も必見です。

ガートナーが定義するハイパーオートメーションとは

ハイパーオートメーションとは、IT分野の調査やコンサルティングを提供する米国企業「ガートナー」が提唱した言葉です。

オートメーションツールをかけあわせて自動化の幅を広げるアプローチを意味します。

ガートナーはIT分野のトレンドや市場調査を行っており、その報告書内で「ハイパーオートメーション」が登場しました。

これにより、ハイパーオートメーションという言葉が世間に広く認知されることになったのです。

「ハイパーオートメーション」の登場は2019年

初めてハイパーオートメーションという言葉が登場したのは、2019年11月に発表された「ガートナー、2020年の戦略的テクノロジ・トレンドのトップ10を発表」でした。

IT技術のトレンドを見通した報告書内に、「ハイパーオートメーション」が記載されています(※1)。内容としては以下のとおりです。

“ハイパーオートメーション
ハイパーオートメーションは、複数の機械学習 (ML)、パッケージ・ソフトウェア、自動化ツールなどを組み合わせて一連の仕事を実行する概念と実装です。ここでは、ツールセットの幅広さだけを議論するのではなく、自動化のあらゆる手順 (発見、分析、設計、自動化、測定、モニタリング、再評価) を考える必要があります。
すなわち、ハイパーオートメーションでは、自動化メカニズムの範囲や、そうしたメカニズムがどのように相互に関連し、それらをどのように組み合わせて調整できるかを理解することが重要です。
このトレンドは、ロボティック・プロセス・オートメーション (RPA) から始まっています。しかし、RPAだけではハイパーオートメーションとはいえません。ハイパーオートメーションでは、ツールの組み合わせによって、人がタスクに関与している部分を模倣できるよう支援することが必要になります。”

(※1)

その後は2022年のトレンド報告書まで、3年連続でハイパーオートメーションがトレンドとして挙げられていました(※2)。

ハイパーオートメーションの定義

ハイパーオートメーションについて、ガートナーは下記のとおり定義しています。

“ハイパーオートメーションは、組織が可能な限り多くのビジネスプロセスと IT プロセスを迅速に特定、検証、自動化するために使用する、ビジネス主導の規律あるアプローチです。
ハイパーオートメーションには、人工知能 (AI)、機械学習、イベント駆動型ソフトウェア アーキテクチャ、ロボティック プロセス オートメーション (RPA)、ビジネス プロセス管理 (BPM) およびインテリジェント ビジネス プロセス管理スイート (iBPMS)、統合プラットフォーム サービス (iPaaS)、ローコード/ノーコード ツール、パッケージ ソフトウェア、その他の種類の意思決定、プロセス、タスク自動化ツールなど、複数のテクノロジ、ツール、プラットフォームのオーケストレーションされた使用が含まれます。”

(※3)

つまりタスク単位の単なる自動化ではなく、複数のITツールをかけあわせることでより幅広い業務範囲を自動化することを指します。

ここでいうITツールとはAIやRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)、BPM(ビジネスプロセス管理システム)など幅広い技術が対象です。

たとえばメールを送る業務において、テンプレートとなる文章作成や送信自体はRPAで自動化可能です。

しかしそれだけだと、個々に合わせた内容の入力や最終チェックに人の手が関わらざるを得ません。そこで、人の介入する部分もAIをはじめとするほかのITツールで全自動化することを、ハイパーオートメーションと呼びます。

ハイパーオートメーション市場は拡大傾向

ハイパーオートメーション市場は、世界で拡大傾向にあります。

世界のハイパーオートメーション市場概要

(※4)

Research Nesterの調査によると、ハイパーオートメーション市場は2022年に約200 億米ドルの収益を達成。2035年末までに最大440億米ドルを超えると推定されています。

これは世界における市場予測ですが、アジア太平洋市場も例外ではありません。アジア太平洋市場には自動化と AI に重点を置いた数多くのスタートアップ企業やテクノロジー企業があります。

同社の調査によると、2021年にこうした企業が受け取った資金額は830億米ドル以上となり、北米企業の数値を超えました(※4)。

このことから日本でも、より一層ハイパーオートメーションの開発や需要は高まっていくでしょう。

日本ではデータ活用に向けたマインドセットが課題

ガートナーは対象を日本に絞った統計調査も実施しています。2025年1月の調査によれば、データ活用で十分に成果を得ている日本企業は、全体の8%しかないことを発表。

データ活用の取り組みによる成果の統計調査

(※5)

このように低い割合となった背景には、下記の課題があります(※5)。

・スキル不足(28.3%)
・現場の理解や協力の獲得(20.8%)
・業務への適用(20.3%)

スキルは学ぼうと思えばいつでも身に着けられます。その一方、現場の意識づけは全社的な意識改革が必要でしょう。つまりこうしたマインドセットが、日本企業の課題といえます。

データ活用の重要性をいかに自分事としてとらえられるかが、企業としての成長に大きく関わるでしょう。

DX化競争を乗り越えるマインドをガートナー社が解説

ガートナーは、企業が意識すべきマインドセットも毎年発表しています。ガートナーによると、2025年に向けて獲得すべきマインドセットは以下のとおりです。

・デジタル化を軽視しない
・AI共生時代こそ「考える」組織へ
・人材育成から人材投資へ
・継続的改善を意識
・物事をリアルにとらえる
・顧客と従業員中心の業務へ
・事例の模倣は避ける
・アウトソースで丸投げしない(※6)
※原文を適宜要約しています。

これらは一体どういうことなのか、詳しく見ていきましょう。

デジタル化を軽視しない

まずは「うちは大丈夫」という意識を捨てましょう。日本ではデジタル化が進んでいない企業が多数あります。しかし、こうした時代変化を無視する日本企業の70%は、2030年以降に弱体化し、消滅する可能性が高いとガートナーは警告しています。

今後はデジタル化が当たり前の時代を受け入れ、デジタル化を自分事としてとらえることがポイントとなります。

AI共生時代こそ「考える」組織へ

2030年には、企業の70%で「さらに能力の高いAI」が当たり前に使われるようになると予想されます。

この際重要なのが、AIに仕事を奪われないよう、自分で考え学習する「人間力」を高めることです。

つまり、企業には決められた作業をこなす人ではなく、AIを使いこなすリーダーや戦略家、新たなアイデアを出すクリエイターが必要となります。

これには「忙しい」を言い訳にせず、学習時間の創出や従来の業務フローを見直す習慣づけが必要です。

人材育成から人材投資へ

企業の人材育成はスキル獲得や資格取得が目的化され、投資も小規模な場合がしばしば。しかし来るデジタル時代には、目的を持った人材投資が求められます

たとえば数千万円規模の人材投資を行い、現場の従業員をデジタル・プロフェッショナルにするなど。

こうした人材戦略を実現するには、形骸化した研修制度や年功序列の人事評価から見直す必要があるかもしれません。

継続的改善を意識

企業のIT戦略には、高い精度を求められます。しかし、はじめから完璧な戦略はありません。

ハイパーオートメーションを導入する際も同様です。どれだけマニュアルや業務フローを作り込んでも、イレギュラーは発生するでしょう。

また検討に時間をかけすぎると、企業間競争において不利になる可能性もあります。そのためはじめから完璧を求めず、継続的に改善していく体制を構築しましょう。

物事をリアルにとらえる

IT戦略では、できるだけ現実的な判断を下す必要があります。たとえば自社のリソースや目的、目標や知識レベルなどの見極めが重要です。

ITツールを導入しても、現場が技術を活用できるレベルに達していなければ、十分な成果は得られないでしょう。

「自社にとって」有益なものはなにか、実際に導入できそうか、といった視点が大切です。

顧客と従業員中心の業務へ

企業は顧客と従業員のためにある、というスタンスが今後はより一層重要視されます。従業員が企業のために働くスタイルだと、仕事にすべて「やらされている」という義務感が生じます。

一方、顧客と従業員を大切にする企業では従業員の満足度が高まり、積極性も養われるでしょう。これをガートナーはトータルエクスペリエンス(TX)の原則と表現しています。

「考え、アイデアを出す人材育成」のためにも、まずは従業員や顧客への価値提供へ重きを置きましょう。

事例の模倣は避ける

IT戦略における他社の成功事例を見ると、つい模倣したくなります。しかし、自社と他社では状況が異なるため、同じように施策を打っても成功するとは限りません。

事例を見る際は、他社が「どうやって(how)」成功したか、ではなく「なぜ(why)」成功したかに目を向けましょう

原因と結果が分かれば、自社に最適な施策を導き出しやすくなるはずです。

アウトソースで丸投げしない

ガートナーによると、経営陣がIT部門や外部業者にデジタル化を丸投げする日本企業が多いとあります。

しかしIT部門や外注業者には、課題や現場の状況が分からないケースもしばしば。また全社的にデジタル化へ取り組む風潮がなければ、施策もなかなか浸透しません。

経営陣や部署のリーダーこそが、先陣を切って体制を改革していく姿勢が重要です。

ハイパーオートメーションに次ぐ戦略的テクノロジー

2025年の戦略的テクノロジのトップ・トレンドにおけるカテゴリ

(※7)

ハイパーオートメーションが戦略的テクノロジーのトップ・トレンドとして取り上げられていたのは、2023年まででした。

では次世代のトレンドとは、どのようなテクノロジーなのでしょうか。ガートナーの「2025年の戦略的テクノロジのトップ・トレンド」によると、以下のとおりです。

テクノロジーの名称概要
エージェント型AI        ユーザーの目標に対して、自律的に施策を計画立案し行動するAI
AIガバナンス・プラットフォーム        組織がAIシステムを法的・倫理的・社会的に管理できるようにするフレームワーク
偽情報セキュリティ               情報の信頼性を見極め、正しい情報や価値を提供するためのテクノロジー
ポスト量子暗号        従来の暗号手法に代わる、安全性の高い量子暗号
環境に溶け込むインテリジェンス        超低コストの小型スマート・タグとセンサーによって実現されるセンシング技術
エネルギー効率の高いコンピューティング        消費エネルギーが少なく、環境負荷の低いコンピューティング・テクノロジー
ハイブリッドなコンピューティング・パラダイム        従来の処理に関わる問題を解決する、新たなコンピューターの枠組み
空間コンピューティング        拡張現実 (AR) や仮想現実 (VR) などで現実世界を強化するテクノロジー
多機能型スマート・ロボット        複数のタスクをこなす能力を備えたロボット
神経系の拡張
(Neurological Enhancement)
脳の活動を読み取り解読することで、人間の認知能力を向上させるテクノロジー

(※7)

AIやより高度なコンピューターの発達は喜ばしいことです。しかし同時にセキュリティや法律、環境問題などさまざまな課題が生じます。

「より便利に」という観点だけでなく、こうした課題解決にも目を向けたテクノロジーが、今後は注目を集めるでしょう。

DX化の第一歩にはRPAがおすすめ

BizRobo!_LP

「ハイパーオートメーションの実現は、まだ難しそう…」

ここまで読んで、そう思った方もいるでしょう。業務のDX化は、一歩ずつ着実に進めていくことが重要です。

その中でもRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)は、DX化の第一段階としておすすめ。RPAとはタスクレベルで業務を自動化できるツールのことです。

弊社が開発したRPAツール「BizRobo!」は、以下のメリットがあります。

・IT知識のない担当者や部署でも活用できる
・複数のツールと連携できる
・効果が可視化しやすい

それでは、詳しく見ていきましょう。

IT知識のない担当者や部署でも活用できる

BizRobo!は直感的な操作画面が魅力です。RPAは通常使用者が自ら必要なロボットを開発します。そのため、元からITやプログラミングの知識がないと抵抗感を覚える人もいるでしょう。

しかしBizRobo!ならクリック&ドロップで簡単に動きを指定し、ロボットを開発できます。

直感的な画面デザインも、スムーズなロボット開発をサポート。さらに専任の担当者による伴走型支援を提供しており、トライアルから導入後3ヶ月までは無料でチャットサポートを受けることが可能です。

複数のツールと連携できる

BizRobo!は、複数のツールと連携できる互換性の高さも魅力です。たとえばWordやExcelといったOfficeはもちろん、Google関連機能や会計ソフトなど。

幅広いツールと連携できるため、ハイパーオートメーションも実現しやすいでしょう。

効果が可視化しやすい

デジタル化の導入課題としてよく挙げられるのが「どれくらい効果が出るのかわからない」というものです。

その点、BizRobo!はタスク単位で業務を自動化できるため、業務フロー全体の所要時間を計測すれば効果が数値で把握できます

たとえば1時間かかっていた作業にBizRobo!を導入して5分に短縮できたとしましょう。この場合、90%以上の時間削減に成功したと判断できます。

実際にBizRobo!を導入し、業務時間が1割以下になったという事例も少なくありません。また時間的負担だけでなく、スタッフの精神的な負担も軽減できます。

離職率の低下や満足度向上といった点で、効果が見られる場合もあるでしょう。

まとめ

ガートナーにより、ハイパーオートメーションという言葉は国内でも認知度を高めています。しかし依然として、データやITツールを十分に活用できない企業が多いのも事実です。

こうした企業はどこかを転換期とし、経営陣が主導して少しずつデジタル化に取り組んでいく必要があります。

BizRobo!はITノウハウのない現場でも、多数の導入実績があるRPAツールです。1つのライセンスでロボットを無制限に開発できるため、段階的な自動化にも最適。

専任サポートスタッフが24時間365日体制で伴走するため、導入後もスムーズにお使いいただけます。無料お試し期間もあるため、ぜひ使用感をお試しください。

【参考】

※1 「ガートナー、2020年の戦略的テクノロジ・トレンドのトップ10を発表」を加工し作成
※2 「Gartner、2022年の戦略的テクノロジのトップ・トレンドを発表」を加工し作成
※3 「Hyperautomation」を加工し作成
※4 「世界のハイパーオートメーション市場調査、規模、傾向のハイライト(予測2023-2035年)」を加工し作成
※5 「Gartner、日本企業のデータ活用に関する最新の調査結果を発表:全社的に十分な成果を得ている組織の割合は8%」を加工し作成
※6 「Gartner、2025年に向けて獲得すべきマインドセットを発表」を加工し作成
※7 「Gartner、2025年の戦略的テクノロジのトップ・トレンドを発表



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