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「2025年の崖を飛びこえろ! ~崖に落ちないために”今”から実践すべきDXとは?~」を開催:後編

「2025年の崖を飛びこえろ! ~崖に落ちないために”今”から実践すべきDXとは?~」を開催:前編


株式会社グッドライフ RPA事業部部長 竹内瑞樹氏

 

RPAテクノロジーズの酒井です。2019年12月5日(木)に「2025年の壁をとびこえろ!  ~崖に落ちないために”今”から実践すべきDXとは?~」を開催し、前編で当社代表取締役執行役員社長の大角暢之による基調講演の内容についてお伝えしました。今回は本セミナーでゲスト講演を行った株式会社日立システムズスマートソーシング&サービス事業部技師の広松和朗氏と、株式会社グッドライフRPA事業部部長竹内瑞樹氏の講演内容についてご紹介します。

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崖におちないためのDX (デジタルトランスフォーメーション)


株式会社日立システムズ スマートソーシング&サービス事業部 技師 広松和朗氏

 

株式会社日立システムズの広松和朗氏より「2025年の崖をとびこえろ! ~崖に落ちないためのDXとは?~ プラットフォームを活用したDX実現の勘所」と題した講演が行われました。

2025年の崖

広松氏はまず、2025年の崖について改めて説明しました。既存システムのブラックボックス化を解消しつつデータ活用ができない場合、2025年以降年間最大12兆円もの経済損失が生じる可能性があります。しかしDX(デジタルトランスフォーメーション)を実現することにより、2030年に実質GDP130兆円超の押上が実現できると言われています。

DX推進課題

次に広松氏は、DXを推進する上で課題となることがいくつかあると述べました。

1つ目は「企業文化」です。企業内には内規や行動規範、文化や空気感、中長期計画といったものが存在します。ITに関してもセキュリティポリシーや内規、SLAや非機能要件、コストといったことがあり、これらがDX推進に制限をかけることが考えられます。

2つ目は「密結合の既存システム」です。これまではアプリやシステムそのものに業務プロセスが組み込まれていたため、維持コストがイノベーションの投資余地を奪ったり、ビジネスの流動的な要求に応えられない、分散化するビジネスへの対応ができないなどの問題が生じています。

3つ目は情報システム部門の対応する範囲が拡大し、DX推進に必要なスキル習得が遅れているという課題があります。

さらに4つ目としてPoCから先に進めない「PoCループ」もDX推進の壁になっています。

DX推進を成功に導くにはまず現場主導でボトムアップ体制を構築する必要があります。次に社内の実力者や外部の協力者を巻き込み、ステークホルダーに攻め込むといった流れが必要となります。

巻き込む際には、あらかじめ社内にコミュニティを作っておくと相手のコミットを引き出しやすくなります。また、アナログとデジタルの両方を意識しながら業務部門と情報システム部門で連携することが大切です。その時に「KKD(仮説・検証・データ)」を使うと周りを巻き込みやすくなります。

またDXの推進は内部で支援しながら別会社や別部署などで外部のパートナーのノウハウを活用し、ある程度新規事業として育った段階で既存事業に乗せることが重要です。

DXの実現に向けて

最後に広松氏は、DXを実現するために必要なことについて語りました。

既存システムは業務部門の要件をできるだけ叶えるために独自のカスタマイズを繰り返した複雑なものが多く、システムの拡張性を前提としていないため、DX推進が難しくなっており、見直しが必要です。

DXを実現するためには、制限事項の変更や壁の突破が必須です。そのためには既存のシステムに新しいソリューションを組み合わせたシステムに移行し、変化に柔軟に対応できる仕組みを構築する必要があります。複数のサービスを組み合わせてトライ&エラーを繰り返すことでより早く目的を達成できます。

現場スケール型RPA運用の構造

株式会社グッドライフ RPA事業部部長 竹内瑞樹氏

 

次に株式会社グッドライフの竹内瑞樹氏により「現場スケール型RPA運用の構造 なぜ現場が自発的にRPAに取組み、DXリテラシーが醸成されるのか」と題した講演が行われました。

現場スケールメソッド

竹内氏はまず、「現場スケールメソッド」について説明しました。RPAを導入したものの、うまく活用できていない企業が多くあり、RPAは幻滅期に入ったという声を耳にします。しかし最近新たな活用方法が注目を浴び始めています。それが「現場スケールメソッド」です。

「現場スケールメソッド」は現場担当者が自らの作業を自動化することです。2019年5月から始めた株式会社グッドライフの現場担当者向けトレーニングは、5か月で延べ60社600人以上が受講しています。

トップダウンが幻滅する理由

次に竹内氏は、トップダウンでRPAを導入するマイナス面について述べました。

トップダウンでRPAを導入しようとした時「現場からアイデアが出てこない」「現場とスピード感が合わない」と感じることがあります。

現場は「仕事を奪われてしまうのではないか」「仕事のやり方についてとやかく言われるのではないか」「忙しい現場の気持ちを理解していない」と思っています。その結果ロボットの数が増えず、効果が出ないために幻滅期ムードに突入してしまうのです。

逆に、現場がやる気になると会社全体が盛り上がってきます。それぞれの現場担当者が自分の業務を自動化することで、数多くのロボットの効果を積み上げることができます。

現場スケールに必要な要素


出典:株式会社グッドライフ

最後に竹内氏は、現場スケールに必要な4つの要素について言及しました。

1.現場を統制する運用ルール、開発標準を整備する
現場に自由にロボットを開発させてしまうと、メールが無限ループしてしまうなどの品質の悪いロボットが作られたり、タイムカードを自動で押して出勤したように見せるなどの作ってはいけないロボットが作られる可能性があります。また、野良ロボットが増殖する可能性も出てきます。

2.デジタル労働者を生み出す人材を育成する
RPA導入の目的を人件費削減にせず、デジタル労働者の活用(雇用)と考えます。デジタル労働者と共存し、人を活かすようにします。

3.現場スケールに向いたRPAツールを正しく選択する
ライセンスの体系はRPAツールごとに異なっています。現場担当者が開発できて、開発者数・ロボット数にライセンスコストが比例しないツールを選ぶようにしましょう。
RPAツールを途中で切り替えるのは大変です。切り替えには非常に労力がかかるので、早めに行動を起こすようにしましょう。

4.現場が継続的にスキル向上できる環境を用意する
RPAツールの操作方法について学んでも、使わないまま時間が経過すると忘れてしまい、せっかく学んだことが無駄になってしまいます。
継続して学習する仕掛け作りが必要です。簡単な検定試験を設けたり、がんばった人を表彰して目立たせたり、開発者を孤独にさせずにみんなで助け合う環境を作ることでやる気が維持できます。

まとめ

2025年の崖をとびこえるためには、既存のシステムに新しいソリューションを組み合わせたシステムに移行し、変化に柔軟に対応できる仕組みを構築する必要があります。
また、幻滅期にあると言われるRPAで最近注目されているのが現場増殖型RPAです。現場スケールに成功すれば、その後の運用で大きな成果を上げることが期待できます。
これから起こることを見据えながら、2025年の崖をとびこえる仕掛け作りに今から取り組んでおきましょう。

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