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「2025年の崖を飛びこえろ! ~崖に落ちないために”今”から実践すべきDXとは?~」を開催:前編

「2025年の崖を飛びこえろ! ~崖に落ちないために”今”から実践すべきDXとは?~」を開催

RPA2025年の崖

RPAテクノロジーズ株式会社 代表取締役 執行役員社長 大角暢之

 

RPAテクノロジーズの酒井です。2019年12月5日(木)に「2025年の崖を飛びこえろ!~崖に落ちないために”今”から実践すべきDXとは?~」を開催しました。

経済産業省が2018年9月に公表した「DX(デジタルトランスフォーメーション)レポート」によると、2025年には国内のIT人材が40万人規模で不足し、構築から21年以上が経過する基幹系システムが全体の6割を超過、システムの老朽化することが課題になると予想されます。この問題に備えて、IT部門・事業部門は何をしておけばよいのでしょうか。

本セミナーでは「DXレポート」が示す“今そこにある危機”への正確な理解が促され、経営技術としてのRPA推進のポイント、レガシーシステムからの脱却、DX推進のポイントなどが語られました。

今回は、本セミナーでの当社代表取締役執行役員社長の大角暢之による基調講演の内容についてご紹介します。

RPAテクノロジーズの事業について

RPA2025年の崖

 

まず初めに、RPAテクノロジーズの事業についてご説明します。RPAテクノロジーズは2019年に東証一部に上場したRPAホールディングスの下、他のグループ会社と共にデジタル労働者を使った事業創造に取り組んでいます。

グループ会社の事業は3つのカテゴリーに分かれています。RPAテクノロジーズはそのうちの「ロボットアウトソーシング事業」を担当しており、デジタル労働者の大衆化をミッションとして掲げています。残りの2つの事業は、デジタル労働者をほかの事業や産業と融合させ新しい価値を生み出す「ロボットトランスフォーメーション事業」、ファイナンスを行っている「その他」の事業です。

RPAテクノロジーズはBizRobo!を主軸とした多様なRPAに関わる製品展開をしており、RPAだけでなくCognitive RPA (RPA×AI-OCR)、Intelligent RPA (RPA×AI)といった製品によってエンタープライズにスケールできる体制があります。他にもクラウドやBPM、AIといった連携技術を日々進化させ、効果強化をしています。

また、全国規模でRPAユーザーがオンボードできる支援も提供をはじめています。現在32都道府県の200社以上のBizRobo!パートナーとビジョンを共有し、デジタル労働者の大衆化に向けた取り組みを推進しています。

幻滅期に入ったRPA

RPA幻滅期ガートナーハイプサイクル 出典:ガートナー社

RPA導入後の企業からさまざまな意見をいただくことがあります。例えば導入後、ロボットのメンテナンス作業に時間を取られてしまい結局手作業に戻ってしまっている、ユーザーが大量にロボットを作ってしまい事故を起こしてしまう、全部署での導入を検討しはじめたがROI (Return On Investment)があわない、などです。

RPAの導入が進む一方で、自走化・完全定着化の壁に直面する企業は多いです。このことからRPAは幻滅期に入ったと言われることがあるのだと思いますが、経営技術として一般化している企業も多くあります。

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RPA導入後、うまくロボットと協働できている企業とそうでない企業の違いはどこにあるのでしょうか?

その違いはRPAの捉え方からきていると考えています。働き方改革が世間で言われているから、低コストで導入できるから、ほかの企業がRPAを導入しているからといった理由ではなく、経営技術としての本質を見抜いた上で、自社のビジネスモデルにどう位置づけ自社のビジネスモデルをどう進化させていくのかといったことが重要です。

自社のRPAの立ち位置を把握した上で適切な運用・推進体制を構築することができれば、自走化・完全定着化の際に壁に直面することなく活用フェーズに進めると考えています。

先進ユーザーにとってのRPA

なぜRPAは現場なのか

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経営技術として見た時、RPAは人材、人材技術であると考えています。

以前、当社経理部の保阪という社員が約400枚の請求書の打ち込み作業に17時間、3営業日を費やしていました。これをRPAによって自動化することにより、圧倒的な生産性と品質向上を実感できた保阪は、現在20体以上のロボットと一緒に働いています。判断や管理、フォローは保阪が行い、業務そのものをロボットが行うという協働関係ができているわけです。更に彼女の人事評価も上がっています。

このようにしてロボットを現場組織に組み込むことにより、圧倒的な生産性の向上、現場のモチベーション向上が期待できます。現場で実際にロボットの効果・効能を感じてもらいながら進めていくことが大切です。

先進ユーザーが見ている世界

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デジタル労働者が現場で当たり前の存在になっていくことで、プロジェクトを超えて会社に定着するということを先進ユーザーは見ていると感じています。

また、一般化には大量のデジタル労働者のマネジメントと高度化を同時並行で実現させなければなりません。

現場からの自走化では、株式会社LIXIL様の例があります。現場が自由にロボットを開発し、IT部門は運営として現場開発を支援する仕組みを作ることにより、800人以上の社員がロボットを開発して協働しています。現場の社員の自主性を重視し、楽しんで自動化してもらった結果、働き方改革に貢献できているという“日本一”のプロジェクトだと思っています。

このプロジェクトを受け、当社としてもデジタル労働者と協働するためには人材育成が急務であると考え「!Center」という誰でも楽しくイノベーション人になれるコミュニティを全国に展開していこうと計画しています。

「!Center」ではロボット体験やセミナー、RPAツールの集合研修や学習・検定の他、事例シェアリングやコンテスト、事業創造の共有を行っていきたいと考えています。

現在は東京と福岡だけなので、今後47都道府県に展開することを目指してまずは全国10拠点に開設する計画です。

先進ユーザーが現場スケール型を加速させる理由

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先進ユーザーに多く見られるRPAの位置づけには2つの側面があります。

1つ目は労働力の問題です。2018年10月23日にパーソル総合研究所から発表された「労働市場の未来推計2030レポート」によると、2030年に人手は644万人分不足することになります。特にサービス、医療・福祉、卸売・小売、製造業、通信・情報サービスなどの分野で人手不足が深刻になると考えられています。また、実質賃金に関しても、大幅な時給の値上がりが予測されています。

人口減少や高齢化、若年層の首都圏流出といった労働人口における問題により、採用難やコスト増、離職といった課題が生じることが考えられます。しかし、デジタル労働者によってこれらの課題を克服できます。

現場がその働き手をマネジメントするという意味で、ロボットは人事面でのソリューションだと言えると思います。

2つ目はDXレポートの2025年の崖問題です。基幹系システムの刷新を行うことはIT部門の喫緊課題です。困難が伴う課題にIT人材不足の中で取り組まなければならないという背景があります。

現場スケール型インフラは、これらの2大経営課題を解決するのみならず、オペレーションDXを促進し、ビジネスモデルを進化させます。現場のリテラシーが上がることにより圧倒的な生産性を確保でき、他のデジタル技術との連携を考えることもできます。その結果、ビジネスモデルを進化させることができるのです。また、ユーザーからの高い評価を受けてIT部門の価値が向上することも考えられます。結果として、デジタル化を全社規模に推し進められる可能性が出てきます。

全国に広がるDXコミュニティ

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地方における地域課題をデジタル労働者と共に解決していこうという取り組みが広島、北海道、新潟、沖縄など日本全国で始まっています。地産地消型の自動化を推進し、地域の方たちと協力しながら課題を解決していきたいと思っています。

まとめ

2025年の崖を前にして今すべきなのは現状の会社の状況をしっかりと把握した上で、デジタル労働者と人が協働しながら実現する現場スケール型を加速させることです。そして、そのためにはRPAは経営技術として見た時に人材であるという意識を社内で広めておく必要があります。

RPAを一般化し、大きな成功をもたらしている会社では、すでにこのような取り組みが行われています。当社のオンラインコミュニティ(BizRobo!LAND COMUUNITY)で知見を共有していくので、2025年の崖問題に対処できる体制を整え、事業の発展に繋げていきましょう。

次回は、本セミナーでゲスト講演を行った株式会社日立システムズスマートソーシング&サービス事業部技師の広松和郎氏と、株式会社グッドライフのRPA事業部部長の竹内瑞樹氏の講演内容についてご紹介します。
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