BizRobo! ブログRPA関連のお役立ち情報をお届けします
RPAとAIはどちらも作業の自動化や効率化に活用できるツールですが、その性質はまったくの別物です。
RPAは「ロボティック・オートメーション・プロセス」の略で、指示したプログラムに従いロボットが稼働します。一方でAIは、「アーティフィシャル・インテリジェンス」の略です。
人間の思考パターンをプログラムによって再現したもので、自ら分析したり判断したりできるのが特徴です。
つまりAIは脳であり、RPAは作業を実行する手足といえます。そこで本記事ではRPAとAIの違いや、組み合わせることで得られるメリット、実際の活用事例もご紹介します。
目次
RPAとAIの違い
まずRPAとAIの違いを見ていきましょう。
名称 (正式名称) | RPA (Robotic Process Automation) | AI (Artificial Intelligence) |
---|---|---|
特徴・機能 | ロボットがプログラムに従い、業務を自動的に処理する | 人間の思考パターンや問題解決プロセスを機械で再現する |
メリット | ・定例業務や事務作業・ルーティンワークなどを自動化できる ・使用者が業務に合わせて自らプログラミングできる | ・複雑な作業やイレギュラーが多く発生する作業は自動化しにくい ・製品によってはRPA用にPCを1台用意する必要がある |
デメリット | ・今まで自動化しにくとされていた「分析」や「提案」といった作業も自動化できる ・「学習」ができるため処理の精度が高まっていく | ・心や感情の理解はできない ・コストのかかる製品やサービスが多い |
RPAは決まった作業やルーティンワークを自動化できるシステムです。一方AIは人間の思考パターンを模倣できるため、より複雑かつ属人化しがちな業務を自動化できます。
たとえば毎月取引先からの注文書をまとめるといった事務作業は、RPAで自動化が可能です。さらにAIを活用すれば、注文の傾向や属性を分析し、マーケティング戦略に生かせます。このようにRPAとAIでは、活躍する分野がやや異なるのです。
また近年ではAIを搭載し、より高度な処理に対応できるRPAも登場しています。
RPAとは
続いて、RPAについて詳しく見ていきましょう。RPAは「Robotic Process Automation」、つまりロボットが業務を自動化するツールです。
株式会社MM総研の調査によれば、年商50億円以上の企業のうち、約37%が「RPAツールを導入済み」と回答しています(※1)。また下記のとおり、年商50億円未満の企業でもRPAの導入率は年々伸びています。
(※1)
自動化できるのは定型的なルーティンワークがメインです。たとえば以下のような業務を自動化するのに適しています。
・出張費や交通費などの経費精算
・勤怠処理
・受発注の取りまとめ
・帳票処理
・メールでの定型文送信
・データ収集
・データの取りまとめ
・型にはまった資料作成 など
ある程度型にはまったルーティンワークであれば、RPAで自動化が可能です。なお自社の業務に合ったロボットは、ユーザー自身もしくはRPAの提供事業者が開発を行います。
RPAの仕組み
RPAがデータを認識し、自動的に処理するには以下のとおり3種類の認識プログラムがあります。
どの認識プログラムを採用したツールかによって、使用感や精度の高さ、安定性などが異なります。
どの業務がどの認識プログラムに適しているのか、詳細は「画像認識型のRPA製品とは?学習の仕組みや特徴・適した業種や事例を解説」をご覧ください。
RPAの種類
RPAは、その活用方法によって以下の3種類に分けられます。
種類 | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
サーバ型 | サーバ内で統括的に作業を自動化 | ・1台のPCで複数のロボットが稼働できる ・セキュリティ性が高い | 属人化しやすい |
クラウド型 | クラウドサーバ上で作業を自動化 | ・コストを抑えやすい運用 ・保守の手間がかからない | クラウド上で利用しない社内システムやPC内のアプリケーション・ファイル操作では活用不可 |
デスクトップ型 | 個人または特定のパソコンにRPAをインストールして業務を自動化 | ・ノンIT人材でも活用しやすい ・部署や個人レベルで導入しやすい | 実行中はその他の作業を行えない製品が大半 |
それぞれメリットとデメリットがあるため、導入の際は自社のニーズに合った製品を選びましょう。RPAの種類について、詳しくは「RPA種類別おすすめツール!サーバ型・クラウド型・デスクトップ型の違いと選び方」をご覧ください。
AIとは
AIとは「Artificial Intelligence」、つまり人工知能です。人間の思考パターンを模倣し、再現する技術を指します。
IBMの発表によれば、2022年時点で35%もの企業がAIを活用しているとあります。
現在、35%の企業がAIを業務に利用していると回答しています。2021年と比較すると、2022年のAI導入率は13%増加しました。さらに、42%の企業がAIの導入を検討していると回答しており、大企業は中堅企業よりもAIを利用する割合が高いことが示されました。
(※2)
今後もAIの活用は、世界的に拡大していくでしょう。
またAIは膨大なデータの処理や学習が可能であるため、以下のとおり複雑かつ属人化しやすい作業の自動化も可能です。
・カスタマーサービス(音声ガイダンスやチャットによる顧客対応)
・顧客属性の分析
・営業戦略の立案・アドバイス
・新商品の売上予測
・レジの商品自動識別
・工場の生産ライン管理
・車の自動運転 など
このようにAIは汎用性が高く、あらゆる業務での活用が可能です。
AIの仕組み
AIは人間の思考プロセスを模倣する形で、プログラムされています。ここからは、AIが学習するプロセスを見ていきましょう。
まずは大量のデータを収集します。仮にAIに猫の写真を大量に取り込ませたとして、写真の共通点から猫の以下のような特徴を学習します。
・目が大きい
・全身毛が生えている
・ヒゲがはえている
・耳が立っている
・しっぽが長い など
こうした理解は、参考となるデータが多ければ多いほど精度も増します。また人間が「色に着目して」と指示を出せば、特定の毛色を猫の定義として学習させることも可能です。
そしてこうした学習を経てから猫の写真を改めて見せると、AIが「これは猫」と判別できるようになります。
AIの種類
AIの種類は主に、以下の3種類に分かれます。
特化型人工知能(ANI) | 画像や音声など、特定の情報識別に特化 |
汎用人工知能(AGI) | 人間のように広い範囲の情報を学習・処理できる |
人工超知能(ASI) | 人間を超える人工知能 |
音声識別機能やAI家電などに用いられるのは、特化型人工知能(ANI)です。一方、汎用人工知能(AGI)はチャットボットや自動応答機能などに用いられます。
人工超知能(ASI)はまだ実現していないAIです。しかし将来的に開発され、人間では解明できない問題解決や研究への貢献が期待されています。
RPAとAIは活用次第でメリットも倍増
AIは人間でいうと頭脳にあたり、RPAは思考をアウトプットするための手足です。そのため、両者を組み合わせて活用すれば、より一層できることも広がります。
そこでここからは、RPAとAIを組み合わせて活用する事例を紹介。最先端を行く企業がどういった形で業務効率化に取り組んでいるのか、ぜひ参考にしてみてください。
RPA×AI-OCRで読み取りと集計を自動化
まずはRPAとAI-OCRの活用事例です。AI-OCRとは、画像やPDFデータを読み取り、テキストに変換する技術のこと。これをRPAと組み合わせることにより、データの読み取りとデータ化・保管・管理を一括で自動化できます。
たとえば、以下のような業務に活用されています。
・手書きされた伝票や注文書の管理
・レシートや領収書の経費処理
・車の入出庫管理
・検品や仕分け
・設計図のデータ化
・商品の会計スキャン自動化
・問い合わせフォームを通した顧客対応 など
RPA×対話型AIで顧客対応を全自動化
続いて、RPAと対話型AIの活用事例を見ていきましょう。対話型AI(会話型AI)とは、人間の言葉を理解して、自然に対話できる技術です。これをRPAと組み合わせることにより、会話内容の保管や管理が実現します。
カスタマーサービス全般に活用でき、RPAが保存したデータを参照すればサービスの品質改善にも役立てられるでしょう。
RPA×AIで製造ラインを最適化
続いてはRPAとAIを製造ラインに活用する事例です。たとえばAIを活用すれば、製造ラインの機械トラブルやミスを自動で検知できます。こうした検知内容をRPAがアラートや警報として流すことで、大きな事故やトラブルを防げるのです。
また食品工場や生鮮品の倉庫などでは、AIが気温や湿度を検知。RPAが最適なデータを記録したうえで温湿度を最適化できます。
このように、生産現場に欠かせない環境整備を自動化できるのです。
RPA×AIでマーケティングを自動化
最後はRPAとAIをマーケティングに活用する事例です。たとえばRPAで顧客データを収集、取りまとめたうえでAIに学習させます。すると顧客の属性を踏まえたうえで、最適な営業戦略を提案してくれます。
またその結果をもとに最適な人員配置を行ったり、在庫管理を行うといったことも可能です。このように、マーケティングの段階から事務作業まで幅広い業務を自動化できます。
AI導入における課題
AIの導入をした方が良いと思っていても、以下のような理由から導入が進まない企業は多いでしょう。
・どの業務からAIを取り入れれば良いか分からない
・コスト面がネックとなっている
・自社にIT人材がおらず、導入して良いか判断できない
・導入後保守・運用できる人材がいない
また導入したものの、以下のような課題に悩まされるケースもあります。
・十分な費用対効果が得られていない
・なかなか社内に浸透しない
・どのように利用を拡大していけば良いか分からない
これらの課題を解消するにはIT人材を確保するか、ノンIT人材でも使いやすいツールを導入するかの二択です。
AIをはじめとするデジタルツールの導入に課題を感じている場合は「RPA導入の課題は?よくある課題の原因と解決方法について解説」をご覧ください。
AI導入前におすすめの「RPA」
AIの導入を足踏みしている場合、まずはRPAツールの導入を検討してみましょう。RPAは日頃のルーティンワークや定例業務を自動化でき、成果も目に見えやすいのが特徴。社員がデジタルツールに慣れるきっかけにもなります。
なかでもBizRobo!は、ノンIT人材でも直感的に活用できるRPAツールです。プログラミングの知識がない人でも、容易にロボットの開発が可能。1カ月の無料期間で、使用感を確かめることもできます。
ご契約後は専任のスタッフが伴走し、しっかりとサポート。1つのライセンスでロボットをいくつでも開発できるのもうれしいポイントです。簡単な事務作業から自動化し、最終的に100台以上のロボットを稼働させている企業様も多くいます。
別のAIと組み合わせてご活用いただくことも可能です。たとえば松浦通運という運送会社様では、運転中の録画データをRPAが管理し、それをAIが解析。危険な運転をしているドライバーの動画のみが担当者のチェックに回されるようになりました。
これにより安全管理者の作業は大幅に減少。年間1,900時間相当の余剰時間の創出に成功しました(※3)。
無料RPAツールについては、「おすすめ無料RPAツールを紹介!有料・無料ツールの特徴の違いも併せて解説」をご覧ください。
正しいRPAの運用法については、「【担当者必見】RPA導入失敗例・原因から学ぶ、正しい運用方法をご紹介!」で詳しく解説しています。
「BizRobo! OCR with AI inside」で業務を大幅効率化
データの転記や手書き文字の読み取りに時間を要している場合は、「BizRobo! OCR with AI inside」がおすすめ。BizRobo! OCR with AI insideとは、RPAとAI-OCRを組み合わせた製品です。
以下の特長があり、煩雑な事務作業を一気に時短できます。
・データの読み取りと入力を一度に自動化
・高い読取精度(96.71%)
・簡単なマウス操作で使える使用感も魅力
データの読み取りと入力を一度に自動化
BizRobo! OCR with AI insideは、AIによる読み取りとRPAによる入力の双方を兼ね備えています。そのため、以下のような業務を一度に自動化できるのが特長です。
・手書きの文字をデータに書き換える
・手書きの伝票を注文画面に打ち込む
・注文書を元に商品を在庫管理する など
特に現在もFAX文化が残っている業界などでは、劇的な業務改善が期待できます。
高い読取精度(96.71%)
BizRobo! OCR with AI insideは、96.71%という高い画像読み取り制度を有しています。高精度な読み取り補正が可能で、活字と手書き文字が混在していても問題ありません。途中で途切れた文字やかすれた文字なども、しっかりと読み取れます。
簡単なマウス操作で使える使用感も魅力
BizRobo! OCR with AI insideは、利用者画面が使いやすいのも魅力です。ブラウザベースの画面は視覚的にも分かりやすく、マウスで簡単に設定が可能。
さらに専任スタッフによる365日体制のサポートも付いています。ITに詳しい人材がいない企業様でも、安心して導入いただけるツールです。
AIの前にまずはRPAで業務を自動化しよう
AIやRPAは、今後ますます需要が拡大し、活用の場も広がるでしょう。しかし、導入に課題を感じている企業も少なくありません。
そういった場合は、まずRPA単体での導入がおすすめです。なかでもBizRobo!なら、ITの専門的な知識がない方でも直感的な操作が可能。専任スタッフの手厚いサポートもあり、導入後も安心してお使いいただけます。
また一度ご契約いただけばロボットを無制限に開発できるのも特長。部署をまたいで業務自動化の幅を広げていただけます。無料期間もあるため、ぜひBizRobo!の使用感をお試しください。
段階を踏んで、着実に業務効率化を実現させましょう。
【参考】
※1 RPA導入企業が活用を本格化、AI-OCR導入も約2割を加工して作成
※2 IBM、「世界のAI導入状況 2022年(日本語版)」を発表
※3 松浦通運がBizRobo!×AIの連携でトラックの安全運行を実現 RPA社内開発で1,900時間相当の余力を創出し、働き方改革を加速を加工して作成