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医療の現場では、AIの導入がこれまで以上のスピードで進んでいます。診断支援に加え、近年は「生成AI」「マルチモーダルAI」「プログラム医療機器(SaMD)」の実用化が進み、問診・記録・検索・手術支援など、医療従事者の業務を現実的に支援するユースケースが増えてきました。
一方で、クリニックや中小規模の医療機関では、AI導入がまだ十分に進んでいないのも実情です。「日々の診療で手一杯で検討できない」「費用対効果が見えづらい」「データ連携が難しそう」といった声は根強く、導入が構想で止まるケースも少なくありません。
ただし、医療DXが進むほど、AIは「あれば便利」から「経営と診療を支える基盤」へと位置づけが変わります。重要なのは、いきなり難しいことを目指すのではなく、現場で効く具体例から理解し、自院の状況に合わせて段階的に取り入れることです。
本記事では、現時点で実用化が進んでいる医療AIの活用例を分野別に11例紹介するとともに、医療現場における導入の現状や課題を解説します。あわせて、医療機関の事務業務の効率化に活用されているRPAの事例も紹介し、医療現場におけるDXの進展について分かりやすく解説します。
【分野別】医療AIの活用例11選
医療AIはさまざまな領域で活用されています。特に国の議論でも重点領域として挙げられてきたのが、画像診断や診療支援、医療従事者の負担軽減などです。
ここでは、厚生労働省の「保健医療分野におけるAI開発の方向性について」で示された整理を参考に、医療AIの主要な活用領域を6分野に分類し、各分野における具体的な活用例(計11例)を紹介します。
| 医療分野 | AIの活用方法 |
|---|---|
| ①ゲノム医療 | AIによるゲノム(遺伝子)配列の分析、AIによるガン治療の最適化 など |
| ②画像診断支援 | AIによる悪性腫瘍やポリープなどの発見、AIによるX線画像の読影 など |
| ③診断・治療支援 | AIによる診察時の視覚支援、AIによる治療計画の立案 など |
| ④医薬品開発 | AIによる成分分析、AIによる創薬 など |
| ⑤介護・認知症 | AIによる支援計画書や周辺資料の自動作成、AIによる利用者の見守りと危険行動の警告 など |
| ⑥手術支援 | AIロボットが手術を代行、AIが手術時の視覚や手先をサポート など |
(※1)
では上記の分野における、具体的な活用例を見ていきましょう。
①ゲノム医療領域

遺伝子情報に基づいて診断や治療を行う「ゲノム医療」の分野において、AIの活用が進んでいます。
国立がん研究センターに「がんゲノム情報管理センター(C-CAT)」が整備され、全国の医療機関からゲノム情報や臨床情報が集約されています。これにより、遺伝子変異と治療効果の関係を分析できる基盤が構築され、医師はより多くのデータをもとに治療方針を検討できるようになっています。
【AI活用例1】がんゲノム医療におけるAI活用例
ゲノム医療は、主にがんの診断や治療法の選択に活用されています。しかし、人のゲノム配列は一人ひとり異なり、その組み合わせは非常に膨大です。どの遺伝子変異が病気の原因となっているのか、またどの治療が有効なのかを判断するには、多くの論文や症例データを確認する必要があります。
従来は、専門医が文献やデータベースを手作業で調査していましたが、近年ではAIがこれらの情報を高速に分析し、治療選択の参考となる情報を提示できるようになっています。
AIは、過去の症例データや医学論文、臨床試験情報などをもとに、特定の遺伝子変異に対して有効とされる治療薬や、新たな治療の選択肢を整理して提示します。これにより、医師はより短時間で適切な治療方針を検討できるようになります。
特に、進行の早いがんや希少がんなど、迅速な判断が求められるケースでは、AIによるゲノム解析が大きな役割を果たします。今後はゲノムデータの蓄積とAI技術の進化により、患者一人ひとりに最適化された「個別化医療」の実現がさらに進むと期待されています。
②画像診断支援領域

MRIやレントゲン、CTなどの画像診断領域においても、医療AIの活用が進んでいます。医療AIの精度向上には大量の診療画像データが不可欠であり、日本では複数の学会や研究機関が連携し、診療画像を集約・活用するための共通プラットフォームの整備が進められてきました。
・日本病理学会
・日本消化器内視鏡学会
・日本医学放射線学会
・日本眼科学会
・日本皮膚科学会
・日本超音波医学会
(※2)
こうした取り組みにより、幅広い診療分野で医療AIを活用できる環境が整備されつつあり、画像診断の精度向上や効率化が現実の医療現場で進んでいます。
【AI活用例2】大腸ポリープ候補検出における医療AI活用例
画像診断AIの中でも、特に実用化が進んでいるのが「内視鏡検査」領域です。大腸内視鏡検査は検査件数が多く、ポリープの早期発見が重要であることから、AIによる診断支援の導入が進んでいます。
日本で承認された代表的な画像診断AIの一つが、サイバネットシステム株式会社が昭和大学横浜市北部病院や名古屋大学大学院などと共同開発した「EndoBRAIN」です。
EndoBRAINは、内視鏡で取得した画像をリアルタイムに解析し、ポリープの特徴をもとに腫瘍性かどうかの可能性を数値で提示します。これにより、医師は客観的な情報を参考にしながら診断を行うことができ、診断の精度向上や負担軽減につながります。
現在では、内視鏡画像の診断支援AIはさらに進化しており、以下の企業なども画像診断AIの開発・実用化を進めています。
・富士フイルムホールディングス株式会社
・日本電気株式会社
・エルピクセル株式会社 など
(※3)
これらの技術により、ポリープの見落としリスクの低減や検査の効率化が期待されています。
【AI活用例3】MRIやCTの読影業務における医療AI活用例
日本はCTやMRIなどの画像診断装置の普及率が高い一方で、画像を読影できる専門医の不足が課題となっています(※4)。
このような背景から、画像診断AIが読影業務の支援ツールとして活用されています。画像診断AIは、主に次のような役割を担います:
・異常所見の自動検出
・病変の識別・分類
・疾患名候補の提示
・臓器や病変の位置・領域の抽出(セグメンテーション)
・診断レポート作成の支援 など
例えば、CTやMRI画像から異常が疑われる箇所を自動でマーキングし、医師に注意を促すことができます。また、病変の特徴を数値化して提示することで、診断の判断材料として活用できます。
これにより、読影にかかる時間の短縮や見落としリスクの低減が可能となり、放射線科医の負担軽減と診断精度の向上の両立が実現しつつあります。特に、検査件数の多い医療機関では、AIによる読影支援が医療の質と効率の向上に大きく貢献しています。
③診断・治療支援領域

病気の診断や治療支援の領域においても、医療AIの活用が進んでいます。
2026年現在の日本では、医療AIは医師の判断を補助する「診断支援ツール」として位置づけられており、最終的な診断や治療方針の決定は医師が行うことが原則です。一方で、欧米ではAIを活用した診断支援システムの実用化が進んでおり、特定の疾患領域ではAIが診断プロセスの一部を自動化する事例も登場しています(※5)。これにより、医師不足の解消や診断の効率化が期待されています。
しかしその一方で、AIによる診断に対する不安の声も依然として存在します。米国の調査では、約6割の人がAIに依存した診断や治療に対して不安や抵抗感を持っているという結果も報告されています(※6)。また、患者データの安全性や説明責任など、医療分野特有の課題にも十分な配慮が必要です。
そのため日本では、医療AIを医師の代替ではなく、「医師の判断を支援するツール」として活用する形で導入が進んでいます。AIを活用することで医師の負担を軽減し、診療の質と効率を両立することが期待されています。
【AI活用例4】オンライン診断への医療AI活用例
症状検索エンジン「ユビー」は、日本で広く利用されているAI問診サービスの一つです。スマートフォンやパソコンから症状に関する質問に回答することで、考えられる病名の候補や緊急度の目安などをAIが提示します。
ユビーは、医学論文や臨床知見に基づいたデータベースをもとに開発されており、多くの疾患に対応しています。医師とデータサイエンティストが連携しながら継続的に精度の向上が図られている点も特徴です(※7)。
また、医療機関では「ユビー」を問診票の代わりとして導入するケースも増えています。従来の紙の問診票に比べて、入力の手間や読み取りの負担が軽減されるだけでなく、症状の聞き漏れ防止にもつながります。
実際に導入した医療機関では、問診にかかる時間の短縮や受付業務の効率化などの効果が報告されており、医療スタッフの負担軽減にも貢献しています。
【AI活用例5】治療計画の立案における医療AI活用例
日本電気株式会社(NEC)、理化学研究所、日本医科大学は、医療ビッグデータを多角的に解析する「マルチモーダルAI」の研究開発を進めています。
従来の医療AIは、画像データや検査データなど単一の情報をもとに分析するケースが多く、患者の状態を総合的に判断することが難しいという課題がありました。
マルチモーダルAIは、電子カルテ、画像データ、検査結果など複数の医療データを統合して解析することで、より高精度な予測や診断支援を可能にします。
例えば、前立腺がんを対象とした研究では、手術後の再発予測精度が従来の手法と比較して向上したことが報告されています(※8)。
現在は研究・実証段階の技術も多いものの、今後実用化が進めば、より適切な治療計画の立案や疾患の早期発見が可能になると期待されています。また、診断や治療方針の検討にかかる時間を短縮できるため、医療従事者の負担軽減にもつながると考えられています。
④医薬品開発領域

医薬品開発の領域においても、AI技術の活用が進んでいます。日本の製薬業界では、欧米で承認されている医薬品の一部が国内では開発・承認されていない「ドラッグ・ロス」が課題とされています。これは、海外では利用できる薬が、日本ではまだ開発されていない状態を指します。
こうした背景には、創薬に多くの時間とコストがかかることや、専門人材の不足などがあります。新薬の開発には10年以上の期間を要することもあり、開発の効率化が求められています(※9)。
そこで注目されているのが、AIを活用した創薬です。AIは膨大な研究データや論文を分析し、有望な候補物質の特定や薬効の予測を支援します。これにより、創薬にかかる時間の短縮やコスト削減が期待されています。
近年では、生成AIを活用して新たな化合物を設計する研究も進んでおり、AIは創薬プロセスを支える重要な技術となりつつあります。今後、AIの活用が進むことで、新薬開発の加速や、これまで治療が難しかった疾患への対応が期待されています。
【AI活用例6】生成AIで各成分の形態と構造変化を推定
富士通株式会社と国立研究開発法人理化学研究所は、生成AIを活用した創薬技術の研究開発を進めています。この技術は、電子顕微鏡で撮影された画像データをもとに、タンパク質の構造変化を高精度に予測するものです。
タンパク質は柔軟に構造を変化させながら体内で機能するため、その構造を正確に把握することは創薬において非常に重要です。しかし従来は、構造解析に多くの時間とコストがかかるという課題がありました。
生成AIを活用することで、大量の画像データを高速に解析し、標的となるタンパク質の構造変化を効率的に予測することが可能になります(※10)。これにより、創薬研究の効率化と精度向上が期待されており、生成AIは次世代の創薬基盤技術として注目されています。
【AI活用例7】AIでオーダーメイドのワクチンを製造
Transgene SAと日本電気株式会社(NEC)は、AIを活用した個別化がんワクチン「TG4050」の共同開発を進めています。このワクチンでは、患者ごとの遺伝子情報をもとに、最適ながん抗原(ネオアンチゲン)をAIが予測・特定します。
がんは治療後も再発するケースがあり、患者ごとに適した治療法の選択が重要です。TG4050は、AIによって個々の患者に適した抗原を特定し、それに基づいてワクチンを設計することで、より効果的な免疫反応を引き出すことを目指しています。
臨床試験も進められており、AIによって選定されたネオアンチゲンに対する免疫応答が確認されています。また、一定期間にわたり免疫反応が持続することも報告されています(※11)。
この技術により、がん治療の精度向上や再発リスクの低減が期待されています。今後は、患者一人ひとりに最適化されたオーダーメイド医療の実現に向けて、AIの活用がさらに進むと考えられています。
⑤介護・認知症領域

介護・認知症領域においても、AIの活用が進んでいます。高齢化が進む日本では、介護・医療分野における人材不足が大きな課題となっています。

(※12)
厚生労働省の推計によると、2040年度には2022年度と比較して約57万人の介護職員が追加で必要になると見込まれています(※12)。
こうした背景から、介護現場では業務負担の軽減や安全性の向上を目的として、AIを活用した業務支援や見守りシステムの導入が進んでいます。AIの活用により、職員の業務効率化や負担軽減が期待されるだけでなく、離職率の低下や人材不足の解消にもつながると考えられています。
介護業界の現状と対策については、下記記事で詳しく解説しています。
【AI活用例8】AIロボットで入居者の安全を見守り
エイ アイ ビューライフ株式会社では、AI技術を活用した介護見守りシステムを開発しています。このシステムは、介護施設の入居者の動作や状態をAIが分析し、危険動作や異常の兆候を検知した場合に、介護職員の端末へ通知します。
具体的には、以下のような動作や状態を検知することが可能です(※13)。
・ベッドからのずり落ち
・うずくまり
・転倒
・呼吸状態の変化
・部屋やトイレへの入退室 など
これにより、職員がすべての入居者を定期的に巡回する必要が減り、業務負担の軽減につながります。また、異常を早期に検知できるため、事故の未然防止や入居者の安全性向上にも貢献します。
【AI活用例9】AIによるケアプランの自動作成
ITソリューションを提供する株式会社BSNアイネットでは、AIを活用したケアプラン作成支援システムを開発しています。このシステムは、過去のケアプランや利用者データをもとに、利用者の状態に応じた適切なケアプランの作成を支援します。
ケアプランは単純に自動生成されるのではなく、利用者の状況や希望に応じて条件を設定することが可能です。例えば、次のような条件を考慮したプランの作成ができます。
・家族の負担を軽減したい
・本人の意向を優先したい
・費用を抑えたい など
これにより、利用者や家族のニーズに沿ったケアプランを効率的に作成できます。また、作成されたケアプランはAIの学習データとして蓄積されるため、継続的に精度が向上していきます(※14)。
その結果、ケアプラン作成にかかる時間の短縮が可能となり、介護職員の業務負担軽減とサービス品質の向上の両立が期待されています。
⑥手術支援領域

手術支援の領域においても、医療AIの導入が進んでいます。手術は医師の経験や熟練度に依存する部分が多く、心理的・身体的な負担が大きいことが課題となっています。
こうした課題の解決手段として注目されているのが、AIを活用した手術支援技術です。近年では、AIを活用したソフトウェアが「プログラム医療機器(SaMD)」として承認され、実際の医療現場で活用が進んでいます。
これらのプログラム医療機器は、手術中の映像をリアルタイムで解析し、重要な組織や切除位置を視覚的に提示することで、安全で精度の高い手術を支援します。これにより、手術品質の安定化や医師の負担軽減が期待されています。
【AI活用例10】AIで手術時の視覚をサポート
日本では、AIを活用した手術視覚支援技術がプログラム医療機器として実用化されています。その一例が、アナウト株式会社が開発した外科手術視覚支援プログラム「Eureka α(ユーリカアルファ)」です。
Eureka αは、手術映像をAIが解析し、切除の目安となる組織をモニター上で強調表示します(※15)。これにより、医師は重要な組織の位置を確認しながら手術を行うことができ、安全性の向上につながります。
また、AIによる視覚支援は、経験の浅い医師の技術習得を支援するツールとしても活用が期待されています。
【AI活用例11】AIによる視覚支援で臓器損傷リスクを低減
株式会社Jmeesが開発した内視鏡手術支援プログラム「SurVis-Hys(サービス・ヒス)」も、AIを活用したプログラム医療機器の一例です。
SurVis-Hysは、手術映像をAIが解析し、膀胱や尿道などの臓器を自動検出してモニター上に表示します。これにより、医師は臓器の位置を正確に把握でき、臓器損傷のリスク低減につながります(※16)。
このように、AIを活用したプログラム医療機器は、手術の安全性向上と医師の負担軽減に貢献しており、今後も医療現場での活用が広がると期待されています。
医療現場へのAI進出は進みつつあるが、まだ一部にとどまる
日本の医療現場では、画像診断支援や問診支援、手術支援などを中心に、医療AIの導入が進み始めています。特に、プログラム医療機器(SaMD)として承認されたAIソフトウェアの活用が広がりつつあります。
一方で、すべての医療機関でAIが広く活用されているわけではなく、導入は一部の大規模病院や先進的な医療機関が中心となっています。導入にはコストや運用体制の整備が必要であることから、全国的な普及には段階的な対応が求められています。
医療機関がAIを導入しない理由としては、「費用対効果がわからない」などの課題が挙げられています。特に中小規模の医療機関では、導入のハードルが高いと感じるケースも少なくありません。

(※17)
AIだけでなく、RPAという選択肢も
医療AIへの関心は高まっていますが、「どこから導入すればよいのか分からない」「診療にAIを導入するのはハードルが高い」と感じる医療機関も少なくありません。
このような場合は、まずRPAの導入から始める方法が有効です。RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)は、パソコン上の定型業務を自動化できるソフトウェアです。
例えば、電子カルテのデータ整理、各種書類の作成、診療報酬の計算、検査データの転記など、日常的に発生する事務作業の多くを自動化することができます。
RPAは診断や治療そのものを行うものではなく、事務業務の効率化を目的としたツールであるため、比較的導入しやすい点が特徴です。既存のシステムを大きく変更することなく導入できるため、多くの医療機関で活用が進んでいます。
また、事務作業を自動化することで、医療従事者は診療や患者対応により多くの時間を割くことができるようになります。これにより、医療の質の向上や患者満足度の向上にもつながります。
医療DXを進めるうえでは、まずRPAで業務を自動化し、その後AIの導入を段階的に進めていくことが効果的です。
RPAとAIの違いについては、下記記事で詳しく解説しています。
医療現場におけるRPAの活用例
医療現場では、すでにRPAが多く活用されています。人手の不足している医療現場において、RPAのような自動化ツールは非常に便利です。
ではここから、RPAツール「BizRobo!」の活用例を紹介します。
・4時間かかっていた事務作業をわずか5分に短縮
・検査値や薬歴などをRPAが自動抽出
・在宅診療の書類作成業務を自動化
4時間かかっていた事務作業をわずか5分に短縮

福岡県済生会福岡総合病院では、コロナ禍をきっかけに事務部門のDXを推進し、業務効率化を図るためBizRobo!を導入しました。院内のDX戦略チームを中心に、事務作業の実態を分析し、自動化の対象業務を選定しました。
具体的には、症例登録や外部医療機関へのメール送信などの業務をBizRobo!で自動化。これまでメールの個別送信には約240分、症例登録には約120分かかっていましたが、RPAの導入によりメール送信はわずか5分、症例登録も約30分で完了できるようになりました。
単純でありながらミスの許されない作業を自動化したことで、事務担当者の業務負担が大幅に軽減されただけでなく、精神的な負担の軽減にもつながりました。今後は、さらに多くの業務への展開を進め、院内全体の業務効率化とDXの推進を図っています。
検査値や薬歴などをRPAが自動抽出

市川総合病院では、医療安全の向上や働き方改革の推進を目的としてBizRobo!を導入しました。医療情報システム管理課を中心にRPA導入プロジェクトを進め、医療現場や事務部門の業務効率化に取り組みました。
具体的には、医事課、放射線科、診療情報チーム、薬剤部など複数の部署を対象にロボット開発を進め、合計9体のロボットを実用化。例えば、造影剤CT・MRI検査前に必要なeGFR値の確認業務では、患者の過去1年分の検査データを自動抽出・リスト化し、造影剤使用の可否判定を支援することで、業務効率化と医療の質向上を実現しました。
また、入院患者シートの印刷や統計集計、退院サマリの確認などの業務も自動化したことで、始業前に必要な準備が完了するようになり、職員はよりスムーズに業務を開始できるようになりました。これにより、事務作業の負担軽減だけでなく、医療安全の向上やタスクシフティングの推進にもつながっています。
在宅診療の書類作成業務を自動化

浅川学園台在宅クリニックでは、訪問診療の増加や新型コロナワクチン対応により、院長自らが休日に事務作業を行うなど、業務負担が大きな課題となっていました。業務効率化を図るため、BizRobo!を導入しました。
具体的には、電子カルテと連携し、「在宅療養計画書」や「訪問看護指示書」など、訪問診療に必要な書類の発行業務をBizRobo!で自動化。これまで毎月約13時間かかっていた業務が、約3時間で完了できるようになり、月10時間の休日労働の削減を実現しました。
さらに、患者ごとの請求書発行業務も自動化したことで、事務作業の負担が大幅に軽減。個人開業の在宅クリニックでは一般的に約50人とされる患者数に対し、約80人の在宅医療にも余裕を持って対応できるようになりました。業務効率化により、診療により集中できる環境が整い、医療サービスの質の向上にもつながっています。
まずは小さな業務から自動化を

医療AIは、画像診断支援や手術支援、問診支援などの分野で実用化が進んでおり、医療現場の負担軽減や医療の質の向上に貢献し始めています。今後も、プログラム医療機器(SaMD)や生成AIの進化により、医療AIの活用はさらに広がっていくと考えられます。
一方で、すべての医療機関がすぐにAIを導入できるわけではありません。導入コストや運用体制の整備、既存システムとの連携などの課題もあり、どこから取り組むべきか悩む医療機関も多いのが現状です。
こうした課題に対する第一歩として有効なのが、RPAによる業務自動化です。BizRobo!は、既存のシステムや業務フローを大きく変更することなく、電子カルテ関連業務や各種書類作成、データ転記などの定型業務を自動化できます。
また、専門的なプログラミング知識がなくても利用できるため、現場主導で導入・運用が可能です。専任スタッフによるサポート体制も整っており、安心して活用を進めることができます。
さらに、1ライセンスで複数のロボットを作成・運用できるため、さまざまな業務の自動化に柔軟に対応できます。まずは無料お試し期間を通じて、医療現場における業務効率化の効果をぜひご体感ください。
また、BizRobo!はローカル環境で利用できるLLM(大規模言語モデル)と連携することで、退院サマリや診療情報提供書などの文書作成の自動化にも対応可能です。生成AIとRPAを組み合わせることで、安全性を確保しながら、より高度な業務自動化と医療DXの推進を実現できます。
【参考】
※1 保健医療分野におけるAI開発の方向性についてを加工して作成
※2 多様な臨床画像を用いた人工知能プロトタイプを開発を加工して作成
※3 急拡大する「画像診断支援AI」の業界地図、大腸や肺を対象とした実用化が先行を加工して作成
※4 平成 30(2018)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況を加工して作成
※5 Transforming Global Healthcare With Artificial Intelligenceを加工して作成
※6 医療へのAI活用に6割が違和感、米シンクタンク調査を加工して作成
※7 ユビーを加工して作成
※8 NEC 、理化学研究所、日本医科大学、電子カルテとAI技術を融合し医療ビッグデータを多角的に解析を加工して作成
※9 本邦の医薬品開発の推進のための課題とその方策を加工して作成
※10 富士通と理化学研究所、独自の生成AIに基づく創薬技術を開発を加工して作成
※11 Transgene社とNEC、個別化ネオアンチゲンがんワクチンTG4050の共同臨床開発を継続するため協業を延長を加工して作成
※12 介護人材確保に向けた取組を加工して作成
※13 転倒を防げ、被介護者の危険状態をAIが予兆検知を加工して作成
※14 AIを活用したケアプラン作成支援システムを加工して作成
※15 AI視覚支援手術、国内で初めて*実施を加工して作成
※16 SurVis-Hysを加工して作成
※17 期待高まるAI、それでも8割の医療機関は未導入。理由は「費用対効果わからない」を加工して作成


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