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労働生産性とは?生産性向上のための取組みと最新事例を徹底解説!

労働生産性とは?生産性向上のための取組みと最新事例を徹底解説!

日本は過去まだどの国も経験したことのない超少子高齢化問題に直面し、社会的、経済的、文化的側面でさまざまな課題を抱えています。人口が減少し、労働力不足が加速する中、企業は限られた労働量で成果を生み出すために労働生産性の向上に向けた取り組みの必要性が高まっています。今後、3年、5年先を見据えて”今”から企業が実践すべき取組みとは?生産性向上に向けての具体的な事例も交えて解説します。

生産性とは

生産性とは、投入資源と産出の比率を意味します。つまり、投入した生産要素に対してどれだけ付加価値を生み出せたかを表すものです。投入した資源に対して産出の割合が大きければ大きいほど生産性が高いということになります。

労働生産性には、生産量、販売金額の視点からみた「物的労働生産性」、付加価値額の視点からみた「付加価値労働生産性」の2種類があります。

生産性向上と業務効率化の違い

「生産性向上」と混同して使われやすい用語に「業務効率化」があります。業務効率化とは、会社の業務を進めるためのプロセスから無駄なものやことを削ることで、よりスムーズに業務が遂行できる状態にすることです。これまで行ってきた業務のスピードをより早めてコストを下げることで、業務そのものの効率化を指します。

一方で生産性向上は、事業や会社全体の「付加価値を高める」という観点から、業務効率化に加えて事業の再構築や新規創出など幅広い対策が考えられるのが特徴です。

労働生産性の計算方法について

生産性計算式
生産性=産出(アウトプット)/投入(インプット)

労働生産性とは、労働者1人あたり、またはある一定の労働時間でどれだけの付加価値を生み出したかで算出できます。つまり、生産性を向上するためには同じ労働量でより多くの成果を出すか、より少ない労働時間で同じ量の成果物をつくり出すことが重要です。

生産性低下の原因

生産性の低下を招く要因はいくつか存在しますが、主な要因は以下の2つとなります。ルーチンワークの長時間労働非効率なマルチタスクの業務を改善することにより大幅な生産性向上が可能となります。

・単純作業による長時間労働
・非効率なマルチタスク

単純作業による長時間労働

現在は2019年4月の「時間外労働の上限の設定」により、徐々に長時間労働は減少してきましたが、過去日本は長時間労働により国連の社会規約委員会から指摘を受けたことがあるほど大きな問題となっていました。長時間労働の常態化は、企業の労働生産性を下げるとともに社員のパフォーマンスを著しく低下させます。

長時間労働が常態化するとストレスや疲労が蓄積し、判断力や集中力が低下、業務の進みが遅くなるだけではなく、業務上のミスや事故につながる可能性も高くなります。社員が定時に帰宅でき次の日のために十分に休息がとれる会社の方が、労働生産性は高く健康的に働くことができます。

非効率なマルチタスク

人間の脳は構造上、1度に2つ以上の物事を正確に並列処理することが苦手だと言われています。表面上は一見同時に処理しているように見えていても、脳内ではタスクごとに脳内でスイッチを切り替えているのです。つまり複数の仕事の同時進行を続けていると、生産性の向上につながるように見えて実はケアレスミス等が発生し、いずれ限界が来るのです。

生産性を向上するための組織作りのためには、このようなマルチタスクを可能な限り減らす仕組みが必要です。マルチタスクにならない環境作りも重要なのです。

日本の労働生産性の現状とは

日本の未来を考える上で労働生産性の水準は重要な指標のひとつになってきます。現状は日本生産性本部の「労働生産性の国際比較 2019」によると、OECDデータに基づく2018年の日本の時間当たり労働生産性は46.8ドル(4,744円)で、OECD加盟36カ国中21位となっています。これは主要先進7カ国では、日本が最下位の状況となっています。

生産性 RPA
出典:日本生産性本部「国際的にみた日本の時間当たり労働生産性」

これから先、日本の労働力減少が避けられない状況において、現状の経済を維持していくためには、企業の働き方、個々の労働生産性を上げる仕組みづくりが必要となります。RPA(ロボットによる業務自動化)やAI(人工知能)をフル活用し、人とロボットによる個人業務のオートメーション化を進めていくための攻めの投資が多くの企業で進んでいます。RPAやAIを活用し労働生産性を上げるための具体的な施策とはどのようなものでしょうか?

関連記事:RPAとは

生産性向上に向けて、企業ができる施策RPAとは

前述のように個々の労働生産性を劇的に改善するためには、“会議の時間を短くする”や“残業時間を減らす”等々、今までの働き方を少々改善したくらいでは大きな成果は上げられません。根本的な働き方の見直しが必要となるのです。そこで様々な企業で活用され始めているのがRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)です。
労働生産性 RPA
「RPA」とは、ロボットによる業務自動化の取り組みを表す言葉で「デジタルレイバー(Digital Labor)」や「仮想知的労働者」とも呼ばれています。オフィスの業務を、パソコンやサーバ上にあるソフトウェア型のロボットが業務代行・自動化を実現します。

RPAは人間が行う業務の処理手順を操作画面上から登録するだけで、さまざまなアプリケーションを横断し業務自動化が可能となります。

現在このRPAは様々な分野で活用され始めており、サービスをはじめ、流通、小売、インフラ、商社、製造、金融、不動産、自治体まで多方面で業務自動化を拡大し、より広範囲な業務に対応できる技術として活用されています。 RPA「デジタルレイバー」は単なるRPAツールとしてではなく、業務全体を把握し人と協働することにより業務を分担・人間と共存しコスト削減や売上向上などの企業活動に良い影響を与えています。

労働生産性向上の成功事例

生産性 RPA

【RPA事例① 流通業界―23業務・年間2万時間分をBizRobo!で削減】
<課題>
小売店舗数を拡大していたが、ビジネスモデル転換期に入り最大の課題となったのは、幕張オフィスに集約している店舗オペレーション業務の煩雑化だった。また、販売する中古車には故障や不具合が発生した際の保証サービスが付帯しており、その申請にあたってシステムへの情報入力等、大量の定型業務が月あたり約3,000件も発生していた。

<対象業務>
6カ月間で作り上げたロボットはおよそ100体、対象業務は23業務。

<RPAによるソリューション>
検証フェーズにおける業務の削減時間は「年間8,000時間」が見込まれ、ロボットはおよそ100体、対象業務は23業務で単純作業から、人の判断を伴う複雑な業務まで、年間約2万時間の業務工数をBizRobo!で効率化を実現した。
関連記事:BizRobo!ゴールドパートナーのサポートでスムーズに導入、年間2万時間を削減。新しいビジネスの創出を目指す

 

生産性 RPA事例

【RPA事例② 人事関連サービス業界―合計約9,000時間の工数削減が見込まれた】
<課題>
サービスの提供先が急増。それに伴って取り扱うデータ量も急増し、処理リソース不足が大きな課題となっていた。

<対象部門>
事業企画本部含む合計4部門での活用。

<RPAによるソリューション>
社内業務ではトータルで約9,000時間の工数削減が見込まれている。部門横断で標準化が進む入出金業務は1日で最大70件以上の作業が発生しており、10人のスタッフが4時間以上かけて行っていた。しかし、その業務をロボットが代替したところ、スタッフはチェック業務が中心になり、3人が3時間程度の稼働で済むようになった。コピー&ペーストのミスや、タイピングミスなどのヒューマンエラーがなくなり、チェック作業もストレスなく進んでいる。
関連記事:シェアード実績を生かしてRPAを運用。全社一丸で月間9000時間の工数削減を目指す

 

生産性 RPA事例

【RPA事例③ 小売・製造業界―122体のロボットが稼働、年間2万時間の業務を代替】
<課題>
社内の複数の部門から同時多発的に、業務改善を目的としたRPA導入のリクエストが寄せられた。そのため、情報システム部でデジタル化による業務効率化、生産性の改善等をミッションとする「デジタル推進グループ」が中心となり、本部および物流センターの業務へのRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)活用を推進した。

<対象部門>
店舗への商品仕分けに伴う作業の進捗管理業務や受領証明書の発行業務など。

<RPAによるソリューション>
受領証明書の発行作業への導入以降、BizRobo!の活用は徐々に全社的活動へと広がっている。対象業務は15~20種にまで広がり、現在では122体のロボットが稼働中。トータルで年間2万時間分の創出効果を生んでいる。ほかにも業務の俗人化防止、作業ミスが軽減し時間的・物理的ロスが削減、土日深夜対応の簡便化など効果のみならず、副次的な効能も出ている。
関連記事:ユーザー部門の要望でBizRobo!導入、半年で年間2万時間分を効率化。業務全体を標準化し、年間10万時間の余力創出を目指す

 

生産性 RPA事例
【RPA事例④ 製造業界(重工業)―約3,000人の組織に3年計画でくまなくRPA開発者を配置へ】
<課題>
生産性向上に向けた事務業務やバックオフィス関連業務の効率化を模索していた。

<対象業務>
間接業務の定型業務に着目。生産性向上に向けデジタル人材育成を開始する。以下の業務での効果がでている。
・複数プロジェクトに従事する社員の作業管理業務
・従業員の勤怠管理業務
・メールの仕分け業務
・予算の管理業務など

<RPAによるソリューション>
最初にロボット化の対象とされた間接業務は、その後の普及活動を念頭に置き、事例としての分かりやすさを重視して選定。そのため、短期的な導入効果を強く期待したわけではなかった。しかし、4業務に導入されたロボットによる工数削減効果は、1年間の通算で600~800時間に達する見通し。当初掲げていた同250時間の目標を、実に2~3倍上回ると予想されている。
関連記事:「日本の空を守る」ものづくりの現場で、RPA技術者200人以上の育成を目指す

生産性向上の業務適応事例

生産性向上のために各業界・業種でさまざまなロボットが開発・活用されていますが、その活用方法は無数にあります。実際にRPAを習得し、具体的な業務に適応した業務適応事例を業種ごとにまとめていますので、ぜひご参考までに自身の業務と照らし合わせてみてください。
関連ページ:業種ごとのRPA業務適用事例

労働生産性向上に向けてのロボットとの協働

RPAの活用による労働生産性向上には、情報システム部門のみならず現場でのデジタルレイバーとの協働が重要な鍵となるでしょう。今回ご紹介した事例には地道なデジタル人材になるための教育や企業規模で利用するための準備も必要となります。しかし、RPAを導入し活用フェーズに入ると、RPAのスケール化(社内展開)が進み飛躍的に労働生産性が向上し、さらには単純なミスがなくなる、単純作業というストレスからの解放など副次的な効果も出てくるでしょう。RPA導入検討中の方はぜひお気軽にお問い合わせください。
関連記事:各業界のRPA導入事例と効果・効能について