2024年6月、RPAテクノロジーズ株式会社は、会社統合の上、オープン株式会社へ社名を変更予定です。
 
 
 

 

BizRobo! Basic

三菱重工業株式会社

「日本の空を守る」ものづくりの現場で、RPA技術者200人以上の育成を目指す

Highlight

  • 生産効率向上の取り組みを事務作業に広げるBizRobo!
  • 社内教育に注力、導入初年から想定以上の効果を達成
  • 約3,000人の組織に3年計画でくまなく開発者を配置

三菱重工業株式会社の防衛・宇宙セグメント 航空機・飛昇体事業部は、防衛省向けに戦闘機などの防衛装備品を納入している。ものづくりを通じて「日本の空」を守る重責を担っている。機密事項が多く、高度な信頼性が重視される現場で生産効率を高める取り組みの一環として2018年5月、PC上での定型作業をソフトウエアで代替するRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)ツール「BizRobo!」を採用。現場の実情に応じて手早く実装できるRPAのメリットを活かすため社内教育に力を入れており、15日間にわたる独自の研修プログラムを整備。2021年度までの3年間に事業部の7%強にあたる200人以上のロボット開発者を養成し、全部署にくまなく配置する計画だ。

導入背景信頼性重視の文化と、全体最適に向けた改善を両立 | RPA事例 製造業

RPA事例 製造業

生産効率向上の取り組みを、事務作業の見直しにも拡大

陸・海・空、さらに宇宙をフィールドに事業展開し、日本を代表するものづくり企業として知られる三菱重工業。愛知県に本拠を置く航空機・飛昇体事業部は社員約3,000人を擁する。

人命に直結する航空・宇宙分野の製品設計や製造では、長年の実績で信頼性が明らかな技術を受け継ぎ、そのまま使い続ける例が多い。同事業部のカルチャーも、基本的には変化に対して慎重な姿勢が強いという。ただ生産効率向上への取り組みは早くから全員参加でロスを減らすマネジメント手法「TPM(Total Productive Maintenance)」等が各工場で定着している。

主に生産面から進めてきた全体最適の追求を、付随する事務作業やバックオフィスにも及ぼす具体策として2018年、東京の三菱重工本社で導入が始まっていたRPAの活用が検討されるようになった。

BizRobo!を
選んだ理由
機密を扱う業務に耐える機能とコンセプトを評価 | RPA事例 製造業

三菱重工業株式会社

自前で開発・運用できる操作性と研修体制も決め手に

同事業部が採用するRPAツールの選定にあたっては、機密事項が多い防衛装備品を取り扱う業務への適性がまず重視された。

統制から外れて想定外の動きをするロボットが出現しないよう、あらゆる挙動が集中管理できる「サーバ型」のツールを軸に複数の製品を比較。しばらく放置すると画面ロックがかかるセキュリティー対策を施されたPC上でも支障なくロボットが動くか検証された。

さらに「既に稼働している社内システムに改修や連携を要する際、外部にシステム開発を委託していては時間的に間に合わないようなケースでRPAを活用したい」(水田氏)との狙いから、プログラミングに詳しくない現場社員でも扱える操作性と、スキルを確実に身につけられる研修体制の有無についても入念に検討。これらの条件を全て兼ね備えているとして、最終的にBizRobo!の採用が決まった。

対象業務多くの部署に共通する間接業務をまず選択 | RPA事例 製造業

実際の導入事例をもとに、活用イメージの周知を狙う

実例を通してRPAの活用イメージを事業部内に広く浸透させる目的から、作業内容が分かりやすい間接業務のロボット化にまず着手。BizRobo!導入当初にトレーニングを受けた社員が中心となり、メール仕分け、勤怠や予算の管理、複数プロジェクトに従事する社員の作業管理など4業務の一部をロボット化した。

同時に、BizRobo!の販売元であるRPAテクノロジーズと共同で、ボトムアップによる社内運用の確立に向けた研修プログラムも整備。ロボット化の前提となる要件定義やツール操作の基礎、業務選定からロボット設計までの実践、さらに課題演習にいたる合計15日間のカリキュラムを、事業部内で四半期ごとに開くことが決まった。

この研修を数十人が受講し終えた2018年秋の段階で、受講者が戻った現場へのフォローアップも重要と判断。対象選定の相談や高度な実装に応じる新組織「RPA推進グループ」が発足している。

RPA事例 製造業

導入効果導入初年度の余力創出は「当初想定の2~3倍」| RPA事例 製造業

RPA事例 製造業

業務分析、要件定義スキルを向上させる契機に

同事業部において最初にロボット化の対象とされた間接業務は、その後の普及活動を念頭に置き、事例としての分かりやすさを重視して選ばれた。このため、短期的な導入効果を強く期待したわけではなかったという。

ただそれでも、4業務に導入されたロボットによる工数削減効果は、1年間の通算で600~800時間に達する見通し。当初掲げていた同250時間の目標を、実に2~3倍上回る結果となりそうだ。

一方、ロボット化の基礎を学ぶ社内研修では、実装の前段階にあたる「要件定義」を重視。ターゲットとする業務を分解し、ロボットでの実装にふさわしい構成へ再構築する能力を、技術職・事務職・管理職がそろって磨いている。

「業務改善の基本でありながら、確立した技術や手順を守る通常業務の中で出番が少なかったスキルを、RPA導入を機に強化しています」(吉田氏)

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CORPORATE PROFILE

社名
三菱重工業株式会社
事業内容
パワー、インダストリー & 社会基盤、航空・防衛・宇宙
ウェブサイト
https://www.mhi.com/jp/
話を伺った方
防衛・宇宙セグメント 航空機・飛昇体事業部 バリューチェーンマネジメント推進室長等
RPA事例 製造業
  • ここまでの内容に加えて下記を追加
    「今後について」
    「現場の声」
  • 印刷用PDF(フルカラー)4ページ

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