RPA(ロボティックプロセスオートメーション)とは
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1 RPA(Robotic Process Automation)とは何か
RPAとは、「ロボティック・プロセス・オートメーション(Robotic Process Automation:ソフトウェアロボットによる業務自動化)」を略した言葉です。
RPAは、RPAツールと呼ばれるソフトウェアを利用し、パソコン上でのルーチンワーク(繰り返し行う定型的な作業)を自動実行する技術です。
実際にRPAがどういうものか、ごく簡単に説明すると、「あらかじめ手順が決まっていれば、マウスやキーボードを使った作業を、いつでも・何度でも・高速に・ミスなく・自動で処理できる技術」といえます。
人が処理していた仕事の一部を肩代わりでき、まるで人を増やしたような効果が得られることから、RPAのことを「デジタルレイバー(仮想知的労働者)」と呼ぶこともあります。
RPAでできること
RPAを使って自動実行できる作業として、例えば次のようなものが挙げられます。
1 データをまとめる・登録する
データファイルをいくつか入手した後、それらからデータを抜き出し、社内システムに登録したり、1つのファイルにまとめたりする作業が、オフィスワークでは頻繁に発生します。
このようにデータをまとめる・登録する作業の多くは、RPAで自動処理できます。もう少し詳しく言うと、「どのデータを抜き出すか」「どう集計するか」「どこに登録するか」といった条件や手順が常に同じであれば、RPAツールに自動実行させることが可能です。
さらに、手間がかかるデータ入力作業をなくすこともできます。具体的には、RPAツールをOCR(光学文字認識)のソリューションと組み合わせることで、ファクスで届いた発注書や、荷物に同封された納品書などの紙書類をスキャンするだけで記載内容がデジタルデータ化され、このデータを社内システムなどに自動登録できるようになります。
2 数値が合っているか確認する
RPAツールを使うことで、ある数値が正しいかどうか確認する作業を自動化することもできます。
例えば経理業務には、こちらから請求した額と相手から入金された額が一致するか確認し、仕訳帳に反映させる「入金消込」と呼ばれる作業があります。
作業のルールそのものは単純ですが、いくつもの操作画面にまたがって対応するデータを探し出す手間がかかることや、処理件数が多いこと、またミスが許されないことから、担当者にとっては負担の重い仕事となりがちです。
RPAツールを使えば、こうした数値を照合する確認作業が自動化できます。デジタルレイバーは長時間稼働しても集中力が低下せず、また作業中に抜け・漏れや見間違いといったミスを起こさないので、人間が行うよりも格段に速く・正確な処理が期待できます。
入金消込を含め、特定の用途に特化した自動化システムは多数存在しますが、RPAが特徴的なのは、そうした特定の用途に限らず利用できる点です。RPAツールでは目的に応じてデジタルレイバーを自由に作成できるので、「納品書の数量合計と検品の数値が一致するか」「前回と今回で異なるデータはどれか」など、さまざまな数値の確認作業を自動実行させることができます。
3 通知やファイルを送る
RPAでできることの3つ目として、一定の期限ごと、またはある条件を満たしたときに、通知やファイルを自動的に送信できることが挙げられます。
RPAツールを使えば、例えば「書類の提出状況リストをもとに、未提出者に督促メールを自動送信すること」や、「毎日一定の時刻に、ファイルの最新版をコピー・添付したメールを、必要とする全員のメールアドレスに自動送信すること」などができます。
もちろん、RPAツールでできる他のこと、つまりデータをまとめる・登録する・確認するといった機能と組み合わせても構いません。したがって、例えば「10ファイルから1ファイルにデータを自動集約した後、メール添付で始業前に自動送信する」、あるいは「あるデータ登録作業を自動化し、完了時とエラー発生時に担当者へメール通知する」といった使い方も可能です。
4 情報を収集する
RPAでできることの4つ目として、インターネット上の公開情報を自動的に収集できることが挙げられます。
RPAツールでは、ユーザーの端末にインストールされたウェブブラウザを自動操作できるほか、一部のRPAツールは内部にウェブブラウザを搭載しています。作業速度も速く、人間の手ではとうてい不可能な量や頻度でウェブサイトを巡回し、最新の動向をいち早くチェックできるようになります。
具体的な用途として、「ECモールで販売する数百アイテムについて、競合企業の販売価格を、他のモールを含めて1日数回調査する」「自社が入札する可能性がある全ての公共機関について、最新の調達情報を定期的に確認する」などが考えられます。
2 いまRPAツールが注目される理由は「人手不足に効くから」
2-1 RPAが支持される背景
RPAツールは日本国内での活用が本格的に始まった2016年から5年あまりで大手企業の大半が導入に至るなど、数多くのITソリューションの中でも異例のスピードで普及が進んでいます。その最大の理由は、デジタルレイバーという仮想的な働き手を増やすことで、日本社会が直面する深刻な人手不足の解決策となりうる点にあります。
少子高齢化の影響で、労働力の中核をなす15歳以上65歳未満の生産年齢人口は、国内では1990年代をピークに減少傾向が続いています。2060年には「国民の約2.5人に1人が65歳以上」という超高齢化社会の到来も見込まれる中、必要な働き手の確保は、待ったなしの経営課題となっています。
RPAツールは、単に人手不足を補うだけではありません。いまや主要国最低水準となった日本の賃金を底上げするには、人でなくてもできる作業、中でも特に人が苦手とする作業を自動化して余力を生み出し、人しかできない仕事、より多くの付加価値を生み出せる仕事にシフトしていくことが欠かせません。
そこで注目されているのが、希少な経営資源である人に代わり、より速く正確、かつ低コストに作業を処理できるRPAです。
2-2 RPAが起こしつつある変化
RPAツールの登場で、これまで「システム化が難しく、人間しかできない」とされてきたような仕事もロボットで代行できるようになり、業務効率化が図れるようになりました。これにより、現場で働く人の負担が軽減されただけでなく、経営面でも多くの企業がRPAツールの導入費用を上回るコスト削減効果を達成しています。
人手不足対策としても、特に事態が深刻な物流、医療業界などの事務部門でRPAの活用が進んでおり、デジタルレイバーの活躍がもたらす余力をもとに、組織全体のリソース配分の最適化が進められています。
さらに、RPAツールを導入した自社のノウハウを生かして、他社へのDX支援事業などの新たなビジネスを開拓している例もみられます。
民間だけではなく、公共部門においてもRPAツールの導入が活発化しています。中央省庁では、すでに経済産業省や金融庁が活用しているのをはじめ、都道府県や市町村レベルでも、業務を再構築する一環としてRPAの採用が相次いでいます。
3 業務効率化におけるRPAの強みとアウトソーシングとの違い
3-1 「辞めない・休まない・間違えない・変化に強い」のがRPAの強み
人間にないRPAの強みとして、以下の4点が挙げられます。
・辞めない ・休まない(連続稼働できる) ・同じ間違いを繰り返さない ・変化に強い
デジタルレイバーは自己都合で辞めることはありませんし、24時間休みなく働き続けることも可能です。作業の初回から終わりまで、抜け・漏れや見落としといった“うっかりミス”とは無縁で、もし実際の稼働中にエラーが発生しても、1度修正すれば繰り返しません。さらに、業務の手順や仕様が急に変化しても、RPAツールで簡単な修正をすれば対応できる柔軟性も備えています。
一見人間しかできないように思える複雑な業務も、手順を分解してみると、RPAが得意とする定型的な作業が意外に多く含まれているもので、時には定型作業の組み合わせだけで構成されている場合もあります。
業務の実態に合わせてスピーディーに修正できる強みもあいまって、RPAツールが活用できる業務は想像以上に多く、「ITによる改善を試みたものの、費用対効果が見合わず断念した」「そもそも自動化できないとあきらめていた」業務などにも、デジタルレイバーは改善と改革の可能性をもたらします。
関連記事:バーチャルな知的労働者「デジタルレイバー(Digital Labor)」と協業する時代に
3-2 RPAによる効率化と業務のアウトソーシングの違い
RPAの他にも、労働力不足を補う手段としては、派遣社員やBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング:新興国などへの業務委託)という選択肢が広く普及しています。
しかし、派遣やBPOは、担い手であるスタッフ個人の都合で辞める可能性が常にあります。そのため、ベテランの退職後に引き継ぎがうまくいかず、何度も同じことを指導しなければならないなど、コストに見合った作業品質が得られないケースも少なくありません。
また、作業内容を変える場合は習熟期間が必要なことや、正確を期する場合はヒューマンエラーに備えた多重的なチェックが不可欠であることから、人件費とリードタイムがかさむ点も問題です。
その点で、辞めず・休まず・初回から指示どおりに・ミスなく作業できるデジタルレイバーを供給するRPAは、人の手に頼った業務のアウトソーシングの課題をまとめて一気に解決できる技術といえるでしょう。
関連記事:従来の業務改善とRPAを使った業務改善の違い4 RPAツールのクライアント型・サーバー型・クラウド型の違い
4-1 クライアント型RPAとは
クライアント型RPAは、パソコンにアプリケーションをインストールし、そのパソコンでデジタルレイバーの開発・実行・管理を行うタイプのRPAツールです。「デスクトップ型RPA」「RDA(Robotic Desktop Automation)」と呼ばれることもあり、パソコン1台で完結する範囲の業務効率化に適しています。
PC1台から手軽に自動化
クライアント型RPAツールは、パソコン1台にインストールするだけで使い始められる手軽さが特徴です。自動化の対象も、そのパソコンで人が処理する作業にほぼ限られるため大がかりにならず、できるところから確実に活用を進めることができます。
現場レベルで管理できる
クライアント型RPAツールは端末単位で導入するため、必ずしも全社的に管理する必要がありません。つまり部署レベル・担当者レベルでも管理でき、情報システム部門との合意が得られれば、導入現場で運用を自己完結してスピーディーに展開できます。
スモールスタートに適した価格
パソコン1台単位で導入できるクライアント型RPAツールは、より大がかりな構成となるサーバー型RPAツールに比べ、初期費用やランニングコストを抑えることが可能です。そのため費用面でも、部門・部署単位でのスモールスタートに適しているといえます。
※クライアント型RPA導入の注意点
クライアント型RPAツールは相対的に安価なことから、サーバー型RPAツールよりも検討される機会が多く、実際に導入も進んでいます。パソコン1台から使い始められる手軽さも、クライアント型の大きな魅力です。
ただし、この端末単位という仕組みは、全体的な管理・統制が求められる大規模運用時には軌道修正しなければなりません。そうした移行プロセスにRPAツールが十分対応していない場合、活用範囲を広げる足かせとなるおそれもあります。
この点で、例えばRPAツール「BizRobo!」のクライアント型ツール「BizRobo! mini」は小規模に使い始められるだけでなく、大規模運用に適したサーバー型ツールの「BizRobo! Lite」「BizRobo! Basic」などへシームレスに移行できる仕様となっています。
このように、クライアント型RPAツールを導入する際は、直近にとどまらない中長期的なプランを考えて検討を進めることが大切です。
関連ページ:スモールスタートから始めて自由に拡張していけるクライアント型RPA「BizRobo! mini」
4-2 サーバ型RPAとは
サーバー型RPAは、サーバー内でソフトウェアロボットを一括管理するRPAツールです。組織内のさまざまな部門・部署にわたって横断的にロボットを活用することができ、大規模な運用に適したタイプの製品です。
業務を横断した一括管理が可能
サーバー型RPAでは、組織全体で稼働させるソフトウェアロボットに関する事項(開発・実行・メンテナンスなど)をほぼ全て、サーバー内で一元的に管理します。
これにより、全てのデジタルレイバーが統一されたルールのもとで働くこととなり、管理から漏れる“野良ロボット”や、誰もメンテナンスできない“ブラックボックス”が生じません。また、一元管理なのでデジタルレイバーの“勤務シフト”を調整しやすく、購入したライセンスの限度いっぱいまで仕事を詰め込むことで、自動化の効果を最大化できます。
複数のロボットが同時稼働
サーバー型RPAツールの特徴として、複数のデジタルレイバーが同時に稼働できることも挙げられます。デスクトップ型RPAで一度に稼働できるデジタルレイバーが原則1体限りであるのに比べると、生産性や運用しやすさでは圧倒的に優位といえます。
大規模展開にも対応
サーバー型RPAは、オンプレミスのサーバー環境で構築するタイプのRPAツールです。もっとも、クライアント型RPAとほぼ変わらないハードウェアで使い始められる製品や、クラウド化・仮想化に対応している製品もあるので、まずスモールスタートした後、徐々に大規模展開へ移行するといったステップアップも円滑に行えます。
クライアント型RPAに比べ、多くのサーバー型RPAツールは初期費用が高くなるものの、運用規模が拡大するほどコスト面で有利になっていく傾向があります。そのため、中長期的な展開も見据えた製品選びが重要といえるでしょう。
※サーバ型RPA導入の注意点
サーバー型RPAツールを検討する際に注意したい点としては
- 「人の作業を止めにくい」タイプのRPAツールを選ぶこと
- 「機能」「費用」の両面で、将来的な利用規模を見越して選ぶこと
が挙げられます。
まず「RPAが人の作業を止める」ケースについて説明しましょう。組織内でサーバー型RPAの利用が活発になるにつれて、従業員が用いるパソコンに対しては、スケジュール通りに作業を処理するサーバーからのアクセスが多くなります。その際に、デジタルレイバーがパソコンを独占して他の作業ができなくなる、あるいは逆に、デジタルレイバーが人のマウス・キーボード操作に反応してエラーを起こすといったトラブルが生じやすくなるのです。「デジタルレイバー専用のパソコンを用意する」方法もありますが、最終的に人が複数のパソコンをチェックすることとなり、根本的な解決にはなりません。
この点で、サーバー型RPAツールのBizRobo!は、ほとんどの作業をサーバーから直接処理し、パソコンの画面やアプリケーションを邪魔しない設計(バックグラウンド処理)となっています。加えて、ツール内にウェブブラウザを搭載しているので、パソコンにインストールされたブラウザを使う必要がほぼありません。そのため、デジタルレイバーが人の手を止めにくくなっています。
もう一点の「将来的な利用規模を見越した機能や費用」については、デジタルレイバーを使う部署や設計するメンバーが広がり、デジタルレイバーの数も増えたとき、必要な機能を満たすRPAツールに対して、追加費用がどの程度かかるかという問題です。
サーバー型RPAツールの価格設定は、デジタルレイバーの管理機能が標準かオプションか、あるいは利用者1名・PC1台単位でライセンスの追加が必要かなど、製品によってさまざまです。将来的に思わぬ出費が活用のネックとならないよう、想定されるさまざまなパターンをもとに、念入りなシミュレーションをお勧めします。
4-3 クラウド型RPAとは
クラウド型RPAとは、インターネット上のクラウドサービスにログインし、そのクラウド上に構築されたRPAツールの利用環境を用いて業務を自動化するソリューションです。自動化できる範囲は主にWeb上での作業となります(社内システムの自動化に対応したサービスもあります)が、インフラの構築や保守運用が必要ない分、コストを安く抑えられます。そのため、クラウドサービスを用いた事務処理が比較的多い職場の業務自動化に適した選択肢といえます。
初期投資が不要
クラウド型RPAツールは、月額一定のサブスクリプションや、実行回数による従量課金で提供されており、ライセンス費用やインフラ構築といった初期投資がかかりません。イニシャルコストがネックでRPAツールの導入に踏み切れない企業も、クラウド型であればスモールスタートから成功パターンを模索し、より本格的な活用にステップアップしていくことができます。
担当者個人の業務レベルから導入が可能
クラウド型RPAツールによる自動化のメーンターゲットは、Webブラウザ上で行われる単純作業で、現場の担当者が日々の業務の中で行っている作業を自動化できます。こうした身近な領域から業務自動化を進めることで、導入の効果がより早く感じられ、広範囲の業務自動化に取り組みやすくなるでしょう。
5 RPAによる業務自動化のメリット
ものづくりやプロジェクト管理の分野ではよく、QCD(品質・コスト・納期)が業務改善の指標とされていますが、RPAツールをうまく活用すれば、これらの要素を全て改善することが可能です。その理由をみていきましょう。
5-1 RPAによる業務品質の改善
QCDの「Q」、つまり品質に関しては、RPAの活用が業務品質の改善に貢献します。
具体的には、休まず連続稼働でき、的確に指示すれば決して間違えないデジタルレイバーの特長を生かし、ミスの削減や作業頻度・作業範囲の拡大、またそれらに伴うレスポンスの迅速化や情報の質の向上が実現できます。
5-2 RPAによるコスト削減
QCDの「C」、つまりコストに関しては、RPAの活用によって人件費の増大を抑制できます。
ある生命保険会社のオペレーションセンターでは、業務を滞らせる原因となっていた顧客情報の確認作業をRPAツールで効率化した結果、この作業に従事する派遣社員を、従来の80人から8割以上少ない13人まで減らすことができました。派遣社員1人あたりの人件費を仮に月30万円とすると、毎月2,400万円かかっていたコストを390万円まで圧縮できた計算になります。
このように事務作業を集中処理するオフィス以外でも、従業員が抱える定型作業をデジタルレイバーに置き換えていくことで余剰時間を創出できるほか、繁忙期の残業代発生や臨時スタッフ採用も抑制できます。そのため、RPAツールの導入や運用にかかる費用を考慮しても、大幅なコスト改善効果が期待できます。
5-3 RPAによる納期短縮
QCDの「D」、つまり納期については、ボトルネックとなっている工程をデジタルレイバーに置き換えて効率化することにより、事務処理全体のスピードアップを図れる場合があります。
例えば、あるEC事業者ではECモール経由の受注を決済方法や送料などの条件別に振り分ける確認工程にデジタルレイバーを導入。その結果、従来は連休明けの営業日に午前中いっぱいを要した作業の多くが自動化。これに伴い、発送を含む後続の作業がそろって前倒しできるようになり、納期短縮にもつながっています。
6 RPAがビジネスに与える影響
6-1 ユーザー拡大で進む、RPAツールの大衆化
日本国内のRPA市場(RPAツールおよび関連サービスの市場規模合計)は近年、対前年比およそ120~130%のペースで拡大を続けているとみられ、市場調査会社の予測によると、2023年度に1,500億円を突破する見通しです(出典:矢野経済研究所「2021 RPA市場の実態と展望」)。
「BizRobo!」のユーザーも2,200社を突破しており(2022年2月現在)、今後は大都市圏の大手企業にとどまらず、全国の中堅・中小企業への普及が進み、オフィスワークに携わる誰もが気軽にRPAの恩恵を受けられる“大衆化”が現実のものとなるでしょう。
6-2 「デジタルレイバーとの共働」が新たなスキルに
手作業をRPAツールに移行した場合、一般的には同じ作業を数人がかりで処理するのと同等以上の能力が得られます。そのため、「デジタルレイバーが人間の仕事を奪うのではないか」との懸念が生じることも考えられます。
もっとも、実際にRPAを活用している事例を見る限り、デジタルレイバーは「それ自体で付加価値を生まない単調な作業」や、「繰り返しているうちにミスを起こしやすい手作業」など、わざわざ人間がしなくてもよい、あるいは人間が苦手とする仕事を引き受けるケースが圧倒的多数を占めています。
人が仕事を失う心配よりもむしろ、「人手不足で、やりたくても手が回っていない仕事が山ほどある」のが、多くの職場の現状でしょう。RPAツールの導入は、現場で働く人々が、そうした本来やりたい・やるべき仕事にシフトするための余力を生み出す役割を果たしているといえます。
加えて、RPAツールの導入や、導入後の運用、またデジタルレイバーと人間が最も効果的に共働できるワークスタイルづくりなども、人間しかできない仕事です。既存の業務知識に加え、こうした新たな分野のスキルも身につけた従業員は近い将来、組織のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する上でも重要な役割を担うこととなるでしょう。
関連記事:私たちが推奨する「日本型RPA」とは
7 RPAツールは、他のITと何が違うか
RPAの基本的な技術は既に確立されて久しいものですが、一般に注目されるようになったのは比較的最近のことです。そこで以下では、RPAとは技術的にどういうものか、他のITツールなどと比較しながら説明します。
7-1 RPAツールとマクロ(VBA)の違い
オフィスワークで用いられるさまざまな業務効率化の手法の中でも、RPAツールに最も近い機能を備えるのが「マクロ」です。
マクロとは、マイクロソフト社のオフィスソフトの拡張機能として提供されるプログラミング言語「VBA(Visual Basic for Applications)」を利用し、Excelをはじめとするアプリケーション上での作業を自動実行する機能です。マクロはアプリケーションやファイルの内部に保存されており、それらを用いるパソコン上で、Microsoft Office製品を用いた作業を自動化するのが主な用途とされています。
対してRPAは、パソコンでの作業を自動実行する点ではマクロと共通するものの、自動化のターゲットを、特定の端末やアプリケーションに限定していません。そのため、マクロ以上にさまざまな作業を効率化でき、応用範囲が広いのが強みといえます。
また、マクロの作成にはVBAというプログラミングのスキルが必要である一方、多くのRPAツールは、いわゆる「ローコード」の製品です。つまり、プログラミングスキルがなくても直感的な操作でソフトウェアロボットを作成できるため、より簡単に使い始めることができます。
さらにマクロにない特徴として、多くのRPAツールは、自動化する作業に用いる端末やデジタルレイバーを、サーバー上でまとめて管理する機能を備えています。これは、「現在どんなデジタルレイバーが在籍しているか」が常に把握できることを意味し、そのため「社員が個人的につくったマクロの仕組みを後任者が理解できない」といったよくあるトラブルは、RPAでは起こりにくくなっています。
関連記事:【2021年版】RPAとExcelマクロ(VBA)を徹底比較!RPAとマクロの特徴を詳しく解説
7-2 RPAとAIの違い
RPAとAI(人工知能)は、いずれもここ数年で社会的な注目度が一気に高まりました。「これまで人間しかできなかったことを、コンピューターが自動的に行う」という共通点もあり、両者のどこが違うのかについても、よく議論されています。
大まかに結論を述べると、「あらかじめ決められた作業内容をそのまま繰り返す」のがRPAの役割であるのに対し、AIは学習結果をもとに、初めて接することがらへの「分析・判断・予測」を行う点が、両者の最大の違いといえるでしょう。
ちなみに、RPAによる業務自動化は今後、3つの段階を踏んで高度化していくと予測されています。具体的に言うと、RPAはAIの機能を少しずつ取り込むことにより、定型作業にとどまらず、判断・予測が加わる非定型作業も自動化できるツールへ進化していくと考えられています。
現在主流である、まだAIと連携していないRPAは、あくまでも決められた手順どおりに作業を実行するだけで、判断や予測をしていません。そのため、進化の3段階のうち最初の「クラス1」に分類されています。
もっとも既に、書類の項目の判断や手書き文字の解読などにAIを利用してデータを処理するRPAソリューションもあり、実際に普及も進んでいます。このように、非定型的な要素を一部に含む作業を自動化するRPAが「クラス2」に分類されています。
さらに、そう遠くない未来には、RPAツールが人間の作業内容をモニタリングした中から自動化できる既存の作業や今後増えそうな作業を洗い出してデジタルレイバーの開発を提案する、あるいは率先して自動生成するようになると考えられています。こうした高度な自動化を達成するRPAが、最終段階の「クラス3」と定義されています。
関連記事:RPAとAIを組み合わせて業務効率化と高度化を実現:賃貸不動産仲介業における事例
7-3 RPAとシステム構築の違い
RPAの歴史は、「システム構築では自動化しづらい定型作業を、既成のソフトウェアの応用で効率化する」という、2000年代半ばの欧州で始まった試みが起源とされています。そうした経緯もあり、RPAとシステム構築は、業務効率化のために果たす役割が似通っており、またターゲットとなりうる業務も一部で重なっています。
業務自動化のため専用システムを構築する方法には、大量のタスクを安定処理できるメリットがあります。ただ一方、専門的なプログラミングスキルが必須となるため、構築やメンテナンスに多大な時間・費用を要するというデメリットもあります。
そのためシステム構築による業務自動化は、処理量が相対的に少なく構築費用に見合った効果を出しづらい業務や、社外システムへの接続が多く、仕様変更に伴う改修が頻発しそうな業務には不向きといえます。そこで、こうした業務を効率化する方法として期待されているのが、開発も修正もノンプログラミングで容易に行えるRPAなのです。
RPAは、あくまでも「人間の代行」「人間の業務の補完」という存在で、業務全体の完全自動化を目指すものではありません。したがって開発にあたっては、業務処理上のあらゆる選択肢を網羅する必要がなく、めったにない例外処理は当面人間が担うことにして早めに使い始めつつ、同時並行で機能拡張していくこともできます。
加えてRPAでは、一連の業務の最初から終わりまで、全ての工程をカバーする必要もありません。したがって、特に煩雑な工程だけをデジタルレイバーに任せ、人間が最終チェックなどを担う“協働”を選び、トータルで作業負担やコストの軽減を目指すといった現実的なアプローチも取れます。
このように、要所に絞って素早く実用化し、わずかずつでも着実に効率化を進めて大きな成果を得やすいのが、システム構築にないRPAの強みといえるでしょう。
関連記事:RPA導入に向けた適応領域と導入パターン
8 これからRPAツールを導入する方へ
8-1 RPAツールを導入する組織の体制づくり
RPAツールを導入する際には、活用範囲を着実に増やし、また長期間安定して運用するために、組織としての推進体制をつくることが欠かせません。具体的にはまず、以下の役割をそれぞれ、組織内外の誰が・どのように行うかを決めておく必要があります。
ロボットの開発運用、対象業務の洗い出し、関係部署間の調整、開発運用ルールの策定、ロボットがエラー時の復旧作業および当面の作業の代替、業務改善の目標設定と到達度の管理。
このように、一定の目標・ルールに沿って各自が進めるプロジェクトのマネジメントにあたっては、現場視点とマネジメント視点を両立させることが重要となります。
例えば、業務改善の工夫が得意な社員や、RPAツールの活用に積極的な部署だけが、他と連携しないでロボット化を進めてしてしまうと、一時はそこだけ効率化が進んだとしても他の業務改善が進まなくなります。さらに、担当者の異動や退職を機に引き継げる人がいなくなると、手がつけられない「ブラックボックス」が生じる危険もあります。
こうしたリスクを避けるには、RPAのメリットをあらゆる現場に実感してもらった上で、特定の現場だけでなく、組織全体として業務の最適化を図ることに理解を得ることが大切です。
8-2 RPAで自動化する業務を洗い出す際の注意点
RPAツールは、あくまでも業務の現場で人間の作業を補完するためのソリューションです。システム構築のように一連の業務を完全自動化することを目指したり、あるいは大きな時間削減効果をいきなり望んだりするのは本来想定される用途とは異なり、導入失敗の原因にもなります。
RPAの導入を成功させるには、本格活用に先立つPoC(概念実証)で、自動化する業務を洗い出す際に工夫が必要です。具体的には、業務の現場から「やりたくないパソコンの仕事」を募り、その中でも技術的難易度の低い工程を切り出して、少しずつ順番に開発していくとよいでしょう。
業務の一部を切り出すことで、デジタルレイバーの開発がスピードアップするだけでなく、外注だけに依存しない社内開発力や、あらゆる業務改善に必須となる分析力を無理なく高めていくことができるはずです。
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9 RPAツールの導入事例
事例11件あたり数分かかっていた作業にRPAを導入し、20秒程度で処理
クライアント:日本生命保険様
課題:事務作業にかかる時間を短縮し、より柔軟性が必要な仕事にマンパワーを投入したい。請求書データのシステム入力作業を担当する「社員」として、入社式を経て日本生命保険銀行窓販事業部門のある部署に配属されたRPAがいます。その名も「日生ロボ美ちゃん」。事務処理作業を代行する有能な社員として日夜業務に励み、社員たちに親しまれています。
- ・請求書データのシステム入力作業に時間がかかり、他の業務に時間が割けない。
- ・単純処理が続くため、人間が行うと集中力を欠きミスを招く恐れがある。
保険契約者から郵送される保険金の請求書に記載されている、約10桁の証券記号番号入力にRPAを導入。職員は証券記号番号をスキャンするだけで、ロボ美ちゃんが必要な社内システムを横断して、データの収集から業務システムへの入力までを代行してくれる。
<RPA導入後の成果>- ・1件あたり数分かかっていた処理が20秒ほどに短縮された。
- ・単純ミスがなくなった。
- ・パターンに応じた柔軟な対応が必要な業務など、「人間にしかできない」業務に十分なマンパワーを配分できるようになった。
事例220種類のRPA導入により8,000時間分の事務処理作業を削減
クライアント:三菱東京UFJ銀行様
課題:膨大且つ手間のかかる作業を削減し、担当者の負担を軽減したい。金融やHRは、特にRPA導入の動きが活発な業界です。煩雑な事務処理作業が多く、業務が非効率であるという課題を抱える一方で、ITシステムを導入するにはコストがかかりすぎるという理由で、やむなく手作業を継続してきたという背景があるためです。 東京三菱UFJ銀行では、2年間の先行運用期間中に20種類の事務処理においてRPAを導入。高い成果が得られたとして、2015年11月から本格適用に乗り出しています。
- ・1時間おきに社内システムにアクセスしてデータを取得。チェックしたデータをエクセルにコピーするというような煩雑な作業が多くあり、担当者の負担が大きい。
PCを用いて、一定のルールに基づいて行われる作業にRPAを導入。一定の時間ごとの処理が求められる業務では、データをチェックする時間を定めて自動化を実施。
<RPA導入後の成果>- ・パイロット運用を実施した20種類の事務作業において、年間で8,000時間(1日8時間で計算すると、約1,000人日)分の事務処理作業削減に成功。
- ・業務が効率化されたことにより、事務処理を担当していた社員から重要な作業に時間を割けるようになったという声が上がっている。
- ・一定のルールに基づく作業であれば、ある程度の属人的な作業であってもRPAを導入して効率化できるという目途が立った。
- ・複数のシステムを利用して行っていた事務処理に適用することで、システム連携による業務の単純化も視野に入れることができた。
事例34人分の仕事を代行できるロボットが1週間で完成
クライアント:オリックスグループ様
課題:営業事務の処理量の増減に柔軟に対応し、処理しきれないケースをなくしたい。オリックス・ビジネスセンター沖縄では、事務処理の量が時期やタイミングによって増減するため、急激に増えた事務処理の量に対応しきれず業務が滞ったり、混乱を招いてミスにつながったりといった懸念を常に抱えていました。 万が一の事態にも柔軟に対応できる体制を構築する必要に迫られ、事務処理の一部を人間の手から切り離す方法を模索する中で、RPAに着目するに至ったそうです。
- ・およそ800人の担当者が、グループ12社からの多様な事務処理を分担して請け負っているが、処理量が急激に増えると対応しきれない場合がある。
- ・事務処理の内容はさまざまで、常に一定量の依頼があるわけではない。
- ・業務部門の担当者はITに精通しておらず、複雑なシステムの導入は避けたい。
シンプルな処理業務はRPAに任せ、人間は即時の判断が求められる事務処理を担うよう役割分担した。これにより、非常事態にも余裕をもって対応できるようになった。
<RPA導入後の成果>- ・RPAに任せたい事務処理の手順を登録する方法さえ覚えれば、ITの知識がない担当者でも1週間ほどでロボットを開発できた。
- ・さまざまなケースで導入を試行することで、効率良くRPAで業務を運用できるようになった。
- ・あるケースでは、4人の担当者が行っていた業務をRPA1体で代行できるようになり、人件費とコストが大幅に削減された。
事例4熟練スタッフ10名の業務が新人スタッフ1名へ!圧倒的なダウンサイジングを実現
クライアント:大手通信会社
課題:事務処理にかかる時間を圧縮し、コストを削減したい「緊急で問い合わせをしたいが、なかなかつながらない」「つながったあとも保留の時間が長く、その場で回答が得られないこともある」といった不満をコールセンターに抱いたことがある人は多いのではないでしょうか。 一般的なコールセンターでは、多くのスタッフが常駐し、お客様からの電話を受けて顧客情報を照会したあと、問い合わせの内容を調査・確認して回答しています。しかし、1件1件の照会や確認といった事務的な作業に時間がかかるため、どうしても対応できる件数に限界がありました。
- ・お問い合わせを受けて「顧客ステイタス」を変更する際に生じる画面遷移が30~40もあり、1件の処理に約20分かかっていた。
- ・条件ごとに枝分かれする選択肢から最適なものを瞬時に選ばなくてはならないため、ミスが起きやすかった。
- ・新人と熟練スタッフとでは処理速度が大きく異なり、待ち時間に差が生まれる原因になっていた。
- ・新人スタッフの教育にも時間がかかるため、常に人手不足だった。
「顧客ステイタス」変更時の画面遷移をRPAによって自動化し、処理速度を向上。
<RPA導入後の成果>- ・自動化によって、30~40あった画面遷移をわずか3画面にすることに成功。結果、1件の処理にかかる時間は1分と、導入前の20分に比べて大幅に短縮された。
- ・「複雑なルールの下で正しい条件を即座に選択する」という正確性と迅速性が求められる作業を、RPAが担うことでミスも消滅。
- ・待ち時間が減ったことによってお客様のストレスもなくなり、クレームが激減した。
- ・これまで熟練スタッフ10名を要していた作業が新人スタッフ1名で可能になり、人員及びコストの削減にもつながっている。
導入前 | 導入後 | |
---|---|---|
熟練スタッフ 10名 | → | 新人スタッフ 1名 |
画面遷移数 20~30 | → | 画面遷移数 3 |
処理時間 20分 | → | 処理時間 1分 |
ミス・クレームあり | → | ミス・クレームなし |
事例5人力では3人で7日かかる作業をRPAが半日で完了
クライアント:ユニリーバ・ジャパン・カスタマーマーケティング様
課題:各製品に興味を持ってブランドサイトを訪れてくれたお客様を、自社運営による比較ポータルサイトを経由して、スムーズに販売パートナーであるECサイトに誘導したい。約190ヵ国にブランドを展開し、毎日20億人以上の消費者に選ばれている世界最大級の消費財メーカー・ユニリーバ。ユニリーバ・ジャパン・カスタマーマーケティングは、ユニリーバ製品のマーケティング部門と、営業・受注管理などのカスタマーサービスを担う営業部門で構成されています。 ブランドサイトからECサイトへの誘導率を上げることによる製品キャンペーンの費用対効果アップ、販売パートナーであるECサイトの売り上げに対する貢献などのため、しくみを補完する必要がありました。
- ・「ECサイトの在庫、価格、ポイント還元率などの情報を取得し、適切に表示する」という作業に必要なタスク項目は、試算すると3,000項目以上。人力では3人が24時間働き続けても、1週間以上かかる計算になる。
- ・ITシステム等は初期費用、及び月あたりの運用費が高く、運用中も想定外支出が発生する可能性があることなどから、予算内で別の解決法を探したい。
- ・データベースとの接続や連携までを自動化したい。
- ・対象となるサイトの増減があるため、数に制限がなく、追加や変更がいつでも可能であることが望ましい。
- ・多言語に対応してほしい。
既存のブランドサイト内に、製品の価格を比較する比較ポータルサイトを新設。オンライン上のさまざまなチャネルで販売されている自社製品に関連する情報の取得をRPAにより自動化し、リアルタイムで表示できるようにした。
<RPA導入後の効果>- ・比較ポータルサイト上で価格や送料、ポイントといった重要な消費者ニーズを即時に把握できるようになった結果、自社製品の販売傾向を把握し効果的な戦略を立てられるようになった。
- ・営業方針として掲げている「OSA(オン・シェルフ・アヴェイラビリティ:店内の商品の割合)」を改善・管理するための社内ツールとして、比較ポータルサイトを利用できるようになった。
- ・ユーザビリティが向上し、ブランドサイトからECサイトへのトラフィックが上昇した。
- ・多数ある販売パートナーのECサイトへ効果的に送客できるようになり、各社の売り上げ向上に貢献することができた。
RPAユーザー全般の傾向をみると、経理部門・人事部門・営業事務部門などでの利用が特に活発であり、またさまざまな業務に特有の業務でRPAが応用されている場合もあります。こうした導入事例に関する業務別・部門別・業界別の傾向については、以下の記事でまとめています。
関連記事:RPAの導入事例 業務効率化を実現した20パターンを一挙解説!
さらに、自社の同業など個別ユーザーの事例について詳細を知りたい方は、以下のコンテンツが参考になるでしょう。
RPA導入事例一覧>10 RPAの将来:AIとの融合で広がる用途
もともと定型業務の効率化を図るために利用されてきたRPAは、AIをはじめとする他のテクノロジーとの組み合わせにより、
- 専門家がいなくても活用できる分析・判断・シミュレーション機能
- 入力作業も確認作業も要らない、紙書類のデジタルデータ化
など、業務改善のフィールドを広げつつあります。詳細については、以下をご参照ください。
・RPAとAIを組み合わせた成功事例(https://rpa-technologies.com/insights/rpa_ai_200415/)
・AI-OCRを活用した紙のデータ化BPOサービス「デジパス」(https://rpa-technologies.com/lp/digipath/)