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自治体BPR(業務改革)とは?自治体の業務改革を進める上で必要な5つのポイントと成功事例を徹底解説!

自治体BPR(業務改革)
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テクノロジーの発展により、民間企業ではさまざまなBPR(Business Process Re-engineering=業務改革)が進む一方で、近年、自治体行政でも多くのBPRプロジェクトが進んでいます。本記事では、自治体BPR(業務改革)に焦点をあて、過去の調査データや事例をもとに分析し、今後の自治体BPRトレンドについてもわかりやすく解説していきます。 

自治体はBPR(業務改革)で何が変わるのか? 

まずはじめに、BPRについて簡単に解説していきましょう。 

BPRとは、Business Process Re-engineeringの頭文字を取った略語で日本語に訳すると「業務改革」や「業務再設計」という意味になります。つまりBPRとは、自治体や企業の目標や目的を達成するために、組織構造、業務フローを再構築することを意味します。  

では、なぜ民間企業だけではなく、自治体でもBPRが必要となるのでしょうか?また、自治体BPRを実施することにより、自治体行政でどのような変化・改善が見込めるのでしょうか?詳しくみていきましょう。 

これからのトレンド自治体BPR(業務改革)とは 

国や地方自治体を取り巻く環境は日々急速に変化しています。特に人口減少、少子高齢化、社会インフラの老朽化、グローバル化の進展、セキュリティリスクに対する安全確保など、社会構造の変化とともに、解決すべき社会課題は多く存在します。 

自治体BPRトレンド

これらの課題に対して、法制度を整備し対応するとともに、テクノロジーを活用したデジタル運用に移行していく必要があります。なぜデジタルに移行する必要があるのでしょうか? 

昨今のデジタル技術の急速な発展により、テクノロジーの利活用抜きではさまざまな課題に対して有効な解決策を見いだせない状況です。先ほど取り上げた人口減少、少子高齢化、社会インフラの老朽化、グローバル化の進展、セキュリティリスクなどに対応し、地方行政・スマート自治体などのスマートシティ構築に向けた業務改革が必要な状況です。 

そこでいま注目を集めているのが、根本的な業務プロセスを見直しより効率的かつ効果的な業務フローに改善する自治体BPRです。 

2020年頃から日本国内で広がりはじめた、新型コロナウイルス感染症の影響により、市役所では不要不急の業務の見直しを通して住民の生活を守る活動の重要性が増しました。政府が打ち出す経済対策、国民への生活の支援策など、ほとんどが住民接点を持つ市役所経由であり、市役所業務のBPRは待ったなしの状況でした。 

一方でこのような状況下、地方自治体ではさまざまな課題が浮き彫りになり、自治体BPRが進み大きな変革の時を迎えています。まさしく2021年は自治体BPR元年と言えるでしょう。 

BPR実施の一般的な流れ

BPRと言っても目的や規模感によって内容はさまざまです。まずは、民間プロジェクトにおける一般的な進め方からみて行きましょう。 

BPRを推進するにあたって、基本的にはスモールスタートで進めるのが一般的です。たとえば、複数の事業を展開する大企業の場合、まずはBPRモデルケースとなる事業に限定し、スモールスタートで先行実施します。その後、課題点は改善しつつモデルケースとなるBPRを他の事業にも横展開して徐々に進めていきます。 

事業数が少ない中堅中小企業の場合は、全社一斉にBPRを展開する場合もあります。企業規模に関わらず共通する部分は、事業部単位で責任者とプロジェクトメンバーを決め主体的に推進するようプロジェクト組成することがとても重要です。 

全社的な改革が必要となる事からBPRを実施・展開する背景、推進する構想を各メンバーに共有し認識のすり合わせをましょう。また、他業界など他社での成功・失敗事例を参考にすることで明確な構想を考えることも非常に重要です。 

失敗しないBPRの進め方

ECRS の4原則改善フレームワークとは

ECRS(イクルス)の4原則とは、Eliminate:排除、Combine:結合、Rearrange:再配置、Simplify:単純化の4つの頭文字を取った略称であり、業務プロセスなど改善視点にもとづき、改善箇所を洗い出すためのフレームワークです。

ECRSの4原則 

ECRS の4原則は、 Eliminate → Combine → Rearrange → Simplifyの順で業務改善を検討することで情報の整理ができ、大きな業務プロセス改善効果を得ることができます。 ECRSは、一般的なバックオフィス業務などの間接部門だけでなく、工場などの生産現場にも使える万能的なフレームワークとして多くの企業の業務プロセス改革に使われています。 

それではECRSの4つの内容について詳しく解説していきましょう。  

Eliminate:排除

 ECRSの4原則Eliminate

まず初めに考えるべき1つ目の視点は「現在おこなっている業務の中でムダな作業をなくせないか」です。自治体では、過去から長期間にわたり実施している作業を前任者から引き継ぎ、当たり前のように行っている定型業務は「排除」の対象になる場合があります。「何のためにその作業を実施しているのか」担当者もよくわからないこともありますので、目的が不明な業務はその作業が本当に必要か、を今一度確認しましょう。 

Combine:結合 

ECRSの4原則Combine

2つ目は「別々で動いている作業を一つにまとめられないか」です。一般的な業務の流れは、インプットをして、作業をおこない、アウトプットします。たとえば、一つの書類を作成する場合、数名で分担して作業の作成から確認をしているような場合があります。分担をし、効率的に業務を遂行することは良いことですが、定期的に見直しをしないと、役割分担していた箇所が被っていたり、必要ではない業務も対応していたということもあります。  

業務を効率的におこなうにあたって、各々の役割をゼロから考えることにより、最も効率的な業務の進め方を再定義することができます。 

Rearrange:再配置

ECRSの4原則Rearrange

3つ目は「工程の流れや作業順番を入れ替え、部分最適から全体最適に再配置し効率化できないか」という視点で考えます。「再配置」により業務プロセス全体や各自治体で対応する必要のある各申請関連の対応業務など全体を俯瞰することにより、全体最適のための再配置が可能となります。 

ここで注意しなければならないのが、「再配置」が目的化しないことです。最終的な改善の目的や目標を明確にして、最も効率的に目的や目標を達成するための再配置を検討するようにしましょう。 

再配置といっても内部組織だけの再配置だけではありません。外部委託のアウトソーシング活用や人手で進めていたことをRPAなどのロボットに再配置することによる業務プロセス効率化も検討する必要があります。 

Simplify:単純化

ECRSの4原則Simplify

4つ目の最後は「もっとテクノロジーやツールを活用して簡単な方法で処理できないか」という視点です。テクノロジーが発展するとともに、現在多くの便利なITツールなどがあります。世の中では便利なテクノロジーが出てきているのに、従来通り手作業での処理や紙での業務をおこなっている場合が多々あります。まずは業務の標準化をおこない、業務を洗い出したところで、RPAなど業務効率化を促進するものを活用することで、業務プロセスで必要な部分を自動化することができるようになります。 

BPRに必要な5つのステップ 

BPRにおいてプロジェクト進行が重要なのは言うまでもありません。ここからは失敗しないためのBPRについて解説していきます。 

BPR導入に必要なのは、業務全体の可視化をすることでの意思決定プロセスの改革です。業務全体を見える化することにより、業務フロー全体の流れを把握、改革目標設定することができます。意思決定プロセスの改革は最終的に、意思決定のスピードを高め、自治体に関わる業務対応スピードを飛躍的に向上することができるでしょう。 

具体的には以下の5つのステップで進めていきます。 
R
 

1. 検討(全体把握・目標設定・対象業務範囲の明確化) 
2. 分析(課題の洗い出し・分析) 
3. 設計(戦略・方針の策定・実行プロセスの設計) 
4. 実施(変更の実施) 
5. モニタリング・評価(業務モニタリング・評価改善の洗い出し) 

 

BPRを進める上で重要とされているステップがこれらの5つのステップとなります。まず初めに、検討段階での現状の全体の把握と、BPRを実施する対象範囲を明確にします。対象範囲が定まったら、次に現状課題を洗い出しどう改善すべきかの分析をおこないます。 

次の設計のステップでは、課題に対してどう対応するかの方針策定と実行プロセス設計し、変更の実施をおこないます。最後に業務モニタリング・評価改善の洗い出しを実施し、改善すべき箇所は現場のフィードバックを踏まえ、改善対応を進めていきます。 

出典:民間企業等における効率化方策等(業務改革(BPR))の国の行政組織への導入に関する調査研究 

一見、簡単そうな5つのステップですが、自治体BPRを実施するためには各地方自治体でさまざまな課題があり、これらの課題を紐解き解決しながら進める必要があります。次の章では自治体BPRで必ず抑えておくべき5つのポイントをご紹介します。 

自治体BPRで抑えておくべき5つのポイント 

自治体のBPR担当者として、抑えておくべきポイントは数多くあります。その中でも、特に重要だと思われるポイントを5つに絞りご紹介していきます。 

業務プロセス可視化 

1つ目は業務プロセスの可視化です。まずは現場でどのような業務がおこなわれており、課題がどこにあるのかを把握する必要があります。前章で紹介したECRSの4原則を実施する際にも、まずは業務プロセスを書き出しアウトプットすることで、 Eliminate → Combine → Rearrange → Simplifyを実施できる状態までしっかりと業務の洗い出し・準備することが必要です。 

BPO(アウトソーシング) 

2つ目はBPO (Business Process Outsourcing) の活用です。現場では日々さまざまな申請対応などの業務を実施しているため、完全な内製でのBPRはほぼ不可能に近いでしょう。そのため、外部の知識・経験のある専門家やコンサルタントに依頼することで、スムーズに実行できるでしょう。 

シェアード・サービス 

3つ目はシェアードサービスです。シェアードサービスとは、間接部門のサービスを共有することで業務プロセスのスリム化を図ることをさします。たとえば、特定のエリアの自治体で利用しているサービスやデータセンターを別のエリアの自治体でも利用可能なシステムを構築することでオペレーションなどの機能を1か所(シェアードサービスセンター)に集約・標準化します。これにより、コスト削減や業務効率化、民間への対応品質向上が見込めます。

RPA(Robotics Process Automation)/ AI-OCR 

4つ目はRPAやAI-OCRの活用です。民間企業ではすでに多くの企業が導入活用に成功し、RPAやAI-OCRによるBPRの成功がさまざまなメディアでも取り上げられています。また、最近では自治体でも以下のように申請処理にBizRobo! などのRPAやAI-OCRを活用した事例も出てきています。 

ナレッジマネジメント 

最後の5つ目は、ナレッジマネジメントによる、知識の蓄積と共有です。BPRでは範囲を絞り局所的に実施することにより、リスクマネジメントをしつつ大規模展開に向けた経験や知識の蓄積をおこないます。これにより、1度実施したBPRを横展開することでスピーディーに業務プロセス改革を進めることが可能となります。 

しかし、過去に実行したBPRのナレッジマネジメントができていないと、過去の経験は無駄となり、再度同じことをゼロベースで始めないといけない状況になりかねません。自治体でのプロジェクトを進める際は、情報の蓄積場所と誰にどこまで共有するかを明確にしておきましょう。 

自治体RPA業務適用事例の紹介

それでは最後にRPAを活用した自治体の業務改善事例をご紹介します。  

事例1 職員の基本情報を入力し、書類作成する業務 

<課題> 

・基本的に紙による引継ぎのため、業務効率化が難しい
・個別のシステムごとに職員の基本情報等を繰り返し入力しているため、非効率 

自治体BPR事例

【導入前】 

  1. 各職員が、個別のシステムごとに書類を作成
  2.  同じ情報を別々の書類に何度も繰り返し入力 

【導入後】 

  1. 職員の基本情報(所属・職位・住所・メールアドレス等)をシステムに登録
  2.  ロボットは基本情報を検索・振り分け
  3.  振り分けた情報を各々の書類に転記し、印刷 

<効果> 

・手作業だった人給システムへの入力作業をロボット化、年間150時間の時間を削減
・BizRobo!がサーバ実行型のため複数システムにまたがった作業を他部署の人と連携できるようになった 

事例2 人事異動時に、基本情報を入力する業務

<課題> 

・毎年1,300人が異動し、人事・給与システムの登録内容を毎年変更していた
・約2,000件の変更があり、繁閑差がありピーク時は数人で、終日登録作業を行っていた
・単調な転記作業ではあるが、決してミスの出来ない業務だった

自治体BPR事例2

【導入前】 

  1. 職員は人事異動データを人事・給与システムに入力
  2. 担当者はシステムの内容に基づき、辞令を交付 

【導入後】 

  1. ロボットが人事異動データを人事・給与システムに入力
  2. 担当者はシステムの内容に基づき、辞令を交付 

<効果> 

・作業時間を約3分の1未満へ短縮
・初期段階では他社製品を検討していたが、画像認識で要素が上手く認識できないため、オブジェクト認識が可能なBizRobo!miniを選択
・IT部門ではなく、業務を一番よく知る秘書課職員がロボットを1から作成し管理・運営ができた 

事例3 職員が申請した通勤手当の認定業務

<課題> 

・職員が申請した通勤手当の金額が妥当かどうか、路線情報サイトを検索して確認する業務
・一件あたり20分時間がかかっており、かつ2000件ほどの量があるため、業務量が膨大だった

自治体BPR3

【導入前】 

  1. 各職員は住所・最寄り駅・通勤手当の金額を申請
  2. 担当者は職員住所と職場勘の距離を確認
  3. 最寄り駅を検索し、適切な通勤手当を決定
  4. 申請内容が適切な通勤手当と乖離している場合、職員に連絡 

【導入後】 

  1. 各職員は住所・最寄り駅・通勤手当の金額を申請
  2. ロボットは職員住所と職場勘の距離を確認
  3. 最寄り駅を検索し、適切な通勤手当を決定
  4. 申請された通勤手当が妥当かどうか判断
  5. 担当者は申請内容が妥当でない場合、職員に連絡 

<効果> 

・1件あたりにかかる時間が20分から7分に短縮
・職員は一部だけを確認すればよく、業務負荷が大きく軽減
・サーバー実行できるため、この業務と並行して別の業務を行えたり、夜間や休日にロボットを稼働することで、担当者の業務時間を圧迫することなく導入できた 

関連ページ:自治体向けRPA業務適用事例 

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は自治体向けBPRとして、BPRの基本的な考え方から ECRS の4原則などBPR導入に必要な知識について紹介しました。BPRを進めるにあたり、外部リソースや支援は必要不可欠です。当社でも自治体に特化したBPR支援をしていますので、BPR検討の方はぜひお気軽にご相談ください。