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医療×AIのメリット・デメリットとは?活用例や導入の課題も詳しく解説

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医療×AIは、日本における喫緊の課題です。

医療AIには医師の負担軽減や地域格差是正など、さまざまなメリットがあります。日本にはAI学習の元となる診療データも豊富にあるため、医療現場へのAI導入を進めやすい環境下にあるといえます。

しかし、費用対効果や販売製造にかかる規制の影響で、医療AIの実用化はやや遅れを取っているのが現状です。本記事ではその詳しい理由や、激務に追われる医療現場での対策について解説していきます。

医療AIとは?

まずAIとは、「人工知能(Artificial Intelligence)」の略です。プログラミングのみに従うロボットとは異なり、AIは自ら学習して人間の思考パターンを模倣します。

これにより、「認知と判断」「分析」「考察」といったより高度なプロセスを自動化できるのです。そのなかでも医療現場で活躍するものを「医療AI」と呼びます。

医療AIの活躍分野

医療AIの活躍分野は多岐に渡ります。とくに日本政府が重点的にAI開発を進めているのは、下記の6分野です(※1)。

医療分野AIの活用方法
①ゲノム医療AIによるゲノム(遺伝子)配列の分析AIによるガン治療の最適化 など
②画像診断支援AIによる悪性腫瘍やポリープなどの発見
③診断・治療支援AIによる診察時の視覚支援AIによる治療計画の立案 など
④医薬品開発AIによる成分分析AIによる創薬 など
⑤介護・認知症AIによる支援計画書や周辺資料の自動作成AIによる利用者の見守りと危険行動の警告 など
⑥手術支援AIロボットが手術を代行AIが手術時の視覚や手先をサポート など

ほかにも、空調を一定に保ったり事務仕事を効率化したりと、医療AIはさまざまな活用方法があります。

具体的な活用事例については、下記記事をご覧ください。

医療AIのメリット

医療AIの主なメリットは、以下のとおりです。

1. 医療従事者の負担軽減
2. 医療過誤の防止
3. 医療現場の人手不足の打開
4. 新たな診断方法や治療方法の創出

医療AIの普及が進めば、医師をはじめとする医療従事者の身体的・精神的負担が大幅に軽減されるでしょう。

①医療従事者の負担軽減

医療AIが普及すれば、医療従事者の業務負担が大幅に軽減されます。医療業界は昔から激務とされており、業務効率化による労働時間の削減は大きな課題です。

ある研究によると医員、大学院生の約半数が週60時間以上の労働をしており、研修医の半数は約80時間以上働いているという結果も出ています(※2)。

こうした中で医療AIが普及し、少しずつ業務の自動化や負担軽減が進めば、医療従事者の労働環境も大幅に改善できるでしょう。

②医療過誤の防止

医療AIの中には、正確な診断をサポートするものもあります。たとえば胃カメラで見た画像を認識し、ポリープと思われる腫瘍候補を色付けして表示するものなど。

こうした医療AIの力を借りれば、医療過誤のリスクを軽減することにもつながります。結果的に、医師の心理的な負担を減らすことにもつながるでしょう。

③医療現場の人手不足の打開

日本では医療現場の人手不足が叫ばれています。今後、高齢化の進む中で医療人材の不足は深刻化していくでしょう。

厚生労働省の調査によると、2035年には85歳以上の高齢者数が1,000万人を突破。2060年には1,150万人以上と、増加していく見通しが立っています(※3)。

85歳以上の人口の推移

(※3)

とくに地方では医療従事者の不足が顕著に表れ、十分な医療ケアを受けられない人が出てくる可能性があるのです。

こうした中でも、医療AIの活用は期待されています。たとえば医療AIによるオペレーションシステムの自動化、AI搭載の介護ロボットによる見守りなどが普及すれば、地域の医療格差を埋められるでしょう。

医療現場の人手不足については下記記事にて詳しく解説しています。

④新たな診断方法や治療方法の創出

医療AIは適切な学習データベースがあれば、人間と同じようなプロセスでの「思考」や「分析」が可能です。そのため、新たな診断方法や治療方法の創出にも活用できます

従来よりも高い効果が期待でき、なおかつ安全性も高い。そのような診断方法や治療方法を、医療AIによって創出できるのです。患者の症例に合わせたオーダーメイドの治療法立案も、医療AIの力を借りればより容易になるでしょう。

また、薬品の開発においても同様です。マンパワーで臨床実験や分析を繰り返し作り出される新薬も、医療AIを活用すればより開発時間を短縮できる可能性があります。

医療AIのデメリット

医療AIのデメリット_画像

医療AIには、下記のようなデメリットもあります。

1. すべての業務をAIに任せることはできない
2. 大量の症例データが学習に必要
3. 導入・運用にコストがかかる
4. 故障時のリスクがある

さまざまなメリットのある医療AIですが、実際に導入する際はこうした障壁があります。そのため、なかなか導入に踏み切れない医療機関も少なくありません。

①すべての業務をAIに任せることはできない

医療AIは高度かつ複雑な作業が可能ですが、決して完璧ではありません。学習したデータによってはイレギュラーな事例に対応できなかったり、ロボット自体が故障するリスクもあります。

また仮に何か問題が生じた際、AIの責任にするわけにはいきません。そのため医療AIの作業を最終確認する人の存在は欠かせないのです。

②大量の症例データが学習に必要

医療AIを活用するには、「教師データ」と呼ばれる膨大なデータが必要です。それも学習用としてふさわしい内容で、なおかつ精度の高いデータでなければなりません。

たとえば、がんの治療支援をする医療AIに肺炎の症例を学習させても意味がありません。また、さまざまな症例を学習させることではじめて、多様な患者に対応できるようになります。

こうしたデータベースを民間の医療機関で構築するのは難しいでしょう。そのため国が主導して、データベースを整備していく必要があります。

③導入・運用にコストがかかる

導入・運用時のコストも医療AIのデメリットです。AI搭載の医療ロボットは、1,000万円以上するケースが珍しくありません高度な手術にも対応できるロボットとなると、1億円を超える場合もあります。

また年間を通して1,000万円単位の維持費がかかります。そのため、こうしたコストを理由に導入を足踏みする医療機関は多いでしょう。

④故障時のリスクがある

医療AIは機械のため、故障のリスクがあります。たとえば医療AIロボットを使った遠隔手術中に通信が切断されたら、オペを中断せざるを得なくなる可能性も。

こうした事態は普段からきちんとメンテナンスしていても、災害やあらゆる要因によって起こりえます。オペレーションを医療AIに頼りすぎると、万が一の際、現場が完全に停止してしまうことになりかねません。

医療AIの現状

日本は海外に比べ、医療AIの普及が遅れているといえます。その理由には、国内の医療AI受け入れ体制が整っていないことや、現場関係者のAIに対する知識が乏しいことなどが挙げられます。

ここからは以下のポイントに焦点を当て、日本における医療AIの現状を見ていきましょう。

・2022年に医療AIによる診断補助が保険適用化
・AI医療機器の製造販売における高い壁
・2023年時点では約8割の医療機関がAI未導入

2022年に医療AIによる診断補助が保険適用化

2022年度に診療報酬の改定が行われました。ここから新たに「人工知能技術(AI)を用いた画像診断補助に対する加算」が、保険適用となっています(※4)。

これにより、病院にとっても患者にとっても、医療AIの活用がより身近になったといえます。

AI医療機器の製造販売における高い壁

日本で実用化されている医療AIはまだまだ少ないのが現状です。2022年3月時点で、製造販売が承認されている医療AIはわずか20件(※5)。具体的には、以下のような医療AI(プログラム医療機器)が承認販売されています。

・胸部 X 線画像病変検出(CAD)プログラム LU-AI689 型(富士フイルム株式会社)
・CureApp HT 高血圧治療補助アプリ(株式会社CureApp)
・サスメド Med CBT-i 不眠障害用アプリ(サスメド株式会社) など

この背景には、医療AI機器に対する厳正な「製造販売承認審査」があります。とくに人命や診断そのものに与える影響が大きい機器ほど、運用リスクが大きいとして厳しい審査の対象となります(※6)。

審査には1年以上かかるケースも少なくありません。さらには依然として保険適用外の医療AI機器も多数。

行政も迅速かつ適切な審査を喫緊の課題としてはいるものの、こうした背景から医療AIの普及はなかなか進んでいないといえます。

2023年時点では約8割の医療機関がAI未導入

2023年に、株式会社日経リサーチが医療機関で購買に関与している2,031名を対象に、アンケート調査を行いました。その結果、全体の79.4%が「どの業務分野においても医療AIを導入していない」と回答。

施設別に見るととくに大学病院での導入率が高い傾向です。大学病院ではゲノム医療分野で24.4%、画像診断領域で24.1%が医療AI導入済みと回答しました。

一方、医院・診療所は94.3%が「いずれも導入していない」と回答。その理由として多く挙げられたのは「費用対効果がわからない」というものでした(※7)。個人が担う一般診療所ではとくに、医療AIの費用が大きな障壁となっています。

医療AI導入における課題

株式会社日経リサーチが医療機関に対して行った調査によると、AI未導入の理由について「費用対効果がわからない」という回答が圧倒的多数でした。

医療AIの活用事例はまだ少ないため、導入後の費用対効果をイメージしにくい医療関係者が多いと考えられます。

しかし、決して医療AIの導入に後ろ向きなわけではないようです。同調査の自由記述では、「ChatGPT」といった身近なAIの導入を期待する声もありました(※7)。

つまりAI導入への期待値は高いものの、現実的に導入できていないという医療機関が多数あるといえます。

医療現場の業務効率化にはRPAがおすすめ

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「医療AIは費用面で導入が難しい……」「既存システムの変更は避けたい」

このような場合は、医療AIでなくRPAの導入がおすすめです。RPAとは、ロボティック・オートメーション・プロセスの略です。パソコン上で行うあらゆる作業を、ロボットが自動化します。

RPAは現場のニーズに合わせて、さまざまなロボットを開発できるのが魅力です。医療AIに比べれば、導入費用も抑えやすいでしょう。

医療AIとRPAの違いについては、下記記事で詳しく解説しています。

BizRobo!なら確実に業務効率化が可能

BizRobo!_LP

医療AIに比べ、RPAは費用対効果を試算しやすい点も大きなメリットです。医療AIを導入すると現場のオペレーションが大きく変わり、スタッフの教育も必要となります。

一方RPAは、こうしたコストがかかりません。ロボットの開発さえ行えば、あとはプログラミング通りに自動で業務が遂行されます。

またRPAのなかでもBizRobo!は、直感的な操作画面が魅力。IT知識のない方も、簡単にロボット開発が可能です。

さらに1つのライセンス契約で、何台でもロボットを開発できます。たとえばレセプトの作成に使うロボットやデータ入力を行うロボットなど、複数のロボットを同時に稼働させられるのです。

これにより、事務仕事にかかる時間を大幅に短縮できます。ではBizRobo!で実際にどのような変化があったのか、事例を見ていきましょう。

書類作成やデータ入力などの定型業務を自動化

Roborobo導入事例_書類作成やデータ入力などの定型業務を自動化

株式会社スカイメディカルサービスは、九州を拠点に調剤薬局や介護サービスなどを手広く展開する企業です。しかし、事業分野の拡大にともない、総務や経理の業務が複雑化・増大していました。

そこで管理職が積極的にRPAの導入を推進。BizRobo!の導入により、複数の事業をまたぐ多様な勤務形態や売上ルールなどに自動で対応できるようになりました。

その結果、従業員の人数は据え置きでさらに3割の事業拡大を実現できたそうです。現在は25台のロボットが同時稼働しており、導入コストを上回る費用対効果を実感されています。

詳細は下記記事をご覧ください。

協会を通して医療機関同士のつながりができる

患者データの準備をRPAが担い業務効率化

「磐田メイツ睡眠クリニック」では予約が集中し、新患患者の予約が取りにくいといった課題がありました。また睡眠専門外来では、患者の睡眠データを準備する作業にも時間がかかるそうです。

そこで業務効率化のためにRPAの導入を検討。なかでもBizRobo!は「一般社団法人メディカルRPA協会」を通じて、RPAを活用する医療従事者同士のつながりを作れます。これが決め手となり、BizRobo!を導入されました。

元々プログラミングの知識は全くなかった同クリニック事務長の川嶋氏ですが、わずか2週間ほどでロボットのプロトタイプを作成。そこから約一ヶ月後、現場での運用が開始されました。

その結果、月40時間かかっていた事務作業が月1時間に短縮。現在は経理や人事の業務にもロボットを導入し、年間1,350時間もの削減に成功しました。

その分看護師や医師の手も空き、新患患者も受け入れやすくなったそうです。これまでは2~3ヶ月の待ちが出ていた新患予約も、今では3週間ほどに短縮されました。

詳細は下記記事をご覧ください。

医療AIだけでなくRPAという選択肢も

医療現場の業務効率化は喫緊の課題です。今日、明日の人手不足や長時間労働に苦しんでいる医療現場は少なくありません。

こうした課題の解決には、BizRobo!がおすすめです。BizRobo!を活用すれば、あらゆる業務の自動化が実現できます。

またBizRobo!ノンIT人材でも直感的にロボットを開発できる、デザイン性が魅力です。プログラミングはもちろん、ITの知識は必要ありません。高い操作性で、まったくのIT未経験でもロボットを簡単に開発できます。

専任スタッフによる365日体制のサポートもあるため、万が一操作が分からなくなったときや予期せぬエラーが出たときなども安心です。まずは無料お試し期間で、その操作性と利便性を実感してみてください。

【参考】

※1 保健医療分野におけるAI開発の方向性についてを加工して作成
※2 医師の過重労働とその背景並びに医療体制に及ぼす影響を加工して作成
※3 第2章 担い手不足の克服に向けてを加工して作成
※4 令和4年度診療報酬改定についてを加工して作成
※5 日本で承認は20件だけ「AI医療機器」普及させる策を加工して作成
※6 AI技術を利用した医療機器の医薬品医療機器法上の取扱にかかる対応についてを加工して作成
※7 期待高まるAI、それでも8割の医療機関は未導入。理由は「費用対効果わからない」を加工して作成



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