BizRobo! ブログRPA関連のお役立ち情報をお届けします
近年、労働人口の減少による人手不足が問題になっています。
中でも、勤怠管理や入出金確認などを行う経理部門は専門的な知識が必要なことから、人材の確保が難しい傾向にあります。
また、経理部門は定型作業が多いものの業務の性質上「ミスが許されない」というプレッシャーがかかる業務が多く、人手不足と相まって業務効率化は多くの企業にとって課題といえる状況です。
そこで今回は、業務効率化を実現するRPAツールの導入事例や、効果的な活用方法について詳しく紹介します。
経理業務の効率化と働き方改革へのアプローチとして、ぜひご参考ください。
目次
経理部門にRPAを導入するメリットは
経理部門へRPAを導入するメリットとして、以下の3点を挙げて解説します。
処理スピードが向上され生産性の向上につながる
RPAはルールが定義された業務の自動化が得意で、人が手作業で業務を実施するよりもスピーディにできるため、生産性の向上に繋げることできます。
例えば、入金の消込作業などルールが定義されている定型作業の場合、人であればマニュアルを見ながらや、さまざまなチェックをはさみながら作業するため、長時間かかる可能性があります。
RPAであれば一度設定すると、人によるチェックは不要なため、スピーディかつ同じ品質で処理をすることができます。
また、RPAは人では処理しきれないような何万回もくり返し実行が必要な作業であっても24時間365日処理することが可能です。
そういった理由から、RPA導入することで人のリソースは創出しつつも、経理部門の生産性向上を図ることができます。
人的ミスが低減される
経理部門では、金銭に関わる業務が多く存在するため、その業務の中でミスが発生した場合、大きな問題へと発展することも。
当日の勘定が合わない場合、計算が合うまで徹底的に調査するなど、厳格な対応であることが求められるケースが多いため、経理部門では正確性が非常に求められます。
しかし、人が作業する場合は、どうしても「疲れ」や「慣れ」が生じるため、その日のコンディションや周囲の状況などに影響を受け、人的ミスが発生してしまう可能性があります。
RPAなら、長時間稼働させても疲れからくるミスは発生しないため、人的ミスを低減することが可能です。
プレッシャーによる負担が軽減される
経理部門は入金確認や請求書の発行など金銭を扱う業務が多いため、ミスは許されないというプレッシャーが多くかかります。
また、他にも経理業務はいくつものシステムを横断し複雑なフローになることもあるため、慎重な対応が必要です。
そこで、RPAを導入し置き換えることで精神的な負担から解放され、業務のモチベーション向上や、よりコアな業務へ注力できるようになります。
経理部門での活用事例4選
経理部門でRPAを活用した具体的な事例について4つ挙げて解説します。
伝票データの入力を自動化
決まったフォーマットを利用する伝票データの入力業務など、ルールが定義されている業務はRPAの活用に向いています。
例えば伝票データを会計の基幹システムに入力する作業は、入力自体の手間もそうですが、ミスしないようにダブルチェックを実施するため、確認作業に時間がかかりやすい業務です。
また、繁忙期などで入力する件数が増えれば、時間もかかり人的ミスが発生する可能性も高くなります。
RPAであれば、何件の伝票データが送られてきても同じ品質で基幹システムへ登録することができます。ダブルチェックを省くことで処理時間を短縮し、生産性の向上へ繋げることが可能です。
各種帳票作成の自動化
会計報告といった正確性が求められる業務や、繁忙期のみ発生するような業務はRPAが向いています。
例えば、会計報告に必要な帳票の出力や編集などの作成作業は、月末月初など特定の時期に集中して発生する業務です。
作業量が多いことで長時間労働に繋がってしまったり、金銭に関わる重要なデータを取り扱うためミスが許されないといった精神的な負担もかかります。
そこで、RPAを導入すると一連の作業を自動化することができ、ストレスフルな作業を置き換えることが可能です。また、繁忙期のみ人を採用するといったこともなくなるため、コスト削減にもなります。
交通費などの金額チェック作業の自動化
交通費などの金額をチェックするような、複数のシステムを横断する業務はRPAの活用に向いています。
従業員が入力してくる交通費の清算業務は、インターネットやシステムで交通経路を検索し、運賃と申請金額に相違がないか確認しなければなりません。
また、その申請に差異が発生している場合は、申請をしてきた従業員に対しメールなどで申請ミスの内容を連絡する必要があり、すべての申請に対し実施すると膨大な時間が掛かってしまいます。
そこでRPAを活用すると、システムを利用した交通費の確認からメールでの連絡までを自動化できるため、業務効率化を図ることができます。
各種数値(売上など)の突合業務自動化
2つのデータを使用した大量のくり返し確認が必要な業務は、RPAの適用に向いています。
例えば、各店舗から送られてくるPOSデータと、別システムに入力されている売上データを突合し、データに差分がないか確認する作業を人が実施すると、目検でもチェックになるため、大変時間が掛かってしまいます。
そこでRPAを導入すると、自動的に2つのシステムからデータを取得し、差分をチェックするといった一連の作業を自動化することが可能です。
また、差分が発生していた場合は、該当の店舗へ自動的に連絡をすることもできますし、後続処理として実施する売上報告書の作成も自動で行うことができます。
経理部門へのRPA導入事例 5選
経理部門へRPAを導入した具体的な事例について、5つ挙げて解説します。今回、解説する事例で導入しているRPAツールは「BizRobo!」です。
事例①:合計残高試算表を作成する業務の自動化
担当者は、毎月末に複数にわたるシステムから製品データと、補修部品販売データを抽出し相手先別に合わせてデータを加工し、合計残高試算表を作成していました。
その業務は、複数の基幹システムからデータのダウンロードが必要なことや、相手先によってデータの加工手段が違ったりなど、複雑な手順が多い業務でした。
その結果、人的ミスが発生し課題となっていたため、RPAを該当業務に適用し、一連の流れをRPAに置き換えることによって、年間100時間もの余剰時間を創出することができ、また人的ミス撲滅にも繋げることができました。
事例②:収支資料の作成とメール送信する業務の自動化
担当者は、業務システムから工場収支データをダウンロードし、テンプレートとして使用しているエクセルファイルにデータを貼り付け、資料を対象者にメール送信していました。
しかし、ダウンロードの作業に非常に時間がかかり、長時間拘束されてしまうという課題がありRPAを導入しました。
その結果、RPAが自動的に業務システムから工場収支データをダウンロードしてくれるため、長時間の拘束がなくなったことと、データの添付ミスがなくなり業務の正確性も高められ、年間130時間の余剰時間の創出に繋がっています。
事例③:保険料の清算報告書を調査し報告する業務の自動化
営業課や支社担当者が一次対応として保険料の清算状況を調査し、その結果を本社経理部へ送付、そこから二次対応として調査を実施していたが、確認ポイントやデータ量が多く膨大な時間が掛かっていました。
そこで、清算状況の一次チェックと二次チェックをRPAロボットに置き換えました。
人が対応する箇所として一次チェックではロボットがチェックできない例外対応を人が調査、また二次チェックでも例外対応のみを人が作業することで、4万時間分の余剰時間を創出することに成功しています。
事例④:月次で実施している決算業務の自動化
会社の決算フローとして、親会社が使用する連結決算システムに決算を毎月入力する必要があるが、M&Aを繰り返してきたため、社内システムが複数混在していることで煩雑な作業になり、残業を前提として対応を行っていました。
RPAを導入することにより、決算に必要なデータが登録されている複数のシステムから15パターンのデータをダウンロードし、連結決算システム投入用のデータを作成することができました。
人が実施する作業は、出来上がっている投入用データを登録するだけになったため、毎月12時間かけていた業務でしたが、システムへコピー&ペーストし最終確認するだけで完結する業務になり、残業抑制に繋がっています。
事例⑤:予算超過部署にメール送信する業務の自動化
元は業務としてなかったが、予算超過が発生し経営層から改善を求められていたため、改善対応の一環としてRPAを導入。
業務フローとしては、基礎システムや設備投資予算システムからデータをダウンロードし、予決算一覧表の作成と予決算の算出、予算超過をチェックして該当の部署へメールで通知するといった流れになり、すべての作業をRPAで実現しました。
その結果、チェックしていた担当者の時間が40時間から1時間に短縮されたことや、経営層から求められていた予算管理の適正化を実現することができています。
RPAを効果的に活用するための3つのポイント
RPAを効果的に活用するポイントについて3つご紹介します。
業務を可視化し、自動化する業務を明確にする
RPAを導入するときは、自社のどの業務に自動化を適用するのか明確にしましょう。
漠然と「書類作成に適用する」といった決め方ではなく、自社で課題となっている業務を可視化し、RPAに向いているかどうかを判断した上で、自動化する業務を明確にします。
また、経理部門は誤作動などで想定しない動作をすると、企業損失に大きく影響するため、ロボットが間違った操作を行わないように、業務の可視化、業務フローの分析は効果的に活用するための重要なポイントです。
関連記事:RPAに向いている業務と事例は?RPA利用者が解説!
スモールスタートで自動化を開始する
RPAは製品にもよりますが、応用の範囲が広く、さまざまな業務に適用することが可能です。
そのため、費用対効果の高い複雑な業務から自動化を進めるといった方針になってしまうことがあります。
しかし、複雑な業務から自動化を進めると、ルールを決めるための会議が何度も発生したり、フローに対する承認に時間が掛かってしまったりなど、プロジェクト自体が頓挫してしまうケースも見受けられます。
したがって、まずは単純な定型作業からスモールスタートで自動化を進め、実績と自動化に関する知見を蓄積しながら、規模の大きい業務への適用していくことが大事です。
サポート体制が手厚い製品を選ぶ
RPAツールを導入した直後は「実現したい内容に対しての操作が分からない」や「想定外のトラブル」がよく発生します。
そのため、RPAツールはツール提供元のサポート体制が手厚い製品を選んでおきましょう。
また、今後適用規模を大きくする予定がある場合は、それだけRPA担当者も必要になるため、RPA知識やスキルをもった人材を育成できるサポートがあるかも確認しておきましょう。
経理部門にも強いRPAツールをお探しなら
経理部門にも強いRPAツールをお探しなら、RPA初心者にも優しい「BizRobo!」が、おすすめです。
BizRobo!では、RPA導入時に悩みがちな「どの業務へ自動化を適用すればよいのか」といった方向性を決める段階から伴奏支援しているため、安心して導入を進めることが可能です。
また、RPAに関する学習コンテンツとしてeラーニングを準備しているため、これからRPAを始めようとしている方はもちろんのこと、導入後の開発で迷ったときや、RPA人材育成のコンテンツとして利用できます。
そんな生産性の効率を高めることができるBizRobo!を知りたい方は、「「3分でわかるBizRobo!」の資料をぜひダウンロードください!
まとめ
今回は、経理部門の業務効率化に向けたRPA導入のメリットや導入事例、活用ポイントについて解説をしました。
経理部門では、人の手で実施すると長時間かかる定型業務が多く存在します。また、金銭に関わる業務が多いため、精神的な負担も高いと思います。
そんな定型業務にRPAを適用することで、大幅な業務効率化が実現できるだけではなく、従業員のエンゲージメント向上にも繋げることができます。
そんな好影響のあるRPA導入の検討アイデアとして、今回の記事が参考になれば幸いです。