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中小企業におけるRPA導入の現状|事例から見える導入ポイントを徹底解説!

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最近では「働き方改革」や「DX」を意識し、業務改善の手段としてRPAの導入を検討している中小企業も多いことでしょう。

しかし、実際にRPAを導入した中小企業の社数や、どのような導入効果があったのか気になりませんか?

当記事では、実際にRPAの講師をしている筆者が実際の経験も踏まえ、導入前後のポイントや実際の事例を紹介します。

具体的なRPA導入の前に抑えるべきことが整理でき、スムーズなRPA導入と運用設計が可能になりますので、ぜひ最後までご覧ください。

中小企業でのRPA導入で期待できる問題点の改善

まずは、RPAの導入により中小企業がどのような問題改善をできるのか確認しましょう。

人手不足の解消

現在、少子高齢化の影響などにより、各企業では人手不足が問題になっています。

下図グラフを見ると、生産年齢人口が1995年から減少傾向にあり、2050年には2021年と比較して29.2%の減少が見込まれています。
総務省サイト|内閣府(2022)「令和4年版高齢社会白書」

引用:総務省サイト|内閣府(2022)「令和4年版高齢社会白書」

特に大企業に比べ従業員数が少ない中小企業では、さらに深刻です。

全産業の従業員数過不足DI(※注1参照)は、「2023年1-3月期」の▲21.4から「2023年4-6月期」の▲21.9と2期ぶりにマイナス幅が拡大し、人手が足りないと感じている中小企業は多くなっていることが分かります。

(注1)従業員数過不足数DIとは、 従業員の今期の状況について、「過剰」 と答えた企業の割合(%) から、「不足」 と答えた企業の割合(%) を引いたもの。
中小企業基盤整備機構|第172回中小企業景況調査(2023年4-6月期)

資料:中小企業基盤整備機構|第172回中小企業景況調査(2023年4-6月期)

人手不足が慢性化すると一人に割り振られる業務量が多くなり、辛くなった社員が退職することでさらに状況が悪化するという悪循環に陥ります。

RPAに作業を任せることで人が行う業務を減らすことが可能です。

業務属人化を回避

中小企業でよくみられる傾向として、特定の社員が業務を任され、手順もやり方も特定の社員しか知らない業務が俗人化したケースが見受けられます。

特定の社員が休んだり退職すると業務進行に混乱が生じることもあるでしょう。 RPAを導入することで、業務フローを整理したり手順書を作成するきっかけができます。 また、RPA化することで部署のメンバーが実行さえすれば誰でも業務を行うことが可能です。

生産性の向上

ひとりで行う業務が多すぎると、それぞれの業務にヒューマンエラーが発生しやすくなり効率が悪くなります。

手順が決まった定型的な業務はRPAに任せることで、作業系業務が減り人間は判断したり考える必要がある業務に注力できるようになります。

その結果、生産性が向上し業務の質も上げることができます。

中小企業におけるRPA導入率と問題点

下図は大手企業と中小企業のRPA導入推移を示したグラフです。

大手企業は導入済みが51%であるのに対し、中小企業は25%と約半数になっています。

また、中小企業においてRPA導入を検討しているところは1年ごとに増えているものの、なかなか導入に至っていないようです。

中小企業にてRPA導入が滞っている原因を確認しましょう。

(※2)RPA導入率:社数ベース。回答企業全体(n=1,021)を分母、RPAを「利用している」と回答した企業を分子として計算計算の関係上、構成比の合計は100%にならないことがある。
株式会社MM総研 プレリリース「RPA国内利用動向調査2020」

引用:株式会社MM総研 プレリリース「RPA国内利用動向調査2020」

導入にかかる費用が高い

ぜひ導入してみたいけれども、導入費用で足踏みをしている中小企業も少なくないのではないでしょうか。

RPAはライセンス費用やサポート費用が決して安いとはいえないため、中小企業にとって導入費用が高いハードルとなりえます。

解決策|無料トライアルの利用とベンダーへの相談

RPAツールはさまざまあり、金額も違うためよく比較してみてください。

初回は無料で試せるものもありますので、ぜひ利用しましょう。

実際に試してみることで、導入費用が発生してもそれ以上の結果が見込めるといった、具体的なイメージができるかもしれません。

導入費用は高くても生産性の向上や人件費削減が実現できれば、結果的にコスト削減に繋がる可能性があります。

まずはベンダーに問い合わせ、相談してみてください。

費用対効果が低い

導入してみたけれど、自社の業務でRPA化できるものが少なく、結果あまり活用できなかったとなると無駄になってしまいます。

どんな業務でもRPA化できるわけではなく、向き不向きがあるのです。

「とりあえず導入すればすべて簡単に自動化できるだろう」という考えでは、失敗してしまう可能性が高いです。

解決策|RPA化したい業務を事前に洗い出し検討

まずはRPA化を考えている業務を洗い出しましょう。

併せて、対象の業務で使用するブラウザやツールについてもまとめておくと検討しやすいです。

そしてその業務が実際にRPA化可能なのか、費用対効果は高いのかをベンダーに相談してみてください。

ベンダーは知見やナレッジがあるため、的確な提案が可能です。

使い方がわからない

プログラミングの知識は不要というのが特徴のRPAですが、各RPAツールの使い方を覚える必要はあります。

どのRPAツールもなるべく感覚的に使えるよう設計はされていますが、初めてツールを見せられて、すぐにロボットを作成できる人はいないでしょう。

使い方がわからなかったり、エラーが発生しどうしてよいか分からなくなることもあるため、結果として挫折してしまう可能性もあります。

解決策|サポート体制がしっかりしたベンダーを選択

サポートサービスを行っているベンダーを選びましょう。

RPAのライセンス販売はしているけれども、サポートは積極的に行っていないというケースもあります。

慣れるためにはやはりRPAに知見のあるプロに教わるのが近道です。

実際にRPAツールを使っているところを見せてもらったり、エラーが起きた際にはどのように対処するのかを教わることで使い慣れてきます。

問題がおきた場合やちょっとした疑問点がある場合でも、質問がしやすいサポート体制が充実したベンダーを選びましょう。

中小企業でRPA導入後に陥りやすい問題点と対策

実際に導入している企業をみてきた中で、問題になりやすい点とその対策をまとめました。

一緒に見ていきましょう。

RPA引継ぎのルールや体制を作っておく

RPA導入時には、異動などでRPAの担当者が変わった場合でもスムーズに引き継ぎできるよう体制やルールを決めておきましょう。

業務の属人化を解消しても、今度はRPAを使える後任者がいなければ本末転倒です。

管理者がいなくなってしまったロボット、通称「野良ロボット」の発生を防がなくてはなりません。

実際に私がいた現場でも、とある部署のRPA担当者が退職した際、後任者がおらず作成したロボットがすべて野良ロボット化してしまったのを目の当たりにしたことがあります。

野良ロボットの発生を防ぐため、例えば次のような対策をしてみましょう。

・作成したロボットに対し、2人以上は内容を把握しておく
・作成したロボットに対するポイントや説明書を作成しておく
・ロボットをカスタマイズした際は都度履歴を残しておく

引継ぎ体制は整えておき、RPA担当者も属人化しないよう気をつけてください。

RPAに実行させたい業務フローを整理し作成する

RPA化を考えている業務についてまずは洗い出しておきましょう。

例として、下図のようなヒアリングシートを作成しまとめます。

RPA_ヒアリングシート

さらに、各業務においてもう少し落とし込んだ下図のような業務フローの資料を準備しておくと、RPA化する際にも非常に作りやすくなります。
RPA業務フロー

RPAに関する質問の問い合わせフローを明確化

いざ導入した後、具体的な問い合わせ方法がわからないと無駄な時間がかかってしまいます。

問い合わせに使えるツールは何か(チャットツール・メール・電話など)、問い合わせ可能時間帯はいつなのか、ベンダー側の問い合わせ窓口担当者は誰なのかを明確にしておきましょう。

複数の部署で導入している場合は、社内での問い合わせフローも決めておきます。

窓口の部署を決めるのか、個々にベンダーへ問い合わせをしてよいかなど、ルールを決めておきましょう。

おすすめのRPAツールについて

RPAツールにはさまざまなものがあります。 各ツールとその特徴につきましては、こちらをご覧ください。

【2023年最新】おすすめRPAツール20選を一覧で徹底比較!各ツールのメリットや選び方のポイントを詳しく解説!

なかでも、中小企業にはBizRobo mini!がおすすめです。

コストを抑えつつ、PC上で日々行っているような業務の自動化を実現します。

途中で運用の規模が大きくなった場合でも、低コストでスムーズな移行が可能です。

また、RPAツールにはロボットを動かしている間、同じPCで他の作業ができないものがあります。

画面ロックやスクリーンセーバーがかかると止まってしまう仕様のRPAツールも存在するのです。

その点Bizrobo mini!ならRPA動作中もPC操作が可能で画面ロックやスクリーンセーバーがかかっても動作します。

サポート体制も充実していて無料体験も可能なので、中小企業でRPA導入を検討していましたら、「BizRobo mini!」がおすすめです。

中小企業でのRPA(BizRobo!)導入事例

セキ技研株式会社


人手不足で業務負担も増え、ヒューマンエラーも発生していた状況が「BizRobo!」の導入で見事に改善した事例です。

週に1度、2時間もかけて行っていた業務が自動で毎日行えるようになりました。

結果、情報が速く確実に届くようになったことで、取引先から評価もされるようになりました。

すべての工程を自動化するには至らなかったものの、出退勤時刻を確認する業務において、担当者の日次作業時間が9割削減された事例もありました。結果、月5時間超えに相当するリソースを生み出しています。

株式会社GWC


中小企業でのRPA導入は難しい印象を持たれていましたが、ベンダーのサポートと業務に合わせたカスタマイズが容易とのことで導入に踏み切った事例です。

難しさのハードルを「BizRobo!」とベンダーサポートがフォローすることで導入を実現しています。

テスト導入では、チケット売り上げの集計管理をする業務を対象にしました。

チケットは個人向けのインターネットを始め、試合会場での販売や地域の教育機関・団体へ働きかけで販売しています。

販売実績は販売チャネルや各団体ごとに細かく分類し、月に2回以上試合がある場合、開催日ごとのデータが必要です。

1回あたり40分から1時間もかけ単純作業を繰り返していたところ、「BizRobo!」の導入によりほんの数分間の作業に激減しました。

高岡ケーブルネットワーク株式会社


コスト面でRPA導入に踏み切れずにいたところ、導入支援を得て「BizRobo! mini」の試用をきっかけとし導入に成功した事例です。

プログラミング未経験者の担当者2名が、RPAテクノロジーズ担当者のサポートやオンラインで行っているWebセミナーを活用し着実に実力をつけました。

1時間かかっていた作業を3つのロボットで業務時間外に実行させられるようになり、2020年度には1,303時間、金額にすると348万円相当の削減効果が出ています。

今まで行っていなかった確認作業でもRPAを使用し、品質向上にも繋がる結果となりました。

【体験談】現役RPA講師の筆者からみた中小企業におけるRPA導入の実例

筆者は現在、RPAのライセンス販売やロボット作成サポートを行っている企業に所属しています。

RPA導入済みのお客様がロボット作成で行き詰まった際の問い合わせ対応がメインです。

そんな筆者が実際に対応した中小企業のエピソードを2件ご紹介します。

1つ目は、RPA導入後に他部署展開を開始した際のエピソードで、RPA担当者が他RPA担当者のロボット作成方法を受け入れず困っていた事例です。

2つ目は、RPAツールのライセンスを販売していたベンダーがサポートサービスは行っておらず、相談できなかった事例となります。

詳細を見ていきましょう。

【事例1:他メンバーのロボット作成方法が受け入れられず】

某専門商社からRPAロボット作成時のエラー解消ができないとサポート依頼を受け、対応した事案です。

エラーの相談とは別に、他部署へのRPA展開に関する悩みがあるという話を聞きました。

テスト導入を経て、他の部署でもRPA化が浸透してきた時でした。

ロボット上でどうしてもエラーになってしまう部分があり、解決方法を知っていた社員がやり方を教えたのですが、導入されませんでした。

どうしても自分で考えたやり方でなければ納得がいかなかったようです。

RPAツールを使えるようになってくると、ロボット作成が楽しくなり、できあがったロボットにも愛着がわきます。

とても良いことですが、今回ご紹介した事例のように、自分で考えて作成したいという思いが強くなるケースはよくある印象です。

人から直接教わるのに抵抗があるといった担当者がいる場合、誰でも閲覧できるように社内のRPAナレッジ掲示板などを用意してみるのもよいでしょう。

また、ベンダーに勉強会などの開催をお願いできる場合は、解決方法を伺ってもよいと思います。

【事例2:ベンダーサポートを受けられなかった】

某製造・販売業の中小企業様より、RPAツールの基本的な操作には慣れてきたため、ロボット作成を進めていたところ、エラー解消ができずにお問い合わせがありました。

話を伺うと、RPAの初期導入を依頼したベンダーにサポートサービスがなく、問い合わせできるベンダーを探していたそうです。

こちらで操作をしながら説明していくと、エラーの原因がわかり、他の操作でも勘違いしていたことや疑問点も解消したとのことでした。

その後スムーズにロボット作成ができ、業務も楽になったと報告を受けています。

大手企業であれば、中小企業に比べ多く予算も組むことができ、サポート費用を捻出しやすいでしょう。

その点、中小企業では費用面でサポートを躊躇することがあるかもしれません。

ですが、サポートがあることで習得できるスピードは上がりますし、結果が出る時期も確実に早まります。

ぜひRPAのサポート利用はベンダーへも相談し積極的に検討してみてください。

まとめ

当記事では、中小企業におけるRPA導入の現状を踏まえ、気をつけるべき点や実際の導入事例をご紹介してきました。

・中小企業でのRPA導入で期待できること
・中小企業におけるRPA導入率
・RPA導入が中小企業で進みにくい原因と解決案
・RPA導入後に考えるべき事項
・中小企業におけるRPA導入事例

中小企業でのRPA導入は決断がしづらいという問題点はあるものの、当記事でご案内したポイントを再度見なおしてみることで導入の糸口をつかんでください。

実際に導入し、業務が格段に楽になったという中小企業を私は実際に見てきました。

RPA導入を実現し、残業がなくなった、業務の質をあげることができたといった体験をぜひしてみてください。