BizRobo! ブログRPA関連のお役立ち情報をお届けします
様々な業界でDX(デジタルトランスフォーメーション)化が進む中、流通・物流のサービス産業では他の産業と比べてDX化が遅れている状況です。大量の紙伝票によりデジタル化しにくいと言われ、某物流大手の会社では年300万枚の紙伝票をデータ化処理していたそうです。また、紙のデータ化業務に追われ、本来の業務に手が回らないという副次的な影響も発生していました。
そのような状況に置かれている現場から生まれたのが「デジパス」というサービスです。今回は、先日開催した「物流業界向け『紙のデータ化×RPA』で繁忙期の残業も0へ 紙のデータ化まるごとお任せ!『デジパス』ご紹介セミナー」のレポートを通して、サービスの概要や導入事例をお届けします。AI-OCRやBPOサービスの導入を検討している方、紙のデータ化処理に悩まれているという方はぜひご一読ください。
「デジパス」ホームページ
ライター紹介:
- 長澤 史佳(ながさわ ふみか)
- 大学在学中に「ハフポスト日本版」および「Forbes JAPAN」でインターンとして記事執筆・編集・取材・翻訳などを経験後、2020年に新卒で株式会社PR TIMESへ入社し、PRプランナーとしてコスメブランドや食品メーカーなどを担当。2022年よりRPAテクノロジーズ株式会社に入社し、コンテンツ企画、広報を手掛ける。
物流業界の現状
物流業界を取り巻く課題
- 1 生産年齢人口(15~64歳)は年間100万人以上のペースで減少。働き手は年々少なくなり、人手不足を招いている
- 2 物流業界は他産業と比べ、長時間労働で低賃金という一面を持つ。また、陸上・海上分野ともに高齢化が進んでいる
- 3 ベテラン職員の退職後、新規採用をしても経験ギャップがあるため、キャッチアップには時間がかかる
物流業界が抱えている上記の課題を解決していくためには、テクノロジーの力で業務効率化を図っていくことが不可欠です。実際にDXに取り組んでいる物流業界の企業では、特に生産性の向上や働き方改革の推進において成果が出ていると回答しています。
しかし、DXに取り組んでいるのはごく一部の企業であり、流通・物流サービス産業の全体を見てみるとDX化が大幅に遅れているというデータも出ています。
なぜ、物流業界ではDX化が遅れているのか
物流業界でDX化が遅れている原因は「大量の紙伝票」にあります。関西大学が2020年に発表したプレスリリースによると、物流業界の紙伝票が電子化された場合の経済効果は年間約3,533億円にのぼるとされています。
デジパス誕生のきっかけとなった鴻池運輸株式会社の現場でも年間約300万枚の紙帳票を処理していたという試算結果も出ており、DX化の阻害要因となっていました。
その時、鴻池運輸株式会社で紙問題を解決するために最初に着目したのが「AI-OCR」です。2カ月ほどかけて1件の紙伝票を帳票設定からチューニングまで行い、現場に導入しようとしましたが、残念ながら思い描いていた反応ではありませんでした。
「AI-OCR」の課題として…
- 認識精度が100%のものは存在しないので、認識されていない文字がある。また、読み取り後の修正も自分たちでやらなければいけない
- 取引先や顧客によって伝票の書き方が異なるので、読み取り箇所をそれぞれ判断する必要がある
- データ化したい伝票がたくさんのパターンかつ大量にあるので、コストがかかる
物流業界の”現場の声”から誕生した「デジパス」
物流業界では「紙伝票」が原因となってDX化が遅れている、でもAI-OCRだと課題がある…そこから誕生したのが新サービス「デジパス」です。デジパスはスキャンしたイメージデータを送るだけで、最短2時間でバリデーション済みの確定データをお返しするサービスです。AI-OCRとオペレーターが連携することで、速くて正確なサービスが実現しました。
デジパスは、BPOサービスのようにビジネスプロセスに合わせて業務を遂行したり、AI-OCRのようにシステムだけを提供したりするのではなく、人と技術のハイブリッドで紙からデジタルデータを取り出すことに特化したシンプルなサービスです。だからこそ、どのような業務に組み込んでもみんなで使うことができるのが大きな利点として挙げられます。
紙からデータを取り出すプロセスの中に熟練したオペレーターが介在するため、OCRだけだと難しい判断を伴うような帳票でも確定データを返却することが可能です。また、完全国内完結型のシステム環境やオペレーションの体制によって、お客様の大切なデータを安心してお預けいただけるようなセキュリティ対策も取っています。
デジパス活用事例 – 鴻池運輸株式会社
デジパス誕生のきっかけとなった、現場の「それ誰がやるんですか」問題。鴻池運輸株式会社の現場でも、デジパスとRPAを活用することによって大きな変化が生まれています。
以前までは、手書きでの修正が発生したり、人の手で作業するためどうしても入力ミスが起こったりしてしまう状況でした。ただでさえ人手不足が嘆かれる物流業界の中で、間違いなく現場の大きな負担となっていました。
現在ではデジパスとRPAを活用することで、毎日100枚程度の納品書入力が不要となり、約2時間の余力ができたと現場でもとても喜んでいます。また、入力ミスなど、従業員が精神的負担からも解放され、働きやすい職場の実現にも貢献しています。
紙業務の自動化推進成功のポイント
- ・データ活用の目的を明確にする
- 紙からデジタルデータを取り出したところで、単なるテキストデータに過ぎません。RPAなどを有効活用し、既存の業務システムと連携するところまでを考慮した全体設計が重要です。
- ・適切な帳票の選択
- 時間軸で帳票を分類し、緊急対応が求められるものに人的資源を集中させてください。時間的余裕があるものをデジパスで自動化するなど、限られた人的資源の適正配置を考えましょう。
- ・帳票様式の工夫
- 同じ目的で作成されている帳票でも、部署や担当者によってフォーマットがバラバラということも少なくありません。自社でコントロールできるものは可能な限り標準化する、そして自動化の仕組みを考慮した記入方法に統一していくなどの工夫も重要となってきます。
- ・既存業務プロセスの見直し
- 作業の内容や順番など、既存の業務プロセスを見直し、人の作業と自動化の仕組みを効果的に配置していく必要があります。
- ・ノンコア業務に手間をかけない
- 紙からデジタルデータを取り出すノンコア業務には手間や時間をかけず、ぜひデジパスをご利用ください。
この記事のまとめ
- 物流業界は紙伝票が負担となり、他業界と比べてDX化が遅れている。ただ、DX化を進めることで物流業界が抱える人手不足などの課題を解決に導くことができる
- 現場の声から生まれたデジパスを使用することで、毎日100枚程度の納品書入力が不要となり、約2時間の余力が生まれた事例あり
- 物流業界では特に貴重な人的資源を適正配置することが重要。ノンコア業務はデジパスを活用し、手間をかけないようにする
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