導入背景
就労のハードルを下げ、技能の水準を高める方法を模索

Webサイト構築などに続く在宅可のスキルとしてRPAを発見
名古屋市に本社を置くMan to Man Animo株式会社は、人材紹介・人材派遣事業などを展開するMan to Man ホールディングス株式会社の特例子会社だ。2004年の設立以来、職業紹介や業務受託などを通じて障害者雇用の拡大に取り組み、約30人いる社員のうち4割近くが障害者手帳を所持。移動の困難さから在宅勤務を選ぶ社員も多い。
近年の同社を取り巻く環境について、事業を統括する中島貴弘氏は「相対的に障害の軽い人から就労を達成してきた一方、社会全体では生産性向上への意識が強まった結果『働くことのハードルを下げながら技能水準を高める』ことが求められています」と説明する。
そうした中、同社のWeb関連部門を率いる横井裕人氏は、2018年9月放映のテレビ番組でRPAを知った。
「在宅勤務をかなえるスキルとして女性に人気との情報から、障害者雇用としての可能性も感じました」(同氏)
BizRobo!を選んだ理由
「実行内容が一目で分かる」

操作対象の認識精度の高さも評価
ソフトウエアロボットの開発運用スキル獲得を通じ、障害者の在宅就労を拡大したいと考えた同社は、全国各地で開発者の育成を本格化していたRPAテクノロジーズ社との協力で合意した。具体的には、同社が提供するRPAツール「BizRobo!」のライセンスを導入後、まずグループ内の定型業務を対象としたRPA化で実効性を検証することとなった。
BizRobo!を選んだのは、開発者育成への姿勢が一致したことに加え、ツール自体の優位性も大きな理由だった。中島氏は「Webサイト構築担当の社員がRPAツール4製品を比較した結果、操作画面上で作業の実行内容が一目で分かる点や、ロボットの認識精度が高く、任せたい動作を確実に指定できる点から、BizRobo!を選択しました」と明かす。
対象業務
入札情報の確認など、グループ内の3業務に応用

既存の研修メニューを受講、習熟まで最短1カ月
Man to Man Animo社の業務では現在、「東海地域の主要自治体Webサイトを毎日巡回し、更新された入札情報から自社事業に近いものを選んで一覧表にまとめ、担当部署にメールで通知するロボット」や、「請求データと対応するマスターデータを取得し、オンラインで振替伝票を起票するロボット」など、在宅勤務の社員らが開発した3種類のソフトウエアロボットが稼働中だ。
ブラウザ内蔵型のRPAツールであるBizRobo!は、「特にWeb上で取得したデータを転記するタスクに適している印象です」と横井氏。地元IT企業が提供するオンライン研修プログラムなど、既存のメニューを活用したBizRobo!への習熟も順調に進み、「速い社員は1カ月、じっくり取り組んだ社員も1年ほどで、本当にびっくりするほど実用的なロボットをつくれるようになりました」と、同氏は目を見張る。

入札情報を収集して社内に発信する業務
導入効果
毎日3時間を要していた手作業を解消
効用を実感できるスキルの獲得が意欲を高める
入札情報の自動取得・通知ロボットが、毎日およそ3時間かけていた手作業を一掃するなどの定量効果と並んで、「BizRobo!に触れた社員の意欲が高まる」という、定性面での効果も顕著にみられた。
身体・精神の障害程度を問わず、理詰めで開発するRPAとの相性がよい“潜在的な適任者” は少なくなかったという。中島氏は「初見での消極的な反応が2週間ほどで好転し、やがて『打ち込めるものに出会えた』という、かつてない感想も聞かれるようになりました」と、BizRobo!がもたらした変化を歓迎する。
RPA化で就労機会を減らすことなく、むしろ人手不足の現場を支え、リソースの創出に貢献できるよう、同社はRPAスキルの習得を就労支援に採り入れながら、RPA活用を交えた事務受託の拡大を目指していく方針。既に、委託訓練としてRPAに興味を示す障害者職業能力開発校も現れている。