導入背景
変化の激しい業界で、社員に権限を委ねて成長

事業拡大に伴う業務量の増大が課題に
米どころとして知られる新潟県の中でも、古くから金属加工などのものづくり産業が盛んな三条市に本社を置く株式会社プラスワイズは、主力とする農業用品をはじめ、建築資材やアウトドア用品、包丁などの商品を幅広く国内外に販売するEC事業者だ。
トレンドの移り変わりが速いEC業界にあって、同社は2012年の創業以来、各社員に多くの権限を委ねてスピーディーに意思決定する方針を採り、急速に事業を拡大してきた。現在の社員数は約20人。自社サイトでの販売に加え、主要なECモールへの出店で取り扱うアイテム数は、約10万点にのぼる。
事業拡大に伴い、業務量の増大も課題となってきた中、同社は2020年初頭、会計顧問を依頼している地元税理士法人のコンサルティング部門「株式会社アセットデザイン研究所」の担当者から、業務効率化策としてRPAの活用提案を受けた。
BizRobo!を選んだ理由
自社をよく知る会計顧問から推薦を受ける

活用拡大しながらの長期運用に好適と判断
同社の実情に通じ、事業成長に伴走する会計顧問が推奨したRPAツールは、スモールスタートしやすいデスクトップ型ツールでありながら大規模運用への移行も容易な「BizRobo! mini」だった。
プラスワイズのIT担当として提案を受け、導入検討を担った浅川賢也氏は、情報系の大学を卒業後、自社専用システムの開発運用を務めてきた経歴の持ち主。同ツールの導入に傾いた理由を、こう振り返る。
「社内業務のRPA化で、導入費用を上回る生産性向上が見込めるのはすぐ分かりましたが、特にそれをノンプログラミングで実現できるのが魅力でした。担い手を限定しないので、共通の運用ルールさえ確立できれば、横展開や引き継ぎを交えた長期の安定運用も容易だと確信しました」
さまざまなテクノロジーの中でも、自社にとってRPAが有効と判断した浅川氏の報告を受けて、同社社長の中川勇太氏が導入を即決。ただちに準備が進められた。
対象業務
受注と発送通知に関わる作業をRPAに移行
対象業務の担当社員も開発運用に参加
「RPAは職を奪うものではなく、余力創出のための手段」と浅川氏が繰り返し説いた結果、IT担当の同氏に加え、ECの業務知識が豊富な社員2人もBizRobo!に関心を持って研修に参加。属人化を防ぎつつ、現場の事情に即したロボットを開発運用できる体制が整った。
導入決定から半年で実稼働に入り、当初から想定していた受注業務では、人の手に頼っていた確認・登録作業を順次RPAに移行。「仕入れルートが特殊な商品の受注を検出」「キャッシュレス決済」「割増送料がかかる離島からの受注に対応」など、処理件数が多いものを中心に約20項目をBizRobo!で置き換えた。
また、配送業者が割り当てる送り状番号を照合して出荷済み商品を特定する作業と、これをもとに購入者へ発送を通知する作業も、複数のECモールに対応した2パターンでロボットを実装し、一連の手順を自動処理している。

新規注文を確認する業務
導入効果
年間1,000時間相当の余力を創出

多頻度の確認を実現し、事業リスクを解消
BizRobo!で置き換えられた手作業は、現在年間1,000時間相当に達し、その9割近くを受注確認関連が占める。業務の最上流でボトルネックを生じさせていた受注確認の迅速化により、後工程がそろって前倒しされ、業務全体が円滑化。農業資材の発注が集中する春期の業務にも余裕が生まれたほか、単純作業から解放された社員が新たな企画などを考える時間を多く持てるようにもなった。
既存業務の効率化で余力を創出できただけでなく、出店先ECモールのガイドライン対応を強化できた点も、RPA導入の大きな効果だという。
特に「集荷から4時間以内に発送通知できないケースが一定割合以上の出店者はアカウントを停止する」ルールがあるECモールに関して、浅川氏らは専用のロボットを作成。出荷状況を1日数回自動チェックすることにより、販路の存続に関わるリスクを一掃した。