導入背景
コロナ禍を機に「DX戦略チーム」を発足
コロナ禍を機に、約120名の事務職員の在宅勤務を進めようと考えていた同院でしたが、院内でしか使えないシステムや紙の書類を多用していたため、なかなか実現できずにいました。その状況を打破すべく、2021年4月に事務各部門の代表者を集めた「DX戦略チーム」を院長の直轄で新設しました。同チームは、まず紙でのやりとりを減らすために業務の実態把握に努めました。事務作業の内容や時間、頻度を分析しながら、徐々にデジタル化を進めていきました。
例えば「議事録の稟議」を回覧板からWeb閲覧に切り替えたケースでは、1か月かかっていた決裁が1週間で完了するなどの大きな成果を上げられました。そこで、RPAの導入による、さらなる効率化の検討が始まりました。
BizRobo!を選んだ理由
業界内でRPAの知見を「共有できる体制」を評価
同院は、複数の事業者のRPAツールを比較検討して、医療機関への導入実績が多い「BizRobo!」の採用を決定しました。そして、2022年1月から3か月のトライアルを経て、同年4月から本格的に運用を開始しました。DX戦略チームのリーダー田中健一氏は、BizRobo!を選んだ理由をこう説明します。「医療界では、診療報酬の請求など業界特有の事務が多く、また勤務医の業務負担軽減といった経営課題も共通しています。そのため病院間の横のつながりを生かし、RPAの先行事例に学びながら進めることが肝要と考えていました。価格や機能面のほか『一般社団法人メディカルRPA協会』を通じて知見が共有できることや、近隣を含む医療機関での実績を評価し、BizRobo!の採用に至りました」

対象業務と導入効果
「症例の登録」や「メールの個別送信」にかかる時間を大幅に削減!
同院では、まずシステムエンジニアの島添敦氏が、eラーニングでツール操作を習得。オンラインサポートを利用しつつ、ロボットの試作を重ねていきました。
現在は、2種類のロボットが実務に活用されています。
1つ目は、症例の登録を自動化するロボットで、1回あたり120分かかっていた作業が30分に短縮しました。
2つ目は、メールの個別送信を自動化するロボットで、こちらは240分の手作業が5分にまで短縮しました。
「症例登録や、外部の医療機関の責任者宛てに会議のURLをメールで送る作業は、単純ですがミスの許されない作業です。実務担当者を作業から解放しただけでなく、精神衛生的にも大きな効果がありました」(新田氏)
今後は、紙帳票の記載をデータ化できるAI-OCRのソリューション「BizRobo! OCR with AI inside」を併用し、業者からの請求書に記載された価格をシステムに転記するロボットの導入も予定しています。