導入背景
「商品」と「情報」の要として価値創出を目指す

業務効率化に導入したRPAの長期的な運用体制に課題
300年超の歴史を誇り、直近では年商2兆円に迫る国内有数の酒類・食品卸売業として知られる国分グループ。
全国300を超える物流拠点を通じ、メーカー約1万社の商品を取引先約3万5,000社に供給する「モノ売り」の同グループには、商流の川上・川下双方から日々膨大な情報が集まる。
これらを総合して得られる知見をもとに、同グループは取引先の課題解決や付加価値創出につながる機能・企画といった「コト売り」ビジネスに重点を移す一方、グループの再編や基幹システムの刷新を柱とする「卸基盤再構築プロジェクト」を通じ、既存業務の標準化・効率化にも取り組んできた。
その一環として2017年からは、社外との接点が多いなどの理由でシステム化が難しい業務の効率化にRPAを導入。情報システム部門と業務部門がそれぞれ別のツールで社内開発を担い一定の成果を挙げたが、長期運用に向けては課題も残されていた。
BizRobo!を選んだ理由
RPAは「システム」ではなく「デジタルレイバー」

自社の方針に適したパートナーとツールに変更
国分グループ本社の情報システム部門と各地のグループ企業が異なるツールで開発運用を始め、いずれも導入費用以上の効果をもたらしたRPAは、社内に有用性が浸透した。一方で「現場の要望に応えるロボットの開発と保守を安定して続けるには至らず、経営陣から新たな体制づくりを求められました」と、普及を担う小林健人氏は振り返る。
向こう5年間の長期経営計画を策定中だった国分グループ本社は、RPAによる既存業務の改善を、同計画に基づくデジタル化施策と位置づけ、社内人材と外部企業の協業で取り組む方針に転換する。具体的には、RPAを「システム」ではなく「煩雑な事務を任せられる仮想労働者(デジタルレイバー)」と定義し、社内各部からの増員希望に応じる要領で活用拡大を図ることとし、こうした方針と流通業界に通じたパートナーとして、BizRobo!パートナーである株式会社ヴィンクスを選定。デジタルレイバー活用に適したRPAツールとしてヴィンクス社が推奨する「BizRobo!」に移行した。
対象業務
商流の川上と川下をつなぐ作業など24業務で導入
業務集約・標準化の成果を生かし迅速に横展開
2021年3月に国分グループで稼働を始めたBizRobo! は、全国7エリアへのグループ会社再編や新基幹システムへの移行過程で標準化されたタスクを中心に、まず24業務についてヴィンクス社開発のロボットを導入。拠点ごとに必要となるマスタ登録作業などでは、専用開発したロボットが積極的に横展開された。
商流の川上と川下をつなぐ業務に関しても、「商品に関する最新情報を反映させるため、小売業のウェブサイトが更新された際、掲載された商品のメーカー担当者にメールで通知する作業」や、「小売業が企画中のフェア情報を複数メーカーに通知後、協力するメーカーからの回答内容を集約して小売業に返信する作業」などで、順次ロボット化を進めている。
これらと同様、受発注や営業の担当者が目下手作業で取りまとめている情報は相当数にのぼる。そうした作業について小林氏は「RPAで確実に刈り取れる “宝の山”と捉えています」と話す。

社内基幹システムへのマスタ登録作業
導入効果
熟練者が月60時間かけていた作業をRPAに代替
「年18万時間相当のロボット化」が射程に

同グループは新たな開発運用体制のもと、既存業務と、従来手が回らなかった業務の双方でRPA活用を着実に進めている。
このうち「ECサイト運営企業から、商品販売代金の請求書として届くメール添付のPDFをもとに、基幹システム上でメーカー別の販売額登録とリベート処理を行う業務」では、従来ベテラン事務員が月60時間かけていた作業を、ほぼ完全な自動処理に移行させた。
一連の業務改革をリードしてきた、国分グループ本社サプライチェーン統括部部長の酒井宏高氏は「2023年末までに、少なくとも従業員100人分にあたる年間18万時間相当のリソースをデジタルレイバーで創出できれば」と見通しを語る。
小林氏ほか同グループのRPA推進担当者と、開発運用の実務を担うヴィンクス社のチームは週2回のミーティングで進捗と情報を共有しており、自社運用拡大に向けたノウハウの移転も進められている。