導入背景
組織再編・システム刷新に伴う間接業務増への対応策

ペーパーレス化で進めるワークスタイル改革を支えるテクノロジー
国内のリコー販売会社を統合して2010年7月に誕生したリコージャパン。新体制下では業務プロセス標準化と並行し、基幹システムの刷新を進めた。これに伴い、間接業務を集中処理する「業務センター」では過渡的な事務処理を担う場面が増えたため、同センターではPC上の定型作業を自動化する「BizRobo!」を2016年7月から導入。対象業務によっては最大9割近い工数削減を達成している。
ICTの活用を通じ、より柔軟で生産性の高い働き方を目指す「ワークスタイル変革」を提唱する同社は現在、自社の事務拠点でペーパーレス化・クラウド化に注力。会社保管の原本に拘束されない在宅勤務を拡大中だ。
ここで用いるクラウドサービスの独自開発に際して欠かせなかったのが、簡便な実装で高い信頼性が得られるデータ連携のソリューション。選ばれたのは、社内業務の効率化で確かな実績を重ねていたBizRobo!だった。
BizRobo!を選んだ理由
サーバ型ツール「BizRobo! Basic」の処理速度などを評価

導入拠点に専門チームが常駐する体制で実践的な運用を図る
2016年の導入時点で日本語環境に対応し、国内サポート体制を整える希少な存在だった「BizRobo!」を皮切りに、リコーグループでは現在、社内業務に複数のRPA製品を併用し、適材適所で使い分けている。
このうち、製品開発部門など専門性が高い領域でのロボット活用は、外部から業務を把握するのに時間がかかることから、部署内で開発運用を自己完結できるデスクトップ型RPAツールが優先的に採用されている。
一方、東日本エリアの事務を集中処理する神奈川県川崎市の業務センター内で用いるRPAツールは、集中的な管理統制に適し、処理速度でも有利なサーバ型の「BizRobo! Basic」に一本化。同センターに常駐し、実装とカスタマイズを担う専門チームにはエンジニアのほか、RPAを学んだ事務部門出身者も含む4人が参画。豊富な業務知識と、現場との密な情報交換をもとにロボット化を進めている。
対象業務
登録処理などで常時約100体が活躍、単発作業も多数

AI-OCRのクラウドサービスでは背後のデータ連携にも応用
現在業務センター内では、マスターデータの登録や顧客から申請されたデータ入力など、BizRobo!で実装された約100体のソフトウエアロボットが常時稼働している。
1回限りの事務処理に“使い切り”のロボットを投入するケースも少なくない。「人事異動発表後のマスターデータ更新」をはじめ「既存の取引データに対する販売体制変更の反映」「毎年変わる補助金の要件に該当する取引の抽出」など、事前準備が困難ながらも短期間で完了しなければならないタスク処理で、システム開発よりも手早く実装・実行できるBizRobo!が威力を発揮している。
さらにこうした実績を踏まえ、同社が提供するクラウド型の帳票認識ソリューション「RICOH Cloud OCRシリーズ」に今回更なる効率化をする為にBizRobo!を連携。
紙帳票のスキャン画像から、AI-OCRが特定した場所の文字認識結果をリコー独自の基幹システムへ登録させるバックグラウンドの工程をRPAで実現している。
導入効果
「余力創出」から「ワークスタイル変革」「顧客への貢献」へ

RPA導入から3年、ビジネスへのインパクトが重要指標に
業務センターで常時稼働中のロボットが創出したリソースは現在、手作業への換算で、およそ月間1,650時間相当に達している。
ただ一方「ロボット化による人的リソース創出」という定量効果の最大化を図っていた導入当初と比べ、現在はRPA活用に対する評価指標が変化しているという。
もともと間接部門の生産性向上策だったRPAが、自社で提供するAI-OCRサービスへの応用を通じ、収益部門に対する貢献を始めているのは、その象徴的な動きだ。
業務センターで進むペーパーレス化にもRPAが応用されているが、ここでも直接的な費用対効果と同等以上に、実際のメリットを顧客に伝える取り組みが重視されている。
「『在宅勤務で自由度が増した』『時間的・精神的な作業負担が減る』といった現場スタッフの生の声を、営業担当と共に広げていく活動にKPIを設定しています」(宮澤氏)