導入背景
「働き方改革」の具体的方策としてRPAに着目

オリックスとの提携強化を機に業務改革手法を共有
不動産の開発・管理・流通事業を展開する大京グループ。その中核であり、ライオンズマンションの分譲などを手がける株式会社大京は2005年以降、オリックス株式会社との資本提携を強化。現在は同社の子会社となっている。
オリックスグループは、沖縄に集約したバックオフィス部門で業務の可視化・標準化に長年取り組み、ルーチンワークをソフトウエアで代替するRPAの活用にも成功している。両グループの提携強化に伴い、こうした知見を共有する環境が整ったことから、大京グループでも急務となっていた働き方改革の具体的方策の1つとしてRPAの採用が決まった。
2017年4月、大京のグループ情報システム部に「RPAチーム」を新設。ツールの検討や、対象業務選定に向けたグループ各社へのヒアリングなどに着手した。
BizRobo!を選んだ理由
「導入実績」「集中管理への適性」「安定性」を評価
現場レベルで実装可能な操作性を確認して本格導入
同社が参考としたオリックスグループで採用されているBizRobo!は、集中管理に長けた「サーバ型」のRPAツールに分類される。
このため当初、大京グループの経営会議に示されたRPA導入計画は、グループ情報システム部がBizRobo!を管理し、各社向けのロボット作成も一手に担うものだった。
しかしここで経営陣から、業務知識が重要となるRPAを限られた人員で早期に普及させる観点から「現場でもロボットの作成をさせては」との意見があり、方針を転換。約半年の検証で、ITにそれほど詳しくない社員もBizRobo!でロボットが作成できると確認し、2018年1月から本格運用に入った。
「誰にとっても分かりやすい操作性」という点では他に優れた製品もあったというが、寺田氏は「BizRobo!は同じ動作を繰り返させたときの挙動や動作履歴の残し方などが安定的で、長期の運用に適していると判断しました」と語る。

対象業務
Web経由のデータ出入力などでロボット18体が稼働中
導入前に業務を可視化・簡素化。社内開発の時間も確保
14社に従業員約5,600人を擁する大京グループ内で、ロボット開発者を100人養成することを目標に掲げ、BizRobo!の操作に関する希望者対象の社内研修を実施。既に7社・27部署の71人がロボット作成のスキルを習得した。2019年3月現在、開発されたロボットのうち、備品管理や書類提出督促などの業務で18体が本稼働に入っている。
ブラウザを内蔵するBizRobo!の強みを生かし、Web経由で情報を出入力する作業を重点的にロボット化。グループ各社の本社機能のほか、全国の支店・営業所が行っている事務作業も集約してロボットに置き換えていく方針だ。
社内研修に際しては「RPAで効率化したい業務の内容をまず可視化して検証し、廃止や簡略化ができない部分をロボットで効率化する」と基本方針を周知。受講者の上長にも同席を求め、就業中にロボット作成の時間が確保できるよう協力を要請している。
導入効果
導入1年目から余力創出の効果が初期投資を上回る
ロボット1体だけで年間2,000時間以上の効率化も
グループで稼働中のロボットと、近く稼働を予定するロボットを合わせて、年間約4,700時間相当の人的リソース創出が見込まれている。
このうちマンション管理会社大手の大京アステージは、エレベーター点検や植栽の手入れなどを協力会社に依頼する際の連絡業務にBizRobo!を導入。連絡用帳票のPDFを社内システムからダウンロードしてメールに添付する作業と、同システム上の記録をもとにExcelマクロで作成するメール本文の転記作業を自動化した。全国の約7,000組合から受託する業務の効率化で、年間2,250時間相当の余力を創出したこのロボットだけでも、BizRobo!導入の初期費用が十分回収できる計算だという。
「ちょうど大京アステージでは、意欲的な担当者が業務の集約化を進めていたところでした。そこにRPAをうまく組み合わせ、短期間に大きな効果が得られました」(寺田氏)
