導入背景
グループ45社の生産性向上に向けたモデル構築

持株会社制への移行を機にした業務標準化の必要性
100年以上にわたり地盤とする愛知県東三河・静岡県遠州エリアのほか、宮城県から山口県までの21都府県・326拠点で45社が事業展開しているサーラグループ。都市ガス、LPガス、設備・土木、自動車販売、住宅販売など多角化した事業の経営効率向上を目的に、2016年7月にはグループ全体が持株会社制に移行した。
かねてグループ各社で進めてきたシステム化は、付随する作業の負担軽減が懸案で、さらに持株会社制への移行に伴ってグループ全体としての業務標準化も課題となった。
そこで働き方改革への社内的機運の高まりを追い風に、2016年からRPAを活用した業務改善の検討を開始。特に事業規模が大きい中部ガスとガステックサービスの2社が先行的に取り組んで運用モデルを構築した後、グループ各社に展開していく方針を固め、2017年9月にBizRobo!のテスト導入を開始した。
BizRobo!を選んだ理由
「既存システムとの相性」「多拠点対応」「導入事例の豊富さ」

重視する3つのポイントを満たした「BizRobo!」
両社によるRPAツールの選定では、特に「サーラグループで使用しているERPとの連携」「多拠点でのロボットの活用」「先行ユーザーとの情報交換」の3点が重視された。
検討過程においては一時、直感的な操作性に優れたデスクトップ型RPAツールも候補に上がっていた。もっとも、サーラグループ各社は本社や事業拠点が異なり、全国の営業拠点へのロボット導入も見込まれたことから、ロボットを稼働させるPCごとの個別管理を要するデスクトップ型を選んだ場合、運用負担が過大になるおそれがあった。
このため最終候補には、多拠点での運用を一元的に統制できるサーバ型のツールとして国内でいち早く普及し、幅広い業種のユーザーを持つBizRobo!が浮上。実稼働において連携が想定される主要なシステムとの適合性を確認した上で本格導入が決定した。
対象業務
約20業務をロボット化。「手が回らなかった」新規業務にも投入

グループ展開を見据え、共通環境での応用を先行させる
現在ロボット化している作業は「気象庁のWebサイトからLPガスの需要予測の資料となる気温データを取得」「リフォーム施工履歴をExcelから業務システムへ登録」「口座振替の結果をERPからリストで取得」「官公庁への届け出が必要な状況の有無を業務システム上で監視」など約20種類にのぼる。
ロボットは、既存の業務を置き換えるだけにとどまらず「営業支援ツールから担当者が入力した顧客企業情報をWebサイトの記載をもとに補完する」といった、従来人間の手が回らなかった作業についても活用されている。
ロボット化の対象業務の選定で特徴的なのは、WebやERPといったグループ共通で利用する環境への導入を優先している点だ。導入規模拡大の要所となるポイントにまず採り入れ、そろって適合性が確かめられたことにより、グループ全体への展開を現実的に検討できる段階に入っている。
導入効果
ロボット導入と波及効果により、年750時間以上の余力を創出

多拠点での一元的なロボット化が業務標準化を促す
現場からロボット化の要望が上がるたびに、あえてRPAを使わない選択も含め、その都度最適な手法を用いた業務の再構築が進められている。
ロボット化による直接的な業務時間の創出効果は、年間およそ750時間。業務そのものを見直したことに伴う効率化の実現も含めると、それ以上の効果が得られている。
このうち、夜間に処理された入金のリストを抽出するロボットは、管理統制が容易なBizRobo!の利点を生かし、ガス事業の営業拠点50カ所に一斉展開。ロボット活用のメリットを実感した社員から、新たな用途の提案も相次ぐ。
BizRobo!の多拠点展開が成功したことで、RPAの存在を多くの社員が認知しただけでなく、業務負荷を軽減できるという実感が広く共有されることとなった。また、各拠点が共通のロボットを採り入れることにより、全社的な業務標準化の進展も期待されている。