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業務過多とは、従業員の引き受けられる限度を超えている状況を指します。厚生労働省の定義では月100時間以上、もしくは2〜6ヶ月平均で月80時間を超えると過重労働として認定されるとあります(※1)。
また、一度業務過多の状況になると、ストレスや疲労から退職者が増え、人手不足の悪循環に陥るので注意が必要です。
そこで本記事は業務過多の原因と解決方法を解説します。すぐに導入できるおすすめツールも紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
業務過多とは?意味や定義を知ろう
業務過多とは、従業員のリソースに対して許容量を越える業務が課されている状態を指します。
厚生労働省によると、「時間外もしくは休日労働が月100時間を越える、または2〜6ヶ月以上連続で月80時間を越える場合は過重労働に該当する」と定義されています(※1)。
こうした過重労働は、まさに業務過多の状態といえます。
時間だけが業務過多の条件ではない
労働時間の長さだけが、業務過多の条件ではありません。以下のような場合も、従業員は「過重労働だ」と感じている可能性があります。
・休憩をとる暇がない
・急いで作業しないと仕事が終わらない
・忙しく業務の品質が保てない
・業務内容に給与が見合っていない
このように、残業時間が少なかったとしても精神的にゆとりがない場合、従業員は「業務過多だ」と感じているかもしれません。
業務過多が改善されない理由
業務過多はあらゆる業界、職種における課題です。その背景には、主に以下の理由があると考えられます。
1. 慢性的な人手不足
2. ストレスや疲労による社員の満足度低下
3. ミスが頻発し社内環境が悪化
4. 離職者の増加
人材不足に陥ると、従業員一人ひとりの負担が増えます。その結果、労働環境が悪化し、離職者が増える悪循環に。こうした負の連鎖が続いている企業は、少なくありません。
①慢性的な人手不足
帝国データバンクの資料によると、2024年時点で正社員不足を感じている企業は51.0%とあります。この数値は2018年の過去最高数値である53.9%に迫ります(※2)。
(※2)
非正規社員について人手不足だと感じている企業の割合も28.8%と、2020年頃から右肩上がりとなっています。
また業界別に見ると、最も人手不足感を抱いているのは圧倒的に「情報サービス業(71.9%)」です。エンジニアといった専門職は、特に人手不足が顕著となっています。
IT業界の人手不足については「IT業界の人手不足を解消|解決策とおすすめツール、成功事例を紹介」で詳しく解説しています。
②ストレスや疲労による社員の満足度低下
人手不足に陥ると、在籍している従業員の負担が大きくなります。一人あたりの業務量が増えるにつれ、従業員の疲労やストレスも増していき、エンゲージメントが下がるでしょう。
その結果、今まで高いパフォーマンスを発揮していた従業員までもが、成果を出せなくなっていきます。
③ミスが頻発し社内環境が悪化
業務過多になると作業品質が下がり、ミスやトラブルが起きやすくなります。するとミスやトラブルのフォローに時間を割かれ、より一層業務量が多くなるのです。
またミスやトラブルが頻発すると、職場の雰囲気も悪くなっていくでしょう。仲間のミスをカバーする余裕がなく、ピリピリした空気が漂うケースもあります。
④離職者の増加
業務過多が続き、職場環境が悪くなると離職者が増えます。場合によっては、うつ病といった病で働けなくなる従業員が出てくるかもしれません。
積極的に新卒を採用していても、こうした職場環境では短期離職者が多くなるでしょう。その結果、採用コストが回収できないばかりか、より人手不足になる悪循環に陥ります。
社員が個人レベルで業務過多になっている場合も
会社のリソースには余裕があるのに対し、社員が個人レベルで業務過多になっているケースもあります。その理由は、主に以下のとおりです。
・人からの頼み事を断れない
・抱えている業務の多さを周囲に理解されていない
・業務に慣れていない
・作業効率が悪い など
極端に残業が多い従業員がいたら、業務内容や時間配分を確認しましょう。人知れず、リソース以上の業務を抱えているかもしれません。
また、より効率の良い業務方法を教えることで改善できる可能性があります。
業務過多を放置するのは危険
業務過多の状態を放置するのは危険です。以下のとおり、あらゆるリスクがあります。
・人材が定着しない
・生産性が下がる
・業務改善をする余裕がない
・従業員の心身に悪影響を及ぼす
・会社としての評判が悪くなる など
最悪の場合、部署や会社そのものが立ち行かなくなってしまう可能性があります。「いつか営業成績が上がれば…」と考えて現場に過重労働を強いるのは間違いです。
パワハラで訴えられる場合も
業務過多の状態を放置すると、従業員からパワハラで訴えられるケースもあります。厚生労働省の資料によれば、「過大な要求(遂行不可能なことの要求)」はパワハラに該当する可能性があると記載されています(※3)。
なお都道府県労働局に対するパワハラの相談件数は、年々右肩上がりに増加しています(※4)。
(※4)
企業としては、こうしたトラブルの元はできるだけ回避したいところです。
今すぐできる業務過多の改善策
ここからは、今すぐに取り組める業務過多の改善策を解説します。人手不足を今すぐ解決するのは簡単ではありません。しかし、業務内容や取り組み方を工夫すれば、限られた人的リソースでも生産性の向上は可能です。
では、順番に紹介していきます。
1. 業務にかかる工数を洗い出す
2. 無駄な業務をそぎ落とす
3. 非効率な作業はフローを変える
4. ボトムアップで改善策を求める
5. チーム制で業務をこなす
業務効率化に成功した事例については、「業務効率化の成功事例!年間6,700時間軽減した事例も紹介」をご覧ください。
業務にかかる工数を洗い出す
まずは業務にかかる工数を洗い出しましょう。この作業を行うと、業務内容が可視化されるだけでなく、マニュアルを作って業務効率化するのにも役立ちます。
洗い出しのポイントは誰もが見て分かるよう、できるだけ詳細かつ具体的に行程を書き出すことです。
ExcelやGoogleスプレッドシートなどでフォーマットをあらかじめ作っておいても良いでしょう。そこに現場担当者が作業内容と所要時間を書き込む形にすると、効率的に業務の洗い出しができます。
同じ作業でも複数の担当者に業務を書き出してもらうと、取り組み方や所要時間の違いが見えてきます。
無駄な業務をそぎ落とす
次に、洗い出した中で無駄な業務があれば省略しましょう。たとえば以下のとおりです。
・会議の時間に時間制限を設け、あらかじめ議題を決めて時短する
・印刷物を減らし、スプレッドシートなどでオンライン共有する
・内部報告用の資料を減らす など
また前のステップで作成した複数人の作業工程表を比較し、最も効率よく作業できている人のフローを参考にする方法も有効です。
ただし工程をカットする際は、作業品質を落とさないよう慎重に検討しましょう。
非効率な作業はフローを変える
作業フローを変えることで、業務効率が上がる可能性があります。たとえば以下のとおりです。
・デジタルツールを導入する
・ショートカットキーやユーザー辞書機能を活用する
・Excelやスプレッドシートの関数やマクロを活用する
・メールや書類のテンプレートを用意しておく
・使用するツールを変える など
とくに事務作業や雑務の多くは、デジタルツールで劇的に時間短縮できます。限られた人員をしっかりとコア業務に回せるよう、人が行わなくても良い作業は積極的に機械化を進めることをおすすめします。
なお近年では、無料で使えるオフィス用ツールも多数あります。
ボトムアップで改善策を求める
現場から改善策のアイデアを吸い上げるのも有効です。優秀な人ほど「もっとこうだったら効率が良いのに」と考えている可能性があります。
またトップダウンの施策は現場に馴染まない可能性があるため、下から意見を吸い上げる方がかえって効率的です。また、意見の求め方は以下のとおりさまざまです。社風に合わせて施策を募りましょう。
・アンケートフォームで意見を募る
・チームミーティングで意見を募る
・個別のタスクとして意見を募る
・個別ミーティングで意見を募る など
チーム制で業務をこなす
個人ごとに業務品質やスピードの差が目立つ場合は、チームで分業体制にする対策も有効です。数人のチーム単位で業務に取り組めば、作業の均質化が期待できます。
またチームで動くことにより、様々な角度から業務効率化の意見が得られるでしょう。こうした相乗効果により、個々で作業するよりも生産性向上が期待できます。
個人でできる業務過多の改善策
特定の従業員だけが業務過多に陥っている場合、以下のような対応が必要です。
・対応しきれない業務にはNOと言う
・場合に応じて周囲を頼る
・仕事に見通しをつける
・タスクはメモする
・ミスが減るよう工夫する
・優先順位を付けて業務に当たる
・仕事の早い人を参考にする
・ショートカットキーやユーザー辞書など便利な機能を活用する など
業務過多に陥るのは、必ずしも仕事が遅い人とは限りません。優秀であるがゆえに仕事を任されすぎてしまうケースもあります。その場合、その人を頼りすぎず周囲が適度に仕事を巻き取ることも重要です。
一人に業務を偏らせすぎるといざ当人が離職したとき、現場に甚大なダメージが加わる可能性があります。リスク回避のためにも、メンバーの能力はできるだけ均質化するよう意識しましょう。
業務過多の改善に役立つITツール
ではここから、業務過多の改善に役立つITツールを紹介します。近年ではさまざまなツールがありますが、なかでも大幅な業務改善が期待できるツールは以下のとおりです。
ツール名 | 概要 |
---|---|
チャットツール | ・LINE感覚でメールより手軽にやり取りができるツール ・スタンプ機能や既読機能などを使えば、メールのようにかしこまった文章を逐一返信する手間が省ける ・コミュニケーションの活性化やこまめな報連相の徹底にも役立つ |
電子稟議システム | ・オンライン上で決裁が完結できるシステム ・稟議書作成や印刷の手間が省ける ・決裁者がどこにいても稟議を通せるため、時短にもつながる |
日程調整ツール | ・ミーティングや会議室の予約などをオンラインで行えるツール ・手打ちで日程候補を挙げたり、日程調整する手間が省ける |
経費精算システム | ・交通費や出張費など経費の精算を自動化するシステム ・手作業で計算したり、領収書を取りまとめたりする手間が省ける・計算ミスの心配もない |
オンラインミーティングツール | ・zoomをはじめとする、オンラインでミーティングできるツール ・会議室を確保したり、部屋を移動する手間が省ける ・在宅や出張中の人も参加できるため、予定調整のために業務が滞りにくい |
タスク管理ツール | ・個人のタスクを可視化し、管理するツール ・同じチーム内の人が持っているタスクを把握できるため、特定の人が業務過多に陥るのを防げる ・リマインド機能つきのものを使えば、タスク漏れによるトラベルも回避できる |
RPA | ・ロボットがあらゆる提携業務を自動化するツール ・ユーザーが自由にロボットを開発できるため、自社の業務やシステムに合った業務効率化が可能 ・ヒューマンエラーの発生もなくなる |
上記のツールの中には、無料で活用できるものも多くあります。
また、より詳しく業務効率化ツールを知りたい人は「業務効率化ツール!費用や選び方のポイントを徹底解説」をご覧ください。
チャットツール
チャットツールを使えば、より社内でのコミュニケーションを手軽にできます。メールでのやりとりでは、意外と文面を考えるのに時間がかかるもの。しかしこうしたチャットツールなら、リアクションスタンプ一つで「承知しました」の一文を伝えられます。
またグループチャットによく使う資料を貼り付けておけば、逐一メールで共有したり、フォルダを探したりする手間も省けます。コミュニケーションの活性化にもつながり、業務のシェアもしやすくなるはずです。
具体的なサービスは、以下のとおりです。無料お試し期間などを活用して、まずは使用感を確かめてみてください。
・Slack
・Chatwork
・Microsoft Teams
・LINE WORKS など
電子稟議システム
電子稟議システムは、オンラインで稟議書を回せるシステムです。「ワークフローシステム」と呼ばれることもあります。
稟議書が滞ると業務も進まず、仕事が溜まっていくことがしばしば。電子稟議システムを使えば、決裁者が在宅勤務でも出張中でも、決裁が滞りません。
またすべてオンラインで完結できるため、稟議書の作成や印刷の手間も省けます。具体的なサービスは以下のとおり。
・ジョブカン ワークフローシステム
・Create!Webフロー
・X-point Cloud
・バクラク申請
・コラボフロー など
サービスを選ぶ際は、「稟議経路の分岐ができるか」「アプリがあるか」「チャットツールとの連携ができるか」といった機能面をチェックしましょう。
日程調整ツール
日程調整ツールは従業員の日程を網羅し、自動的に候補日を挙げてくれるツールです。日程を決定したら、それぞれに通知やリマインドを送れるツールもあります。
こうした日程調整ツールを活用すれば、一人ひとりに予定を聞いて回る必要もありません。また日程のお知らせや、リマインドメールを送る手間も省けます。
会議や打ち合わせ、出張といった日程調整の機会が多い企業は、ぜひ導入を検討してみてください。具体的なサービスは、以下のとおりです。
・Timerex
・Nitte
・調整アポ
・RESERVA
日程調整ツールには、無料で使えるツールも数多くあります。また、会議室の予約に活用できるツールは以下のとおりです。
・VALTEC WEB予約システム
・りざぶ郎
経費精算システム
経費精算システムは、交通費や出張費などの経費を自動で計算できるツールです。営業事務や経理の業務過多に悩まされている企業には、特におすすめ。
紙面での経費申請書が必要なくなるだけでなく、手計算の手間も省けます。また入力一つで自動計算できるため、計算ミスの懸念もなくなるのが魅力です。
具体的なサービスには、以下のようなものがあります。
・楽楽精算
・conqur Expence
・マネーフォワード クラウド経費
・HRMOS経費
・rakumo ケイヒ
オンラインミーティングツール
オンラインミーティングツールには、以下のようなサービスがあります。
・Zoom
・Microsoft Teams
・Google ハングアウト
・Skype Meet Now
無料で使えるサービスも多く、デジタル化の進んでいない企業は積極的に取り入れていきたいツールの1つです。どこでも手軽にミーティングできるため、会議室の予約や部屋の移動といった手間が省けます。
さらに、在宅勤務の人や出張中の人ともミーティングできるため、予定調整のために業務が滞ることもありません。オンラインで手軽にミーティングすればコミュニケーションも活性化し、業務量の偏りも起きにくくなるでしょう。
タスク管理ツール
タスク管理ツールは、従業員それぞれが抱えている業務を可視化します。具体的なサービスは以下のとおりです。
・Trello
・Wrike
・Asana
・Notion など
業務が可視化されることで、ブラックボックス化した業務内容に透明性を持たせることができます。業務の進みが遅い従業員に対する教育も行いやすくなるでしょう。
また業務が重くなりすぎている従業員を見つけやすくなるのも、タスク管理ツールの魅力です。
なおChatworkといったチャットツールには、タスク機能がついています。こうした他のツールに付属したタスク機能を活用すれば、新しいツールを導入する必要もありません。
RPA
RPAとは、「ロボティック・オートメーション・プロセス」の略称です。ロボットがプログラミングに従い、指定の業務を自動でこなします。
なおロボットは自社で自由に開発が可能。そのため、幅広い業務を完全に自動化できるのが魅力です。具体的なサービスは、以下のとおりです。
・BizRobo!
・UiPath
・ロボパット など
なかでもBizRobo!はプログラミングの知識がなくても、直感的にロボットを開発できるのが特長です。そのため、デジタル化があまり進んでいない企業にもおすすめ。さらに、1つのライセンスを契約すれば無制限にロボットを増やせる点も魅力です。
業務過多の改善にはBizRrobo!がおすすめ
BizRobo!は、業務過多の改善に役立つRPAツールです。定型業務を中心に、幅広い業務をロボットが自動化します。煩雑な事務作業や定例業務に追われている従業員が多い場合は、導入で大幅な業務効率化が期待できるでしょう。
ここからは実際にBizRobo!を導入し、業務過多から脱した企業の事例を紹介します。
経理・事務職で4万時間分の余剰時間を創出
こちらの企業では保険料の清算状況を確認し、本社の経理部へ報告書を送付する業務がありました。そして本社では報告書を確認し所定の金額を消込する作業を行っていたそうです。
そこで清算状況の一次チェックと、本社側での確認・消込作業をBizRobo!で自動化しました。これによりごく一部の例外的な処理以外はロボットがこなすようになり、年間4万時間もの余剰時間を創出。
またBizRobo!の導入をきっかけに報告書の形式も紙からExcelへと変わり、業務フローの見直しのきっかけにもなりました。
50体以上のロボットで毎月360時間を創出
こちらの運送会社では各トラック運転手が入力した発車時刻を担当者が集計し、上司へ報告していました。そこでこの作業をBizRobo!で完全自動化。
徐々にロボットを増やし、最終的に50台のロボットを同時稼働させることで、毎月360時間もの余剰時間創出に成功しました。担当者が時間に追われながら同じ作業を繰り返す必要がなくなったのも、大きな導入効果といえます。
単調な作業から解放され担当者のエンゲージメント向上
こちらの企業では、担当者が収支データをシステムから抽出し、エクセルファイルに貼り付けて対象者に送付する作業がありました。この一連の業務をBizRobo!で自動化したところ、年間130時間の余剰時間の創出に成功したそうです。
また担当者は単純作業のストレスからも解放され、心理的にも良い効果が得られました。さらに今までたびたび生じていた資料の添付ミス等もなくなり、業務の品質も向上したそうです。
BizRobo!で業務過多から抜け出そう
業務過多の状況を放置すると、離職率が上がり人手不足から抜け出せない悪循環に陥ります。とはいえ、すぐに人材採用をできない状況の場合は、RPAをはじめとするツールの活用がおすすめです。
BizRobo!は、ITの知識がなくても簡単にロボットを開発できるRPAツールです。ExcelやWordといったMicrosoft系のツールとの連携はもちろん、幅広いツールと連携し業務を自動化できます。
また導入後は365日体制で専任スタッフが運用をサポートします。無料お試し期間もあるため、ぜひ操作感をお試しください。
【参考】
※1 長時間労働をなくし、生産性を向上させている企業がある!を加工して作成
※2 人手不足に対する企業の動向調査(2024年7月)を加工して作成
※3 職場におけるハラスメント関係指針を加工して作成
※4 ハラスメントに関する施策及び現状を加工して作成