2024年6月、RPAテクノロジーズ株式会社は、会社統合の上、オープン株式会社へ社名を変更予定です。
 
 
 

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【セミナーレポート】ITシステム未経験から、年7000万円分の業務改革を実現!不動産営業が語る、RPA活用成功事例

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「日常的な定型業務は自動化していきたい、でも”RPA”と聞くとちょっと難しそうな気がする…」

そう考えている方は、決して少なくないのではないでしょうか。未経験だと開発できなさそう、導入後の具体的なイメージが描けないなどの不安を抱えている方もいらっしゃるかと思います。今回は、先日開催しましたセミナー「賃貸物件問合せ4倍に!ITシステム経験0から年7000万円分の業務改革を実現した不動産営業が語るRPA活用成功事例をご紹介」のレポートを通じて、ITシステム未経験の状態からどのように業務改革を実現したのか、成功事例をご紹介いたします。

今回のセミナーに登壇した株式会社ユニホーのRPA推進担当、鈴木誠也さんは元バーテンダー。その後、不動産営業に転身し、ITシステム未経験の状態から年7000万円分の業務改革を実現しました。RPA導入を成功に導いた方法、そしてどのように新しいツールを社内に浸透させていったのかをお伝えしていきます。

ライター紹介:

長澤 史佳(ながさわ ふみか)
大学在学中に「ハフポスト日本版」および「Forbes JAPAN」でインターンとして記事執筆・編集・取材・翻訳などを経験後、2020年に新卒で株式会社PR TIMESへ入社し、PRプランナーとしてコスメブランドや食品メーカーなどを担当。2022年よりRPAテクノロジーズ株式会社に入社し、コンテンツ企画、広報を手掛ける。

賃貸物件のお問い合わせを”4倍”にしたロボット

物件のステータス管理にRPAを導入

愛知県名古屋市に本社を置き、住空間の創造に関わる総合事業を展開する株式会社ユニホー。2017年から2021年までの間に、賃貸物件のお問い合わせが4倍に増加したとのことです。その背景にあるのは、10倍に増やした広告出稿と物件のステータス管理です。

広告を10倍に増やしたら、お問い合わせが増加するのは当然、と考える方もいると思います。ただ、お問い合わせがあったとしても該当の物件が空いていなかった場合、その後の成約にはつながりません。そのため、株式会社ユニホーが大切にしていたのが「有効反響数」です。

単純に広告を増やすだけではなく、RPAで物件のステータスを管理し、その後の成約につなげられる物件を出すことを大切にしていました。RPAを活用して常にフレッシュな物件を広告に出すことで、物件が空いていないことが理由で従業員が怒られたり、おとり広告になったりするリスクも減っています。

この時に実行したRPAの内容は主に3点です。これらをロボットが行うことで、アポイント率を上げることができました。

  • 1 物元からの仕入れ:物元からの空き部屋・家賃・設備の情報などを自動的に自社コンバートシステムに取り込み、広告を出稿
  • 2 掲載分析:閲覧や問い合わせの数、競合の掲載状況などから自社で基準を作成し、一定の期待値を下回ったら掲載オフ通知を送付
  • 3 顧客対応:顧客への一次対応を自動化。顧客スコアリングによる追客推奨通知
実行したRPAの主な内容

不動産業界とRPAの相性

不動産業界とRPAはミスマッチ」と言われることもありますが、株式会社ユニホーの鈴木さんはRPA導入を進める中で、業界としての相性はすごく良いと感じたそうです。

不動産業はメーカーや小売業と違い、物を仕入れて手元に置き、店頭でお客様へ売るということを基本的にはしていません。実際に物件を手元に置くことはできないので、情報をベースにお客様にご紹介していきます。その観点で考えると「情報流通業」となるので、RPAが活躍するフィールドは大きくなります。

また、不動産業界は人が活躍する一方で、どうしても属人化してしまいがちです。休日でも電話がかかってきたり、場合によっては出勤せざるを得なかったりと、属人化による弊害を業界全体で抱えています。より効率的に働くことを求められているので、そこでRPAを導入し、改善していく余地は大きく残されています。

相性が良い理由

株式会社ユニホーでのRPA推進方法

ここからは、株式会社ユニホーがどのようなプロセスでRPA活用に取り組んでいったかをご紹介します。

まずは、Excelでの業務を徹底的にRPA化することに努めました。不動産業界はいまだにデジタル化されていないものも多い一方で、Excelで管理する文化は定着しています。最初にここをしっかりとRPA化した上で、階段を上るように次のステップに進んでいきました。

次に、新しいWebシステムを使用し、従来は紙で行っていた申し込みをWebに移行しました。新システムと既存システムの連携部分をロボットに任せることで新システムの導入を促進することができたので、この時はRPAが架け橋になってくれた感覚だったとのことです。

「不動産業界とRPAはミスマッチ」と言われることもあるのは、不動産業界の仕組みが理由なのではなく、仕事のやり方に理由があるのではないか、と株式会社ユニホーの鈴木さんは考えています。いまだに根強く残る紙とFAX文化からRPAに移行しようとする場合、業務プロセスを変える必要が出てきます。その時に業務プロセスを大きく変えすぎてしまうと、人にかかる負荷が大きくなってしまい、人がシステムについていけないというねじれた状態になってしまいます。そのため、段階をひとつずつ踏み、徐々に変化をもたらしていく。そのようにして、株式会社ユニホーではRPAを社内に浸透させていきました。

株式会社ユニホーでのRPA推進方法

不動産業界でRPA導入を進めるポイント

RPAの棲み分け

株式会社ユニホーでRPAを推進してきた鈴木さんは、RPAには3種類の属性があると考えているとのことです。

1種類目はタスク系で、単純作業をどんどんとこなして時間を作り出すRPAです。物件のステータス管理はタスク系に該当します。

2種類目は、秘書系。従業員が気づいていないことを気づかせたり、アラートしたりする役割です。データベースからやらなければいけないことを洗い出し、人が着手するきっかけを提供します。

3種類目はシステム緩衝系で、新システム導入のハードルを下げるRPAです。システム同士で完全に互換性がある場合は少ないので、そこをつなげる役割としてRPAを使用するのもおすすめです。

僕が考えるRPAの凄み分け

株式会社ユニホーではタスク系・秘書系・システム緩衝系のRPAを活用することで、人件費に換算すると年7000万円分の業務改革を実現することができました。

RPA導入をどう説得し、どう定着させるか

RPAを導入しようとする時、どうしても「AI」「人事労務管理システム」などと比較するとまだ知名度が高くないため、まずはしっかり説明することが重要となります。株式会社ユニホーの鈴木さんは役員に対して「RPAは絶対に辞めなくてミスをしない」と説明し、導入に結び付けたとのことです。「RPAは体力無限の新入社員」と捉えていただくと、とてもわかりやすくなります。

RPAは体力無限の新入社員

また、RPAは導入した後の定着の取り組みも大切です。導入しただけで自動的に成果が出るわけではないため、まずは存在感を出して理解してもらえるような活動をしました。特に秘書系のロボットは現場社員にリマインドすることになるので、存在感を感じてもらうことにつながりました。

そして、RPA開発ができる仲間を増やすことにも注力しました。週2で勉強会を開いたり、外部の方から説明会を開いてもらったりと、時間とお金をかけて実施しています。ロボット開発をするためには業務の棚卸しをしていく必要があるので、そこに重点を置いて教育の場を増やしていきました。

導入・定着の取り組み

この記事のまとめ

  • ・ 株式会社ユニホーでは、広告出稿数を増やしながら物件のステータス管理をRPAで行ったところ、4年間でお問い合わせ数が4倍に
  • ・ 不動産業界は紙とFAX文化が根強く残っている上に、業務が属人化して人の負担が大きい状態。そこで業務をロボットに任せることで、より効率的に業務を進めることができる
  • ・ ただし、RPA推進は一歩一歩進めていくことが重要。業務プロセスの大幅な変化で逆に人への負荷が大きくならないように進めていく

セミナー完全版につきましては、ぜひ下記からオンデマンド配信をお申し込みください。より詳細な説明に加えて、質疑応答などもご視聴いただけます。

 

 

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また、今後もWebセミナーやすでに実施したセミナーのアーカイブ配信もご用意しております。ご不明点やRPAについてご相談がありましたら、お気軽にお問い合わせください。

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