BizRobo! ブログRPA関連のお役立ち情報をお届けします
近年、インターネットの浸透や新型コロナウイルス感染拡大により、大きな変化に直面している小売業界。消費者ニーズに応えるため、リアルタイムでの在庫管理や需要に合わせた発注が求められていますが、すべてのニーズに対応しようとすると業務が増えてしまい、従業員の負担が大きくなってしまいます。
そのような時、人間の代わりとなる業務自動化を進められるのが「RPA(ロボティックス・プロセス・オートメーション)」です。人間がパソコンで日常的に行っている業務フローを覚えさせることで同じように業務を遂行してくれるRPAは、パソコンの中で働く社員「デジタルレイバー」とも呼ばれています。
今回は、先日実施した「EC・小売業界事例紹介セミナー」のレポートを通じ、EC・小売業界でのRPA活用事例などをお届けいたします。株式会社TACTが提供するAI電話自動応答サービス「AIコンシェルジュ」についてもご紹介しますので、RPA導入を検討されている方や電話業務に悩まれている方はぜひご一読ください。
ライター紹介:
- 長澤 史佳(ながさわ ふみか)
- 大学在学中に「ハフポスト日本版」および「Forbes JAPAN」でインターンとして記事執筆・編集・取材・翻訳などを経験後、2020年に新卒で株式会社PR TIMESへ入社し、PRプランナーとしてコスメブランドや食品メーカーなどを担当。2022年よりRPAテクノロジーズ株式会社に入社し、コンテンツ企画、広報を手掛ける。
セミナー登壇者紹介
RPAテクノロジーズ株式会社
LX Division九州エリア責任者
武市 未来氏
株式会社TACT
AIソリューション事業部AIコンシェルジュGr. マネージャー
鈴木 慶介氏
EC・小売業界でのRPA活用方法
競合店の価格情報を集計・出力する業務
EC・小売業界でのRPA活用方法としてまずご紹介するのは、競合店の価格情報を集計・出力する業務です。ロボットが競合店のWebサイトから価格データを集め、そのデータを商品企画会議などで使用することができます。
競合店の価格を集計する以外にも、例えば福岡で鍋のスープを販売している企業では、売上データとその日の天気のデータを照らし合わせ、相関性があるかを調べているそうです。人だけではなかなか手が行き届かない部分をロボットに任せることで、より踏み込んだデータ分析ができるようになります。
納品時の受領証明書をサプライヤー別にメール送付する業務
納品時の受領証明書をメール送付する業務は、現場の負担となっている業務のひとつといえるでしょう。従来は受領証明書を紙で印刷し、それをサプライヤーごとに郵送していた業務も、RPA導入後は紙からPDFに変更し、メール送付はロボットに任せることが可能です。紙で印刷したり、封筒に入れたりとかなり時間と工数を要していたものが、とある現場では年間16,000時間の余剰時間創出につながったとのことです。
在庫の変動を複数サイトに反映する業務
従来は人が在庫を確認し、手作業でECサイトに反映させる必要があった業務もロボットに任せられます。ロボットがECサイトの販売管理画面から売上情報を転記し、それをリアルタイムで反映。人の手ではすぐに反映できなかったものがリアルタイムで更新されることで、売り上げの機会損失がなくなりました。
商品の納期見通しを通知する業務
商品の納期見通しの通知もロボットに任せられる業務です。受注管理システムから納期データを抽出し、転記したデータを基にロボットがメールを送信します。とある現場では、年間200時間程度の余剰時間を創出するほか、入力ミスや回答への催促もなくなり、スピーディーに対応できるようになったとのことです。
AI-OCRサービス「BizRobo! OCR with AI inside」のご紹介
現状、RPAは「紙をデータ化する」ことには特化していません。紙をデータ化したい場合は「AI-OCR」を使用でき、弊社では「BizRobo! OCR with AI inside」というサービスを提供しています。
小売業界では、どうしても紙帳票で対応が必要になるシーンがいくつかあるかと思います。例えば、お客様アンケートやキャンペーン応募書類、チェック表や領収書の控えなどが挙げられます。「BizRobo! OCR with AI inside」を使用することで手間のかかる転記作業から解放され、さらにRPAと組み合わせることで紙のデータ化からシステム投入までを自動化することができます。
情報入力プラットフォーム「BizRobo! Paper-free」のご紹介
また、弊社では書類データ化プラットフォーム「BizRobo! Paper-free」もご用意しております。紙帳票で使っていたものを電子ペーパーとしてタブレットに表示し、そこに手書き入力すると電子データ化されるサービスです。即時にクラウド上にデータがアップロードされるので、PDFで印刷したり、csvでシステム連携につなげたりすることが可能です。
電話業務をAIが自動応答するサービス「AIコンシェルジュ」のご紹介
電話業務における様々な課題
- ・運営、管理側からの視点
- 人件費の高さ、採用難、離職率の高さ、災害や感染症などのリスク対策
- ・オペレーター側からの視点
- 同じような問い合わせに繰り返し対応している、入力作業に時間がかかってしまう
- ・エンドユーザーからの視点
- 夜間や休日にも問い合わせたい、営業時間もなかなかつながらない
電話業務をAIにより自動化することにより、上記の課題を解決へ導くことが可能です。
「AIコンシェルジュ」とは
株式会社TACTが提供する「AIコンシェルジュ」は、人の代わりに電話を取る・かける自動化ツールです。定型的なお問い合わせを自動化し、電話業務の効率化と有人対応コストの削減を実現します。
「AIコンシェルジュ」の仕組みは、まずは音声認識エンジンを使用してお客様の声を文字に変換します。その後、あらかじめ学習しているデータを基にお客様の意図を解釈し、回答を導き出します。最後に回答を音に変換し、電話口でお客様に回答します。
「AIコンシェルジュ」の導入・活用事例
「AIコンシェルジュ」は2016年9月のサービス提供開始以降、様々な業界・業種で導入いただいています。今回は、EC・小売業界での活用事例をいくつかピックアップしてご紹介します。
- ・株式会社ニッセンさまの例
- 導入前:
- ・決算方法が多岐に渡っていたため、1通話あたりの通話秒数が長かった
- ・電話窓口は21時まで、時間外はウェブでの手続きが必要
- ・返品受付業務へのコストがかかっていた
- 導入後:
- ・電話注文自動化により、平均通話時間が20%減
- ・一問一答かつシンプルな対話設計にしたことで、音声認識率は96%
- ・人が対応すべき内容へのリソース最適化をサポートし、返品受付の自動化70%
- ・生活協同組合さまの例
- 導入前:
- ・有人だと繁閑に応じて柔軟に対応できない
- ・締め切り間際に電話が集中してしまい、取り切れない
- ・音声品質やプッシュ操作(自動音声応答システム)に不満があり、途中切断が多い
- 導入後:
- ・24時間受注対応ができるため、応答率99.6%に
- ・有人オペレーターと対等レベルの音声認識で、音声認識率95.2%
- ・学習データ、エラー改善を繰り返すことで注文完了率180%(旧自動音声応答システム比)
- ・プレミアムウォーター株式会社さまの例
- 導入前:
- ・お水の配達時、不在により配達が完了しないケースが発生
- ・未受け取りユーザーのフォローアップに手が回らない
- 導入後:
- ・従来、リストの後処理に時間がかかっていたものが自動化されてゼロに
- ・折り返し受付の対応が可能となったため、24時間折り返しOKに
- ・発信から希望受け取り日時までを自動化し、配達完了率5ptアップ
「BizRobo!」と「AIコンシェルジュ」を連携するメリット
- ロボットだけでは難しい顧客とのコミュニケーションが可能なため、電話対応を含めた幅広い業務の自動化が実現
- 業務効率化だけではなく、よりセールに近い売り上げに直結する業務を自動化できる
- API連携と比較して、安価に導入が可能で業務フローの変更や抽出条件変更等に柔軟に対応することができる
この記事のまとめ
- 小売業界の現場で負担となっているような業務は、RPA導入によって自動化が可能
- 「BizRobo! OCR with AI inside」、「BizRobo! Paper-free」などのツールと組み合わせることにより、多岐に渡る業務で効率化できる
- 様々な課題を抱えている電話注文業務は「AIコンシェルジュ」で負担を減らすことができる
セミナー完全版につきましては、ぜひ下記からオンデマンド配信をお申し込みください。より詳細な説明に加えて、質疑応答などもご視聴いただけます。
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また、今後もWebセミナーやすでに実施したセミナーのアーカイブ配信もご用意しております。ご不明点やRPAについてご相談がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
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