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2023年1月20日に開催された本ワークショップは、DX人材として活躍をしていただくために必要な業務DXの考え方を知っていただくため、参加者の皆様に業務フローの可視化するワークに取り組んでいただきました。
本記事では、ワークショップ内でのレクチャーパートでご紹介をした、業務フローの可視化について一部抜粋の上ご紹介いたします。
DXの目的とその種類
昨今、DX推進への意識がどんどん高まりを見せています。いわゆる「デジタル・トランスフォーメーション」の定義は様々ありますが、弊社では「デジタル技術を活用してビジネスモデルや企業構造を継続的に変革すること」と定義しています。
DXの目的の一つとして、社員1人あたりの生産性の向上が挙げられます。労働人口の減少に伴い、2030年には人手が約644万に不足するというデータもあります。業界によっては既に人手不足が深刻化しており、解決策としてデジタル技術の導入が不可欠と言われている訳です。
そして、コロナ禍におけるテレワーク化や、オンライン会議の普及を通じ、企業のデジタル化が急速に進みました。また、2021年にデジタル庁が発足し、デジタル主導の組織への変革意識がさらに加速したこともDXの必要性に多くの人たちが気づき始めたきっかけです。
弊社が定義しているDXは大きく2つに分類されます。
ひとつが「ビジネスモデルDX」です。デジタル技術によってビジネスモデルを変革して、それが今までの事業に付加価値を生んでいくというDXです。
もうひとつが「業務プロセスDX」です。デジタル技術を用いて組織や業務の構造を変革して新たな付加価値を創出する基盤を整備するためのDXです。本日のワークショップでは、この「業務プロセスDX」をご体験いただきます。
業務プロセスDXは、「業務の負荷を下げて、(他の業務やより付加価値の高い業務をするための)時間と労力を確保する」、「デジタルによる正確なチェックで品質を向上していく」、「不正を防止する」「処理スピードがアップ」などの効果が期待されています。
業務プロセスDXのフロー作成ステップ
業務プロセスDXには大きく「①目的・クリティカルパス検討」、「②課題の洗い出し」、「解決策検討・To-Be業務フロー作成」の、3つのステップがあります。業務を効果的に改善するためには、現状の業務を正しく可視化した業務フロー図を作成し、現状の業務を整理することが重要です。
業務フロー作成作業では、はじめに業務プロセスを文章化します。業務における1タスクにおいて、誰が何をどんな目的で実行をしたのかを明確にするため「SVOフレームワーク」と呼ばれるフレームワークを活用することで可視化に際しての抜け漏れを防ぐことが可能です。
「SVOフレームワーク」では、5W1Hに注意して、能動態の言い切り表現にすることがポイントです。ここで業務プロセスを具体的かつ明確に記載することで、誰もが理解しやすいフロー図を作成することが可能です。
次に業務フローの作成ステップへ以降します。SVOフレームワークに当てはめた人物やシステムを縦軸に記載し、実行する作業にアイコンを各レーンに当てはめ書き出します。人とツールを区分することによって、手動による作業か自動での作業かがわかりやすく可視化されます。
ここまでの一連の作業は、難しく捉えられがちですがそもそも業務フローとは「インプットを加工し、アウトプットする作業の連続」を指します。業務とはインプットをもとに、何かしらの加工が行われたた後にアウトプットされるというバトンリレーの繰り返しです。
独立したタスクではなくどのような指示があって作業を実施したのか、そこで得た成果物をどう次のプロセスで扱うか。これらをクリアにすることで、わかりやすいフロー図を作成することが可能です。
実際に業務フローを作成する上で留意すべき「例外処理」について解説します。
図にあるように、業務時間の8割ほどが「普通の処理」であるにもかかわらず、人間の頭の中では「例外処理」というのが非常に印象に残りやすい傾向にあります。業務フローを作成する際にも同様で、たった2割の「例外処理」に目が行きがちです。
業務フローを作成する際は日々の業務時間の大部分を占める絶対にやらなければいけない処理を考えなければいけません。
レクチャー2:課題の洗い出しとTo-Be業務フローの作成
作成した業務フローから網羅的に課題を抽出する
業務フローの可視化の次のステップとして、業務のあるべき姿の検討を実施します。理想と現実のギャップを明確にし、その差を埋めるために課題を漏れがないように洗い出します。
例えば、目的不明な業務はないか?必要性を感じないまま慣習で承認や確認を行っていないか?同じ情報を同じ観点で複数回チェックしていないか?などの観点から必要な業務を精査します。
課題を洗い出す際には、単なる事実の記載ではなく現状の業務プロセスにどう障壁が生じるかを考えることが重要です。例えば、「紙を使うアナログ作業」という事実の記載ではなく、「紙を使っていることによって記載ミスや誤認識が発生する」「複数回のやり取りが発生していることで発注がスムーズに行われない」といった問題点を列挙することで改善後の効果が明確になります。
解決策の検討と目的実現のためのポイント
解決策を考えるためのファーストステップとして、洗い出した課題に対して本当に必要な作業なのかを検討した上で改善策を立てます。そこから抽出された課題をデジタルツールで改善できないか・不要な作業の省略やルール変更ができないかを検討します。
改善策を検討する際には単に新規のデジタルツールの導入検討だけではなく、既存システムのフロー改善が必要か、リプレイスが必要かといった検討も併せて必要です。
解決策の検討を終えると、いよいよ業務プロセスDXにおいての最後のステップ、解決策を導入した際のTo-Be業務フローの作成です。ここでは、前段で検討した業務の目的が実現可能なTo-Beか、どのような効果が期待できるか検討が必要です。その後、解決策が実現可能であるか、コストと効果の議論をしていく段階に入ります。
ここまでが業務プロセスDXの一連のプロセスです。日々新しいツールやサービスが出てくる中で、情報へのアンテナを常に張ることが重要です。今後DX推進担当になる方もそうでない方も、デジタルおよび周辺情報に対して高い関心を持ち、積極的に活用いただければと思います。活用にお悩みの際にはパートナーとして弊社がご支援できますと幸いです。
DX人材育成支援サービス「DXpass」のご紹介
DX人材の育成支援サービスであるDXpassは、適正診断から実際の業務の可視化〜効率化までを弊社のコンサルタントがご支援する伴走支援までの4つのプログラムで成り立っています。
これらのサービスをフル活用いただくことにより、社内のDX推進リーダーとなる人材の発見・育成が可能です。
コンサルタントによる伴走支援とは
業務の可視化から改善まで、大きく2つの構成から成り立っています。
ひとつが研修準備フェーズです。各社が抱える課題をヒアリングし、解決向けた研修やご支援内容を検討・実施いたします。本フェーズでは、パッケージになったプログラムはございません。お伺いした課題をもとに、オリジナルの研修プランを作成・提供する実務直結型の伴走支援です。
次にご用意をしているのが研修実行フェーズです。グループワークで実際に課題の解決策を講じていただくオリジナルのプログラムをご提供しています。ワークショップ実施以降も、受講者様に対して個別面談やメールでのフォローを継続し、DX人材に必要な実務を網羅的に身につけていただきます。
トライアルプランのお申し込み・お知らせ
本記事でご紹介したサービスの一部をご体験いただけるトライアルプランをご用意しています。下記のリンクよりお申込みください。
また、RPAテクノロジーズ株式会社では、定期的にセミナーや各種ワークショップを開催しております。ご関心をお持ちいただけるテーマのプログラムがございましたらぜひご参加ください。
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