BizRobo! Basic

高知県高知市

現場主導の導入へ。
現場職員と共に進める行政事務へのRPA活用

Highlight

  • 異動の多い職場にも適したBizRobo!をDX施策の柱に
  • 現場職員とDX推進課の協働で開発内製を推進
  • デジタル化を機に業務そのものを大胆に最適化

高知県の高知市役所は2020年、DX(デジタルトランスフォーメーション)の一環として、パソコン上の定型作業を自動実行するRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)のツール「BizRobo!」を導入。現在15課の28業務で活用している。トップ主導でいち早く採用し、成果を挙げてきた実績から、RPAは現場主導型のDXを定着させる施策においても柱の一つに位置づけられている。具体的には、2024年新設の「DX推進課」が、ロボット化の対象選定や職員開発、他部署への横展開などを推進。RPAの活用検討を機に、業務そのものが大幅に合理化されるなど、自動処理にとどまらない効率化も達成しつつある。今後は庁内DXを支える職員の育成も検討していく方針だ。

導入背景部署数を上回る、全庁173名のDX推進員が誕生

高知県高知市

RPA活用が、現場主導のデジタル化の主要施策に

高知県の県庁所在地である高知市は、人口およそ31万人。職員約4, 500人が従事する市役所では2024年度、庁内DXを加速化させるため「DX推進課」を新設。庁内業務の効率化に、現場がより主体的に参画する試みを進めている。IT部門である情報政策課が導入した2020年以降、コロナ関連の事務処理などで成果を挙げてきたRPAのさらなる活用推進は、そうした試みの柱と位置づけられた。
 DX推進課の発足に伴い、庁内の112課からそれぞれ職員1人以上の就任を呼びかけた「DX推進員」は、若手中心に173名を数えている。同課の課長補佐である柳原 由紀子氏は、現況をこう説明する。
 「担当職員全員がDX推進員に手を挙げた部署もありました。現状に対する庁内の課題意識や、変化を歓迎する雰囲気の高まりを感じています」

BizRobo!を
選んだ理由
段階的に増強可能なライセンス体系を評価

高知県高知市

異動の多い職場で「後任も使いやすい」点を好感

プロポーザル方式の募集に応じた2社双方が導入支援を提案したRPAツールだったことや、利用状況に応じて増強できる柔軟なライセンス体系を評価し、同市はまずクライアント型ツール「BizRobo! mini(ガバメントライセンス)」を導入。全庁展開に入った2022年度から大規模運用向けのサーバ型ツール「BizRobo! Basic」に移行し、担当業務のロボット化に関心を持つ職員向けの集合・個別研修も実施してきた。
 結果的にBizRobo!一択のツール選定だったものの、比較視点での優位性もあるという。柳原氏は「以前から業務利用しているAccessのデータベースは作成者の“癖”が出やすいのに対し、業務手順に即して設計するBizRobo!のソフトウエアロボットには大きな個人差がみられません。作成者が定期異動で担当を離れても、適切なマニュアルさえあれば後任がスムーズに引き継げる印象です」と話す。

対象業務15課の28業務に採用

担当職員によるロボット開発を基本に一部を外注

同市では現在、人事・財政など15課の28業務でBizRobo!が稼働中。このうち人事課では、職員研修の対象者および所属長に対する日程などの通知を、紙の送付からロボットによる自動送信メールに変更。また防災政策課では災害対策本部要員への辞令書を、紙の交付からPDFの自動送付に切り替えた。
 RPA化の対象業務は、自動処理によるリソース創出効果や、横展開による効果上積みの余地などを基準にDX推進課が選定。市長部局が開発するロボットの多くは他部局への転用も想定するほか、繁忙期の業務平準化や、時間外勤務の抑制につながるロボット化は、特に優先している。
 ロボット開発は、導入希望の対象業務を最もよく知る担当者自身で行うのが原則。住基ネットなど重要なシステムに接続する場合は支援事業者への開発委託も併用しながら実績を重ねている。
高知県高知市

導入効果「3日→5分」「 辞令の電子化で発令式を取りやめ」

高知県高知市

ロボット化を機に業務自体を見直し、効果を最大化

DXに際しBPRを強く意識していることもあり、同市のRPA活用においては、手作業をそのまま自動処理に置き換えるだけでなく対象業務そのものを見直し、より効果の大きい業務効率化を達成している例も多い。
 例えば職員研修対象者への通知業務では、最大3日を要していた紙による通知作業をメールに変更し、100分に短縮。さらに送信作業の大半をロボット化したことで、手作業をわずか5分にまで圧縮した。
 また災害対策本部要員の発令では、幹部出席の発令式の後、印刷・封入した紙の辞令書を対象職員1,300名の所属部署経由で送っていた慣例を改め、辞令書は各職員宛てメールに添付のPDFとしてRPAで自動送信する方式に変更。RPAの導入検討がきっかけとなり、業務そのものの見直しを行い、発令式を取りやめ、これら準備を担う防災政策課職員の時間外勤務を、従来の半分程度に抑制している。

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CORPORATE PROFILE

社名
高知県高知市
事業内容
官公庁・自治体
ウェブサイト
https://www.city.kochi.kochi.jp/
話を伺った方
総務部 政策推進室 情報政策課 課長
小新 貴士 氏
総務部 政策推進室 DX推進課 課長補佐
柳原 由紀子 氏
総務部 政策推進室 DX推進課 主査
南場 麻衣 氏
  • ここまでの内容に加えて下記を追加
    「今後について」
    「現場の声」
  • 印刷用PDF(フルカラー)4ページ

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