BizRobo! Basic


既存タスクの代替からDXの標準ツールへ。
着実な正常進化を遂げたBizRobo!活用
Highlight
- 内製による自動化の文化をバックオフィスに拡大
- 柔軟な拡張性を生かし、初年度から「元を取る」
- 他ツールと併用、業務の完全デジタル化の実現手段に
光半導体(LED、LD)、化学品(正極材料、磁性材料等)メーカーの日亜化学工業株式会社は、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)のツール「BizRobo!」を2019年に導入。従業員・製品・生産設備の管理に関わる数十業務で、現在約400体のソフトウェアロボットが稼働中で、これにより年間3万3,000時間相当の人的リソース創出を達成している。バックオフィス部門の経験者が現場に働きかけるなどした結果、人件費換算の導入効果が導入後1年でライセンス費用を上回るハイペースでRPA活用が浸透。このため直近では「既存のタスクを部分的に置き換える」用途から「完全デジタル化された業務フローの構築」といった、より高度な応用に重点を移している。RPAを起点に社内のデジタル活用を進化させるという、導入当初からのビジョンがまさに実現しつつある形だ。
導入背景FAシステム内製の文化をバックオフィスにも
DX推進の出発点としてRPAに着目
世界のLED市場をリードし、創業地である徳島を本拠に革新的な技術・製品を生み出し続ける日亜化学工業株式会社。ものづくりの核心をなす生産現場では製品のほか、自動化設備やシステムも内製することで知られている 。
設備や人の管理を担うバックオフィス部門においても自社製システムは多く利用されてきたが、業務の自動化まで達成している例は、相対的に少なかったという。
そうした中、同社システム開発本部の遠藤 純 氏は2018年6月、RPA開発を通じた「デジタルレイバー( 仮想知的労働者)」の活用が、高度なDX(デジタルトランスフォーメーション)を目指す出発点になりうると説く大角 暢之(現オープングループ株式会社取締役)の講演に共感。大手メーカーによるRPA内製事例も参考に、近日中のリリースが告知されたクラウド型RPA「BizRobo! DX Cloud※」の検討を始めた。
※現在は提供を終了
BizRobo!を
選んだ理由「スモールスタートから大規模運用まで適合」
管理コストが抑えられるライセンス構成を評価
同社は2019年にBizRobo! DX Cloud を導入。その後の利用規模拡大に伴い、2022年から開発・実行環境をオンプレミスで構築する「BizRobo! Basic」に移行した。
ツールの検討過程では複数の国内ベンダー製品を試用し社内環境との適性を確認。スモールスタートに見合う初期投資額のほか、長期運用を前提に今後10年で見込まれる管理・運用コストも比較した結果、段階的にライセンスを増強できるBizRobo!の導入を決めた。
「運用環境の早期立ち上げが可能かつハードウェア管理が不要なクラウド型をまず選んだ後、自社サーバでの管理に移行しました。社内システムとの連携強化の観点からも、これが正解だったと思います。詳細な技術情報が公開されている上にサポートも手厚く、ライセンス変更に伴う移行作業も円滑に進められました」(遠藤氏)
対象業務開発・生産現場などの定型業務を自動処理
数十業務で約400体のロボットが稼働中
共通のロボットを多用途で用いる例などもあるため正確な実数は算出していないものの、同社では現在数十業務で約400体のソフトウェアロボットが稼働中だ。
このうち、夜間も稼働する製造設備の定期点検の実績・予定リストを作業担当者にメール配信するロボットは、管理担当者の勤務時間外を含む日次での自動配信を実現し、作業側の時間確保を容易に。また、製造指図書や掲示物の定期見直し期限を作成者・管理者に通知するロボットは、残日数による絞り込みから宛先の特定、メール送信までの手作業を自動化した。
さらに製品・製造プロセスの設計時に潜在的リスクを記録する「FMEA文書」では、使用済みIDとの重複チェックや、重複がない場合のマスタへの転記、重複した場合の修正依頼メール送信を自動化。実行ボタンを押すだけで一連の処理が完結するようになった。
各メンバーから回ってきたFMEA(故障モード影響解析)文書を、マスタ文書に反映する作業
導入効果年3.3万時間相当の余力を創出
導入後1年で費用を上回る効果
導入後1年でBizRobo!のリソース創出効果が人件費換算でライセンス費用を上回り「元が取れた」状態になった同社では現在、年間3万3,000時間の手作業に相当する作業をRPAが担う。
開発と活用推進を担うシステム開発本部の中でも、社内各所に“顔が広い”業務部門経験者が現場に打診し、総数の多い作業からロボット化する戦略が奏功。FMEA文書の登録関連だけで月100時間相当の手作業を解消するなど、着実に実績を上積みしてきた。
円滑な導入対象選定のポイントを、遠藤氏はこう語る。
「人員削減目的という誤解から警戒されないよう、ロボット化が現場にもたらす余剰時間を何に使うかは、あえて確認していません。増員がなくとも新たな業務に注力できるメリットを強調すると同時に、誰か1人の担当ではなく全員が関係する作業の負担解消を提案するよう心がけています」
完全版事例をダウンロードしてご覧いただけます
CORPORATE PROFILE
- 社名
- 日亜化学工業株式会社
- 事業内容
- 製造・メーカー
- ウェブサイト
- https://www.nichia.co.jp/
- 話を伺った方
- システム開発本部 主査技師
遠藤 純 氏
同本部 職長
幸野 千絵 氏

- ここまでの内容に加えて下記を追加
「今後について」
「現場の声」 - 印刷用PDF(フルカラー)4ページ