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オープン、AWSジャパンとともに、旭川赤十字病院にて実証実験を実施
生成AI活用で、音声データ認識によるインフォームド・コンセントとカンファレンス議事録を自動作成

-RPA×AIで作業1件あたり30~60%の業務削減効果を創出、医療安全の担保と働き方改革の両立を目指す-

オープングループ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:高橋 知道)の子会社であるオープン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役執行役員社長:石井 岳之、以下「オープン」)は、アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社(以下「AWSジャパン」)と共に、旭川赤十字病院(所在地:北海道旭川市、院長:真名瀬 博人)において生成AIを活用した音声データ認識による、インフォームド・コンセント(以下「IC」)およびカンファレンス議事録自動生成の実証実験を実施したことをお知らせいたします。

■実証実験開始の背景と目的

旭川赤十字病院では、以前からオープンが提供するRPA※1ツール「BizRobo!」を活用し、業務効率化の面で一定の成果を上げてきました。しかしながら2024年4月に施行された医師の働き方改革新制度に加え、地域で急速に進行する高齢化※2や労働人口減少等を起因とする医療ひっ迫といった現状を鑑み、さらなる現場改革が必要な状態となっていました。
そこで更なる医療DXの実現、そして安定した質の高い医療提供を目指し、従来のRPAに加えて生成AIを医療現場に導入することにより上述の現状を打破するため、オープンはセキュリティを最優先事項として、お客様のイノベーションに迅速に対応可能なクラウドインフラストラクチャーを提供するAWSジャパンの協力のもと実証実験を行い、AI活用がどのような効果を示すのかを確認することとなりました。

実験に際しては、旭川赤十字病院で日々行われているICとカンファレンスの音声を録音し、従来利用しているBizRobo!が、音声データと電子カルテ上の必要情報をAWSジャパンとオープンで提供するフルマネージド型の自動音声認識 (ASR) サービス「Amazon Transcribe」と、プライベートなAI基盤である「Amazon Bedrock」に連携。Amazon Transcribeで音声データの文字起こしを行った後に、Amazon Bedrockが要約や適切な書式への成型を行う形で、ICおよびカンファレンスの議事録の自動生成を行うこととしました。

これはICとカンファレンスの内容が、どちらも多くの医療スタッフに関係するものであり、各患者の今後の治療・ケア方針を議論するという質の高い医療提供につなげる場である一方、その記録やサマリ作成に関しては医療現場に一定の負荷を生じさせており、今後の業務改善の第一歩として、早急な省力化・自動化が求められる作業だったためです。
なお本実証実験における各種ツール連携、生成作業等の一連の工程は、オープンの技術支援によって実行しました。

※1 RPA:Robotic Process Automationの略。ソフトウェアロボットによる業務自動化を指す。パソコン上でのルーチンワーク(繰り返し行う定型的な作業)を自動実行する技術で、医療機関では電子カルテから別ツール/システムへのデータ連携・転記や、フォーマット化されている各種書類作成、各種検査結果の見落とし防止のためのアラートに活用される。
※2 旭川市高齢者の現状:https://www.city.asahikawa.hokkaido.jp/kurashi/135/160/170/d078341_d/fil/02_genjou.pdf

■実証実験概要

  • 実施施設:旭川赤十字病院
  • 実施期間:2025年3月~2025年7月
  • 実施内容:①ICおよびカンファレンスの音声データと、電子カルテ上の必要なデータをBizRobo!が収集
         ②①のデータをBizRobo!がAmazon Transcribeに連携、付随するデータ入力もBizRobo!が対応
         ③Amazon Transcribeで音声の書き起こしを作成し、Amazon BedrockでICおよびカンファレンスの
          内容によって指定のフォーマットで議事録を作成する自動生成プロセスを構築
         ④実務担当者とAmazon Transcribe/Amazon Bedrockが、同じ情報を基に議事録を作成
         ⑤④の成果物を比較し、不具合箇所に関してはAIのプロンプトやアルゴリズムをチューニングする
         ⑥上記を繰り返し、精度向上をはかる
カンファレンス議事録のイメージ

■効果検証および今後の展望

今回の実証実験の結果について、オープンはAWSジャパンとともに、効果を以下の3点を指標として検証します。

  1. クオリティ・医療安全の担保
    電子カルテの情報がガイドラインに基づいて正しく引用されているか
    用語や文法が適切に記載されているか
    院内における多職種のスタッフとの連携において適切な形式で議事録が生成されているか
  2. 業務削減効果
    従来の議事録作成工程と比較してどの程度の時間削減が可能か
  3. 働き方改革への寄与
    本実証実験により、院内スタッフの残業削減の面でどの程度の効果が見込めるか
    院内におけるタスクシフティングへの寄与はどの程度見込めるか

本格的な検証はこれからではあるものの、実験終了直後の肌感として、旭川赤十字病院では議事録作成1件あたり、30~60%程度の時間短縮が行えたと感じています。

なおオープンでは以前から、各医療機関の業務に合わせたラストワンマイルのカスタマイズを、現地でエンジニアがサポートしながら対応してきました。こうした実績をAI導入の面でも活用することにより、生成AIを簡易的な機能だけではなく、エージェンティックに人の意思決定を支援するところまでブラッシュアップし、業務フローの効率化まで対応範囲を広げていく予定です。

またこれらの検証に加え、今後のRPAとAIの連携による展望として、退院サマリ、看護サマリ、診療情報提供書の自動作成、問診票の取り込み(OCR)、持参薬の鑑別等に着手する方針です。こうした活動により、旭川赤十字病院内における業務変革はもちろん、地域における安定した医療提供体制の構築にも寄与していきたいと考えております。

【会社概要】

■オープン株式会社(https://open.co.jp/

  • 本社所在地:東京都港区西新橋3-3-1 KDX西新橋ビル 3階
  • 設立   :2013年7月
  • 代表者  :代表取締役執行役員社長 石井 岳之
  • 資本金  :3,000万円
  • 事業内容 :スマートロボット(RPA、AI)を活用した情報処理サービス、コンサルタント事業、
          アウトソーシング事業、デジタルマーケティング、オンライン広告事業
  • ・札幌オフィス所在地:北海道札幌市中央区大通西1-14-2 桂和大通ビル50 9F

*本ニュースリリースに記載されている会社名・商品名は、それぞれ各社の商標または登録商標です。

【報道関係お問い合わせ先】
オープン株式会社 広報担当:髙橋 亜希子
Mail:pr.biz@open.co.jp