BizRobo! Lite
レジ利用状況の集計や請求書処理などを社内開発で効率化。
BizRobo!×AI-OCRで進むスーパーマーケットのDX
Highlight
- 従業員向けの効率化ツールとしてRPAに着目
- 非IT部門出身の部長が自ら試用し、BizRobo!導入を決定
- 今後、社内業務の適用範囲を拡大することも視野に入れて、運用体制を強化
中国・四国地方と兵庫県の10県でスーパーマーケットなどを展開するマックスバリュ西日本株式会社は2020年末、従業員が自ら使いこなせる生産性向上の手段として、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)に着目。非IT部門の出身であるシステム運営部部長が自ら試験的に開発に取り組み、操作性や機能、有用性を確かめ、「BizRobo!」を導入した。ロボットの開発はBizRobo!パートナーである株式会社ヴィンクスのサポートのもと進めた。さらに、店舗勤務から転じた若手社員を責任者に任命し、ロボットの社内開発体制を確立。文字認識技術(AI-OCR)ツール「BizRobo! OCR with AI inside」を併用したデータ登録の効率化や、会計時のセルフスキャンシステム利用状況の集計などでロボットを活用し、導入後1年余で年4,000時間相当の余力を創出している。
導入背景従業員が誰でも使える効率化ツールを
本社スタッフの生産性向上策としてRPAに着目
広島市に本社を置くマックスバリュ西日本株式会社は、中国・四国地方と兵庫県の計10県で、イオングループのスーパーマーケット「マックスバリュ」「マルナカ」「ザ・ビッグ」を合計385店舗(2023年4月末時点)展開。パート等を含めておよそ3万8,000人が従事する、エリアで有数規模の小売企業だ。
同社は2020年より、専用のスキャン端末を使ってレジ待ち不要のセルフスキャンシステム「My-Piスキャン」の導入店舗を順次拡大するなど、デジタル活用による売り場の改善を進めている。併せて、本社スタッフのルーティン業務の効率化を通じた全社的な生産性向上を計画。システム運営部部長の石田智也氏はバイヤーや店舗統括など業務部門の経験が長く、ITに関する知識も乏しく、IT投資に慎重な姿勢だったが、「表計算ソフトのように従業員が誰でも使える省力化ツールは必要」との考えからRPAに着目し、具体的な製品の検討を始めた。
BizRobo!を
選んだ理由「“ITスキルが少ない私”でも使えた」
ベテラン部長自ら試用、自社運用に好適と判断
同社では、社員各自がRPAを活用して業務の効率化を実現できる体制を目指した。ツールは社内各所で運用することを念頭に検討し、2020年12月、RPAテクノロジーズ株式会社のサーバ型ツール「BizRobo! Lite+」を導入。ロボットが人のパソコン操作を妨げず、複数ロボットの同時実行が1ライセンスで可能な機能・価格面を評価した。
導入にあたってはITに詳しい取引先に聞いていた話から、操作の容易さも重視した。そこで石田氏は「“ITスキルの少ない私”でもBizRobo!を使えるなら心配ない」と、まず自身でBizRobo!の開発に挑戦。BizRobo!パートナーの株式会社ヴィンクスによるサポートを受けながら、試行錯誤の末、これまで手集計していたデータの自動処理に成功した。
「すぐに定型作業が多い部署へ『楽になった、俺でもできた』と声をかけたところ、初年度から約10人が開発に加わってくれました」(同氏)
対象業務セルフスキャンシステム利用状況の集計など100業務に導入
各部署に専任担当を置いて社内開発を推進
同社では現在、100業務で104体のロボットが稼働中だ。
先述のMy-Piスキャン利用実績の集計にもロボットを導入。当初は手集計していた「レジ単位で記録される専用のスキャン端末の利用実績を社内システムから取得後、店舗やレジの種類別にまとめ、メール添付のExcelファイルで報告する」という一連の作業を、ほぼ全て代替した。
さらに、大口取引先からの請求書のデータ入力では、BizRobo!とAI-OCRツール「BizRobo! OCR with AI inside」を組み合わせ、作業のほとんどをRPAによる実行に置き換えている。
2021年には、社内開発の要として「RPA推進事務局」をシステム運営部内に設けた。店舗勤務から専任担当になった吉川昌孝氏は、ヴィンクス社のサポートを得てBizRobo!のスキルをゼロから習得。現在は導入部署主体で取り組むRPA運用への協力や、開発者がいない部署向けのロボット開発、部署横断型の業務効率化プロジェクトチームへの参画などを担う。
各店舗のレジ情報の取得・集計・報告業務
導入効果年4,000時間超のリソースを創出
RPA×AI-OCRの導入と、今後はインボイス制度にも対応
BizRobo!の導入によって同社は既に、月あたり約340時間・年間でおよそ4,000時間相当の人的リソース創出を達成している。
このうちMy-Piスキャン利用状況の集計は、手集計では8店舗分に毎日1時間を要したところ、RPA化した現在は、対象店舗数が35店舗まで増えたにもかかわらず、わずか5分で完了。「現在のロボットの仕様で、全店舗分まで対応できる余裕もある」(吉川氏)という。
また、RPAとAI-OCRを併用した請求書データ入力の効率化では、各部署で行ってきた入力作業のうちの半数近くを占める毎月およそ5,000件について、「最終処理内容の確認のみ」に軽減。さらにこのプロジェクトには財務・経理部門の責任者も加わっていたことから、インボイス制度(2023年10月開始)への対応も併せて完了させる予定となっている。
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CORPORATE PROFILE
- 社名
- マックスバリュ西日本株式会社
- 事業内容
- 食料品及び
日用雑貨用品の小売販売 - ウェブサイト
- https://www.maxvalu.co.jp/
- 話を伺った方
- 総合企画本部 IT統括部
システム運営部 部長
石田 智也 氏
同部
吉川 昌孝 氏
- ここまでの内容に加えて下記を追加
「今後について」
「現場の声」 - 印刷用PDF(フルカラー)4ページ