BizRobo! Basic
RPA推進チーム2名体制で月間3,650時間を創出。情報システム部との連携で体制を整え「全員がRPAを使える未来」を目指す
Highlight
- 請求書処理業務や売上分析に必要なデータ抽出業務をRPA化、全社で月間3,650時間の削減効果を創出
- “覚悟”を持って専任担当を置き、パートナーのサポートを活用することがRPA導入成功の鍵
- ライセンス管理やアプリケーションのID管理等で情報システム部と緊密な連携も重要
生活雑貨を全国に展開する専門店「LOFT(ロフト)」を運営する株式会社ロフト。1987年に創業し、1996年8月に分社化、2020年2月時点で直営105店舗、フランチャイズ19店舗を展開。従業員は店舗スタッフを含め5,000名超に及ぶ。そんな同社では、本部の管理系業務にかかる事務作業の負担軽減を目的に2016年9月、管理本部内に事務サポート部を設立した。さらに2018年からは事務サポート部の事務作業にかかる負担軽減の手法の一つとして、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の導入を検討。その結果、処理実行スピードとBizRobo!パートナーであるヴィンクス社による充実したサポートが決め手となり、BizRobo!を採用した。2019年からはRPA推進チームとして専任スタッフを迎え、ロボット開発の対象業務を他部門にも拡大。現在、全社で187体のロボットが稼働し、BizRobo!による業務削減効果は月間3,650時間にも及ぶ。2019年には2人目の専任スタッフが加わり、他部門との連携を行いながらより強固なロボット管理・運用体制を整備している。
導入背景月間最大1,000件に及ぶ請求書処理の効率化にRPA導入を検討
IT投資が難しい管理系業務でも、RPAならスモールスタートが可能
2016年9月、店舗へのフォロー強化を目的に、本部の事務作業効率化を図り立ち上がった事務サポート部。ここでは、各種マニュアルの作成や請求書処理などの本部の事務作業を集約して担っている。発足当初は「手書き管理だった書類をExcelファイルにする」 「Excelマクロで処理する」といった、新たな投資を必要としない省力化に取り組んだ。しかし、いずれも人力での入力作業が必要で「入力作業に時間がかかる」「入力時に間違いやすい」といった課題があった
そんな中、事務サポート部部長・杉本陽一氏は2018年、あるIT展示会のBizRobo!パートナーであるヴィンクス社のコーナーでRPAのさまざま機能について知り、事務サポート部の主要業務である請求書処理に活用できると考えた。当該作業は月間最大1,000件に及んでいた。
同社には情報システム部が置かれているが、管理系業務に対するIT投資に承認を得ることは容易ではない。そうした状況下でもRPAならば、スモールスタートができると考え、導入を検討。2018年4月、PoC(プルーフ・オブ・コンセプト)としてRPAのトライアル検証を開始した。
BizRobo!を
選んだ理由BizRobo!導入の決め手は「安定性」「処理実行スピード」「充実したサポート体制」
PoCからヴィンクス社による月2回のサポートミーティングを実施
トライアルではBizRobo!を含む3社製品を比較検証した。実際に仕入処理の際に発生する「リベート(割戻)処理」について、リベートを基幹システムへ入力する業務を3製品それぞれ500件ずつ行い、性能や使い勝手を比較した。評価項目は「ロボットの作成のしやすさ」「マニュアルのわかりやすさ」「コミュニティの充実」「サポート体制」「自社システムとの親和性」「実行時のスピード」「導入実績」。いずれにおいてもBizRobo!は優良な成果を出した。特に処理にミスが少なく、実行スピードも他社製品より1件あたり約10秒速いなど、性能の高さが際立った。こうして2018年9月、BizRobo!本格導入の社内決裁を得た。
なかでも導入の決め手となったのは、ヴィンクス社による充実したサポートだ。PoC開始当初から担当者が来社、月2回・4時間のサポートミーティングを行った。ミーティングでは実際にロボット開発をハンズオンで行いながら、BizRobo!活用に関わる様々な相談にその場で担当者が応える。杉本氏は「一緒に開発を行えたこと」「いつも的確に疑問点に答えてくれたこと」が何より心強かったと振り返る。本導入後もサポートミーティングは月1回ペースで継続している。
対象業務情報入力・抽出をRPA化、人手によるミスを無くしスピードも向上
他部門からの要望を受けRPA推進チームを発足
導入からしばらくは対象業務を事務サポート部内に限定し、杉本氏がロボット開発・運用を担当。当初1年間だけでも年間6,000〜7,000時間の削減効果を創出した。
特に効果が大きかったのが、請求書処理業務だ。これまでは取引先から送付された紙の請求書を既存の会計システムへ手入力し決裁していたが、現在はAI-OCR・Excelマクロ・BizRobo!を組み合わせ、情報取得・入力を自動化。担当者は基幹システムへの入力前に支払日・貸借金額等の誤りをExcel上で確認するのみになった。これにより入力のミスが大幅に抑制され、処理スピードも向上。さらに、決済時の確認項目がシンプルになり、誰でも当該業務を行えるようになった。
こうした成果を社内メールや役員前プレゼンでPRしたところ、他部門からもRPA化の要望が挙がるようになり、2019年9月、石川翔氏を専任スタッフとして事務サポート部内に「RPA推進チーム」を発足。全社的なRPA活用による効率化を進めた。2020年にはロボット活用の拡大を受け、2人目の専任スタッフに高橋玲子氏をチームに迎えた。
各部門からRPA化の相談を受けた際、石川氏はExcel等の代替手段がない業務やRPAのほうがシンプルかつ迅速に対応できる作業をロボット開発の対象にしている。特にRPA化で全社的に効果を生んでいるのは、データ抽出系の業務だ。また、本来システムで対応すべき業務は、ロボットを開発し、並行して情報システム部でのシステム整備を進めるようにしている。
導入効果売上分析に必要なデータ抽出業務のRPA化で各部門80%以上の時間削減効果を創出
情報システム部とも連携しBizRobo!運用体制を整備
2020年7月時点でのBizRobo!稼働数は187体、削減効果は月間3,650時間分に達する。特に複数の部門が日々行っている売上分析などのデータを出す業務をRPA推進チームに集約したところ、各部門で80〜99%の時間削減効果を生んだ。扱うデータは用途や部門により異なり、その量も膨大な上、データやファイル形式が特殊で属人化しやすい業務だった。しかし、どの部門においても「データを抽出し、フォーマットにまとめる」という点において同様の業務であるため、同じロボットをベースに編集するだけで対応できる。結果、大きな効果が生まれた。
また、BizRobo!導入の効果は時間削減のみでなく、事務作業におけるミス抑制も大きいと杉本氏は話す。経験を積んだスタッフを配置してもミスをゼロにすることは不可能だったが、BizRobo!ではログ管理でミスの原因を後追いできるため、限りなくミスをゼロに近いところまで抑制できるようになった。
現在は石川氏・高橋氏の両名によるRPA推進チームが現場部門からの依頼受付、ロボット開発・保守を担当。また、情報システム部ともライセンス管理・実行PC手配・アプリケーションのID管理等で連携する。社内では「これはRPAでやろう」「新規ビジネスではRPAで対応しよう」という動きが活発化しており、将来的には全社的運用によって、システム運用・保守にかかるコスト削減にもつながると期待している。
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CORPORATE PROFILE
- 社名
- 株式会社ロフト
- 事業内容
- 雑貨専門小売事業
- ウェブサイト
- https://www.loft.co.jp
- 話を伺った方
- 管理本部事務サポート部 部長 杉本 陽一 氏など
- ここまでの内容に加えて下記を追加
「今後について」
「現場の声」 - 印刷用PDF(フルカラー)4ページ