BizRobo! mini
BizRobo!導入で初年度から500時間を削減、繁忙期の負担を大幅軽減。単純業務を効率化し、お客様に求められるサービスの拡充へ
Highlight
- 確定申告期の人手不足の解消と残業時間の削減を目的としてRPAを導入
- 半日で作成したロボットが一業務で年間200時間を削減、高い費用対効果を示す
- 今後はグループ全体への普及を進め、RPAで業界をリードする存在を目指す
2020年12月に資産税・事業承継のコンサルティング実績を持つMACミッドランド税理士法人と、医療機関やクリニックの開業・経営サポートを行う税理士法人ブレインパートナーが合併して発足したMAC&BPミッドランド税理士法人。2019年春より前身のブレインパートナーのグループ企業にあたるbpコンサルティングがRPAの導入を主導し、9月にBizRobo!を正式導入した。導入の狙いは、確定申告を行う繁忙期の人手不足の解消と残業時間の抑制。RPAツールの選定では既存システムとの相性や、直感的にロボットが作成できることを基準とした。導入後はデータ転記やPDF出力など、件数が膨大な単純作業を優先してRPA化。初年度から合計500時間の削減を達成し、社員の精神的負担の軽減などの副次的な成果もあがった。2021年度はRPA化が進むBP医業本部で2000時間の削減を目標に掲げる他、グループ全体にBizRobo!活用を広げてさらなる効率化を目指す。今後はRPAの活用を通じて税理士・会計事務所業界をリードしていきたい考えだ。
導入背景慢性的な人手不足と残業時間増大の打開策にRPA導入を検討
確定申告期の膨大な単純作業が負担になっていた
2020年12月にMACミッドランド税理士法人と税理士法人ブレインパートナーが合併し、発足したMAC&BPミッドランド税理士法人。RPAの導入は、合併前に前身のブレインパートナーのグループ企業にあたるbpコンサルティングが主導した。
税理士業界では以前から確定申告期の慢性的な人手不足や残業時間の増大が問題となっており、同社にとっても課題だった。株式会社bpコンサルティング代表取締役の佐久間隆氏がRPAの存在を知ったのは2019年春。前年度の確定申告が終わり、今後の効率化に向けた対策を模索していた時に、中部地方の税理士法人が情報交換などを行う中部会計人互助会(CAM)を通じてRPAを知り、導入の検討を開始した。
「大きな負担となっていたのはマニュアルがあれば誰でもできる転記作業や、件数の膨大な単純作業。繁忙期が限られていることなどからアルバイトの雇用なども難しく、RPAの導入で人手不足の解消と残業時間の抑制を図りたいと考えました」(佐久間氏)
BizRobo!を
選んだ理由プログラミング未経験でも開発に熱中できる直感的な操作性が決め手に
明確な活用例や導入効果の提示によりスムーズな導入を実現
RPAツールの選定は、同社ITソリューション部チーフで、現在はロボットの開発を務める松原一穂氏が佐久間氏とともに担当し、4社のRPAツールの比較検討。「OMSクラウド(税理士事務所オフィス・マネジメント・システム)」 をはじめとする既存システムとの相性、RPA開発の難易度を重視し、BizRobo! miniの導入を決定した。
「BizRobo!は他のRPAでは扱いづらかったシステムとも相性がよかった点や、操作のしやすさを評価しました。特にロボット開発は、プログラミング経験のなかった自分でも感覚的に理解できてのめり込むように楽しく取り組めましたね。心理的負担なく楽しんでロボットを開発でき、そのロボット開発が会社の業務効率化に寄与できることから、非常に前向きな気持ちで導入を進めることができました」(松原氏)
同社では2019年7月にトライアルを開始し、9月に正式導入している。迅速な導入は、当時のブレインパートナー代表社員(現・MAC&BPミッドランド税理士法人 代表社員)の矢野厚登氏が先進的なツールに理解があったことも大きい。加えて導入にあたっての稟議書を提出する際には、実際にトライアルを活用して「DA(デスクトップ・オートメーション)」でロボットを作成し稼働の様子が視覚的にわかりやすいようにした他、初年度の対象業務を全て洗い出してスケジュールや達成計画を明確化し、費用対効果の高さを示すなどの工夫も行った。
対象業務確定申告期に発生するデータ転記やPDF出力などの単純作業にBizRobo!を活用
開発期間半日で年間200時間の削減効果を創出したロボットも
対象業務の洗い出しは佐久間氏と松原氏が担当。2人ともこれまでの経験で現場の業務内容を把握しているため、BizRobo!活用に適した業務の選定はスムーズに進んだ。最初にRPA化したのが、会計システムから税務システムへ会計データの転記を行う業務だ。忙しい確定申告期に大量に発生する業務だが、今までは会計ソフトから申告ソフトに1件ずつ手作業で入力するしか方法がなく、さらにミスを防ぐため何重ものチェックが必要で、大きな負担となっていた。現在は「①会計ソフトからデータをExcelに取り込む」「②Excelデータを青色決算書の様式に変換」「③変換したデータを申告ソフトに転記」という流れをすべてロボットに置き換え(図1)。年間100時間以上の削減を達成した。
その他には、電子申告が完了した確定申告書をクライアントに渡す様式でPDF出力する作業もRPA化。単純ながら時間のかかる作業で、ロボットへの代替により年間200時間の削減効果を達成した。「ロボット自体は半日程度で開発できたため、費用対効果が特に高い事例です」(佐久間氏)
現在、同社では3台のBizRobo!が稼働し、確定申告期など繁忙期には4〜5台が稼働する。
(図1)会計システムから税務システムに会計データを転記するロボット
導入効果労働時間の削減に加え、社員の精神的な負担を軽減
業務のRPA化を望む声が多く挙がるように
BizRobo!の導入を開始した2019年度は、データの転記とPDF出力の2つを中心に計500時間の削減を達成した。また、単純な労働時間の削減以外にも様々な効果があった。「忙しい時期には『今すぐデータの転記をしてほしい』と言われることもあります。こうした人手では難しかったニーズにも、BizRobo!によって迅速に対応できるようになりました。また、PDF出力は繁忙期が終わったあとの最終的な処理業務の一つで、忙しい業務の終了後に膨大な単純作業があるというのが大きな負担になっていました。これをRPA化したことで、社員の精神的な負担を軽減できたと感じています」(佐久間氏)
社内のBizRobo!認知も年度を重ねるごとに広がっており、今ではロボットに代替できる全ての業務でBizRobo!をフル活用している社員も増えている。自身の業務のRPA化を希望する声も多く届いており、費用対効果や部署ごとのバランスなどを考慮しながら順次導入を進めている。現在は確定申告期の業務を中心にRPA化しているが、今後は日常業務でも導入を進めていく予定だ。
完全版事例をダウンロードしてご覧いただけます
CORPORATE PROFILE
- 社名
- MAC&BPコンサルティンググループ
MAC&BPミッドランド税理士法人 - 事業内容
- 資産税・事業承継のコンサルティングや医療・介護分野における開業・経営サポート
- ウェブサイト
- https://www.mac-g.co.jp/
- 話を伺った方
- MAC&BP ミッドランド税理士法人
代表社員 矢野 厚登 氏など
- ここまでの内容に加えて下記を追加
「今後について」
「現場の声」 - 印刷用PDF(フルカラー)4ページ