BizRobo! Basic
業務の効率化・高度化を自発的に進める組織風土の醸成を目指して、業務部門主導によるRPA活用を遂行
Highlight
- 証券業務、財務、人事総務、情報システム、コンプライアンス、経営企画など幅広い業務にBizRobo!を活用
- 業務部門間での横のつながりが強くなり、現場主導で積極的に自動化に取り組んでいる
2005年に設立されたインターネット証券会社であるGMOクリック証券。ユーザーに少しでも低コストで利便性の高い取引環境を提供するため、グループ内でシステム開発・保守・運用を行い、投資をもっと身近で便利にし、いつでも、どこでも、世界中のあらゆる投資商品を簡単に取引できる世界を創ることを目指している。
そんなGMOクリック証券では、業務改革を旗印に2017年の初頭よりRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)ツールとしてBizRobo!の活用を進めている。その活用のポイントは、業務部門自らが自発的に業務のロボット化を進め、改善を繰り返していく組織文化の醸成にある。
導入背景業務改革を組織風土として根付かせたい
一過性の取り組みではなく改善の組織風土を醸成できるRPAを導入
GMOクリック証券では既存の業務の効率化・高度化を図るため、2016年10月より部署横断的な業務改革プロジェクトをスタートさせた。同プロジェクトは当初、各部署へのヒアリング等をベースに、業務に負荷がかかっている箇所を見つけ、BPR的にフロー改善するアプローチを採用していたが、時間や場所に拘束される端末依存の業務が多いことに起因する課題に直面。その解決方法を模索していた折に古澤氏が知ったのが、端末業務の自動化をノンプログラミングで行えるというRPAの存在だった。
「業務部門主導によるRPA活用の取り組みにチャレンジしたいと考えるようになり、プロジェクトでの各段階での気付きなどを振り返り、経営陣に必要性を説明しました。一過性の取り組みではなく改善の組織風土を醸成できるツールであるとの理解を得ることができ、導入が決定しました」(古澤氏)
BizRobo!を
選んだ理由豊富な実績とサーバ型の管理性などを評価
『こんな簡単にロボットを作れるんだ!』
GMOクリック証券がRPAツールの選定に当たって重視したのは、大きく“アカウント管理の容易性”と“エンドユーザーによるロボット作成およびメンテナンスの分かりやすさ”の2点であった。
「我々が目指すのは、業務部門が自発的に改善活動を行っていくことなので、そのために活用するRPAツールにはユーザーフレンドリーさと管理する側の負担軽減が必要になってくると考えていました」(古澤氏)
この観点から2016年末頃にいくつかのRPAツールを比較検討したところ、ユーザー実績の多さや管理しやすいサーバ型であることなどに魅力を感じ、BizRobo!の導入が決まった。
GMOフィナンシャルホールディングスシステム統括部の近藤祥子氏は、「実際にロボットを開発する立場から最初にデモを見た時に『こんな簡単に(ロボットを)作れるんだ!』とあまりの馴染みやすさに驚きましたね」と振り返る。
対象業務幅広い業務にBizRobo!を活用
コアな証券業務にもRPAが定着
トライアルを含めると既に2年ほどBizRobo!を活用しているGMOクリック証券だが、その対象業務の領域は広く、証券業務、財務、人事総務、情報システム、コンプライアンス、経営企画となっている。たとえば、人事総務では、勤怠状況を把握し、適切な労働時間を管理するため、状況に応じてアラートを発するロボットが稼働しており、本業である証券業務については口座開設審査や貸株業務などをロボットが担っている。
「最近ではロボット化対象業務の優先順位を決める際、業務を行う時間帯・タイミングも考慮するようにしています。なぜならば、仮に業務時間自体は少ない場合であっても、毎朝出社直後や退社直前に行わなければならない業務と、幅のある時間帯のどこかで行えば良い業務とでは、担当者にとっての時間の価値や心理的な負荷は大きく異なってくるからです。」(古澤氏)
導入効果ユーザーによる開発の重要性を実感している
業務部門内で「これはロボットにやってもらった方がいいのではないか」といった提案が増えている
BizRobo!の開発で生じた疑問点などは社内のグループチャットに上げてもらい、汎用性の高い情報は専用サイトに共有しているが、普及が進むにつれて、古澤氏をはじめとする推進メンバー以外からも解決手段を提供し合うケースが見受けられるようになってきたという。
「業務部門間での横のつながりが強くなりつつあることは、とても喜ばしいですね」と古澤氏は話す。
また業務部門内でも「これはロボットにやってもらった方がいいのではないか」といった建設的な提案が増えているという。
「実業務の担当者ならではの “気付き”の重要性を改めて実感しています。現場にとってRPAは初めて触れるツールだったにも関わらず、業務の合間に自発的に触れながら、積極的に自動化に取り組んでくれています。よりよい改善や新たな挑戦に取り組むという社風にもRPAがフィットしていますね」(古澤氏)