BizRobo! mini

株式会社 中野建設

RPAの知識ゼロから、トライアル期間中に「人力では不可能」な業務のロボット開発を達成。積極的なBizRobo!活用で年間1,400時間を削減

Highlight

  • 件数が膨大で人力では難しい業務をトライアル期間中にRPA化
  • 毎月約1,500件の請求書入力業務の9割をRPA化し、一業務で年間900時間削減
  • 今後は事務定型作業の3割にあたる4,200時間の削減、建築現場での定型業務のRPA化を目指す

佐賀県を中心に複数の事業所を持ち、建築事業などを手がける株式会社中野建設。同社では2019年からRPA導入の検討を開始。管理本部部長の井上英行氏が3社のRPAツールを比較する中で、RPAの知識ゼロの担当者でも扱いやすく、導入コストが手軽なことが決め手となり、翌年9月からBizRobo! miniを導入した。開発・運用の担当となったのは、RPA未経験だった管理本部副主任の野口紗季氏。最初は不安があったものの、野口氏自身が積極的に学習し、1カ月で基礎的な知識を習得。本格的な導入前のトライアル期間中から、件数が多く人力では難しいと思われていた業務をRPA化するロボットを作成した。導入後は、毎月約1,500件届く紙の請求書のデータ入力作業を、AI-OCRとBizRobo!の組み合わせによりRPA化。年間900時間を削減し、社員の労働時間や心理的負担を大幅に軽減した。現在は22体のロボットが稼働中で、1年間で1,400時間の労働時間の削減を達成。今後は事務定型作業では全体の3割にあたる4,200時間の削減を目指すほか、建築現場など他部署での定型業務のRPA化も目指す。

導入背景知識がなくてもはじめやすく、手軽なコストで導入できるBizRobo! miniを選択

中野建設

紙媒体のデータ入力を効率化するため、RPA導入を検討

中野建設がRPA導入の検討を開始したのは2019年。主導した管理本部部長の井上英行氏はもともと社内でもExcel VBAを活用し、業務を積極的に自動化していた。そのためRPAにも以前から興味があり、社内業務をより効率化できないかと考えていた。

導入の指標としたのは、定型業務の見直しによる働き方改革。同社では請求書や予算書など、紙媒体のデータをシステムに手入力する際のミスの修正・確認に多くの時間が費やされていたほか、複数拠点で同じ作業を重複して行ってしまうなどのミスが起きていた。RPAとAI-OCRを組み合わせて活用することで、これらの課題を解決できると考えた。

導入時には計3社のRPAツールを比較検討。担当者が知識ゼロの状態からスタートしてロボットを作成できるようになることを重視し、「日本語でわかりやすいこと」「eラーニングやWEBセミナー、ナレッジベースといった学習プログラムが豊富なこと」「コスト面の手軽さ」を理由にBizRobo! miniを選び、トライアルを進めた。

BizRobo!を
選んだ理由
豊富な学習プログラムを使い、RPA未経験から約1カ月ほどで基礎知識を習得

中野建設

「人力では不可能」とされた業務をトライアル期間中にRPA化

BizRobo!の開発・運用担当になったのは、管理本部副主任の野口紗季氏。当時はRPAやプログラミングについての経験はまったくなかったという。「最初は不安でしたが、WEBセミナーやeラーニングを活用して学習するうちに、『自分にもできる』という自信が生まれました。RPAテクノロジーズ社の担当者が優しく、安心感があったことも大きいです」(野口氏)

井上氏は「ロボット開発に対してネガティブな人は、いかにそれがすごくても一歩目が踏み出せない。野口なら前向きに一歩を踏み出せると思いました」と、選任の理由を語る。野口氏は意欲的に学習を重ね、1カ月ほどで基礎的な知識を習得。トライアル期間中に建設業許可番号の取得業務のRPA化も実現した。これは国土交通省の建設業者情報検索システムから会社の許可番号を取得し、Excel保存する業務。件数が佐賀県で3 , 0 0 0 件、福岡で21,000件以上と膨大なため人力では不可能だったが、単純な繰り返し業務のためRPAと相性が良く、簡単にロボットを作成できた。トライアル期間中にこうした成功体験があったことも追い風になり、2020年9月からの正式導入を決定した。

対象業務時間的にも心理的にも負担が大きかった請求書入力業務の約9割をロボットが代替

情報共有までの期間が1〜2日も短縮

RPA化の効果がもっとも大きかったのは、請求書の入力業務だ。導入前は現場から受領した紙の請求書を事務担当者がチェックした後、会計システムに入力していた。毎月約1,500件の請求書を7人の担当者が1日がかりで入力しなければならず、時間がかかる上に入力ミスが許されないことから心理的な負担も大きい作業だった。

BizRobo!導入後は、この流れが大きく変わった。事務担当者の作業は紙の請求書をスキャンし、AI-OCRで読み取るだけで、スキャンした請求書のPDFデータに名前をつけて保存する作業やシステムへの入力といった煩雑な作業は基本的にBizRobo!が代替(図1)。事前・事後のチェックは必要なものの、入力作業がなくなったことで担当者の負担が軽減した。現在は請求書の入力業務の約9割をBizRobo!が行っており、年間約900時間の削減を実現している。「業務効率が上がったことで、現場担当者に情報を共有するまでの時間が1〜2日ほど短縮できたのも大きな成果でした」(井上氏)

中野建設

(図1)紙の請求書をAI-OCRとBizRobo!を利用し会計システムに入力するロボット

導入効果1年で定型業務の1割にあたる1,400時間の労働時間を削減

「本当に人間がするべき業務」に時間を使えるように

BizRobo!導入前、担当者は請求書の入力業務があるときはそれを最優先し、その他の日常的な業務は後日カバーしていた。導入後は、こうした後回しにしていた業務に本来のタイミングで着手できるようになった。

社員の意識にも変化が生まれている。井上氏は「以前は通常3時間かかる単純作業を2時間でこなせることに自分の価値を見出していた社員もいました。しかし、単純作業はロボットの方が圧倒的に早い。だから単純な作業スピードで競うのではなく、社員には本当に人間がするべき業務を考えるようにしてほしい。実際に、BizRobo!導入が進んだ今、社員の意識がそう変化しつつあると感じています」と手応えを語る。野口氏は「自分の仕事に誇りを持っていた方の業務をいきなりロボットに置き換えるのではなく、相談しながら進めています」と、RPA化する際のコミュニケーションの重要性を強調しながら、「RPA化したことで『すごく楽になった』と喜んでくださる担当者も多い。意識の転換が起こっていることはうれしいです」と続ける。

請求書の入力業務の他には、毎月約200件の出力が必要な工事原価月報の保存をRPA化している。毎月約2時間×7人かかっていたが、手作業がほぼなくなり、年間約160時間の削減を達成した。この2業務を中心に、現在は22体のロボットが稼働。1年で定型業務の1割にあたる1,400時間の労働時間削減を果たした。

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CORPORATE PROFILE

社名
株式会社 中野建設
事業内容
佐賀県を中心とする建築・土木工事業
ウェブサイト
https://www.nakanet.co.jp/
話を伺った方
管理本部 部長 井上 英行 氏など
  • ここまでの内容に加えて下記を追加
    「今後について」
    「現場の声」
  • 印刷用PDF(フルカラー)4ページ

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