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従来の業務改善とRPAを使った業務改善の違い

■従来の業務改善には「あきらめていた領域」がある

現在、働き方改革においては、長時間労働の抑制や多様な働き方の実現を目的とした生産性の向上が重要な課題となっています。これまでの業務改善では主に、業務の標準化やマニュアル化、プロセスの見直し、分業やBPOの利用、間接部門の業務集約などが行われており、粒度の高い業務に対しては、これらの方法で対処することが可能でした。しかし、人事、経理財務、調達、営業業務など人間の作業が必要な部門でのルーチン業務は、自動化するアプリケーションの開発にはROIが見込めないとの理由から業務効率化の検討対象から外れており、経営者からもシステム化要件として認められていませんでした。その結果、諦められた領域として人手で対応することになっていたのです。

しかし、さらなる業務効率化で競争力を高めようとする企業が、これらのシステム化を諦めていた領域への解決手段としてRPAを導入したことから、大きな期待を集めるようになりました。

■なぜRPAはシステム化ではできない業務効率化を可能にするのか

ではなぜ、RPAは人間にしか対応できないと諦められていた業務効率化を実現できるのでしょうか。それは、既存の情報システムが「作業者のサポート」をするのに対し、RPAは「作業者そのもの」として、人間かそれ以上の業務を遂行できるからです。さらに、ルール変更に強いという特徴もあります。季節的な業務内容の変更や業務ボリュームに変化がある場合でも、RPAに与えているルールを状況に応じて変更すれば対応できるため、「そもそも自動化は不可能」とされていた幅広い領域で導入できるのです。

従来の業務改善システムの場合には、変更があってもシステム更改の時期まで数年間待たなければならなかったり、多額のコストが必要な場合もあります。それがRPAでは、容易に設定変更をできるのです。労働力を補う手段としては、派遣社員やオフショアの利用という方法もありますが、業務を覚えたスタッフが退職してしまうリスクがあり、スタッフを雇うたびに教育をしなければなりません。しかし、RPAにはその必要もないのです。

■RPAを使った業務改善には3段階ある

RPAにはClass1、Class2、Class3という3つの段階があります。Class2とClass3は指示を踏まえて自ら考えて動く、いわゆる自律型AIにあたります。Class1の段階で可能なのは、定型作業の自動化です。情報取得や入力作業、検証作業などの定型的な作業が対象範囲で、例外的な対応には人が介在する必要があり、例えるなら作業を行う手足にあたります。

Class2では、RPAとAIの技術を用いることにより非定型作業の自動化が可能になります。具体的には、自然言語解析、画像解析、音声解析、マシーンラーニングの技術の搭載で、RPAに目や耳がついた状態になります。非構造化データの読み取りや、知識ベースの活用も可能です。そしてClass3では、高度な自律化を果たした状態として、プロセスの分析や改善、意思決定までを自ら自動化するとともに、意思決定を行えるようになります。つまり、RPAに頭脳が搭載された状態になるのです。

■Class1で実現した単純作業のオートメーション化事例

Class1で業務改善をした事例を、いくつかご紹介しましょう。定型業務の自動化がメインのClass1で手がけているのは、ルール化が可能な単純作業の自動化が中心です。

例えば、請求書データのシステム入力作業にRPAを導入した企業では、これまで1件に数分かかっていた処理を20秒で行うことが可能になりました。また、20種類のRPAを導入した金融機関では、8,000時間分の事務処理作業削減に成功しています。事務処理の量が時期やタイミングで増減する現場では、4人分の仕事を代行できるロボットを1週間で完成し、シンプルな処理業務をRPAに任せることにしました。結果として、人間は即時の判断が求められる事務処理を担え、非常事態にも余裕を持って対応できるようになりました。

そのほか、大手通販会社のコールセンターでは、新人と熟練スタッフの間での処理速度の違いや、新人スタッフの教育に時間がかかることが課題でしたが、RPAの導入によって処理時間が導入前の20分から1分へと大幅に短縮されました。熟練スタッフ10名を要していた作業が新人スタッフ1名で可能になり、人員とコストのダウンサイジングを実現しています。ECサイトへの誘導率と売上の上昇が課題となっていた企業では、人力では3日で7日間かかるほどの膨大な作業を、RPAにより半日で完了させることに成功しました。

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■Class2を搭載したRPAが実現する業務改善とは

Class2のAIを用いたRPAでは、オートメーション化の範囲と質を高めることができます。

AIの要素技術には、コンピューターが人間の話し言葉を理解・翻訳・作成できる「自然言語処理」、画像データから対象物を認識・理解できる「画像解析」、話し言葉を認識し理解できる「音声解析」、学習成果をもとに、類似データへの予測を行う「機械学習」、ニューラルネットワークを用いた機械学習である「ディープラーニング」、人間の思考プロセスをコンピューター上で再現する「機械推論」、自身の動作の仕組みと世界への理解を備えた「強いAI」があります。

これらのAI技術を用いると、どんなことができるのでしょうか。イメージとしては、Googleが大量の画像データから猫を認識できるようになったことや、Watsonがクイズ番組で歴代チャンピオンに優勝したことが挙げられます。より身近な具体例としては、Siriによる音声検索や、話し言葉による指示の実行もあります。

こうしたAIの技術をRPAに応用することで、非構造化データからの情報の取得や、知識ベースを活用した問い合わせへの回答、人の介在によるアナリティクスなど、さまざまな非定型作業の自動化を実現できるようになります。Class2を搭載したRPAを用いると、さらに幅広い領域での業務改善を期待できるのです。

このように、人間の作業が必要という理由から従来の業務改善では諦められていた領域の効率化が、RPAを用いることで可能になります。Class1の段階については、すでに単純作業の自動化を実現した事例で業務改善が証明されている状態です。今後、Class2を導入することで非定型作業の自動化が可能となれば、さらに業務改善の領域は広がります。今、RPAを導入する企業と、5年後に導入する企業では、競争力に大きな差が生まれるのではないでしょうか。

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