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RPA導入から運用時の押えておきたい3ステップ

■検討開始からの3ステップ

ホワイトカラー労働者が担ってきた定型作業を自動化するRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)。人がPC上で行う多様な業務に対応できる汎用性と、従来の業務をほぼそのまま移行できる手軽さが特徴で、ITシステム構築による自動化が困難な作業の効率も劇的に改善できることから、労働人口減少に伴う人手不足に直面する事業環境下で必要不可欠なツールとして、近年急速に注目を集めています。もっとも、RPA導入検討から運用フェーズまでの具体的な進め方がイメージできずにお悩みの企業も少なくないと思われます。そこで以下では、RPAの導入検討から運用までの流れと、業務効率化・生産性向上の実現に向けたポイントをまとめました。

■導入検討・準備(導入フェーズ)

RPAによる業務効率化や生産性向上は、時系列順に「導入検討・準備(導入フェーズ)」「導入・運用(初期フェーズ)」「運用(拡大フェーズ)」と、大きく3つのステップに分けることができます。

このうち最初の「導入検討・準備」ステップでは▽RPAを導入する対象業務の洗い出し・選定▽選定した業務に対する導入可能性の簡易評価▽対象業務の業務量・業務プロセスの可視化▽導入に伴う投資対効果の見積もり、などが実施されます。

このうち簡易評価にあたっては、自動化を検討している業務のフローと現状における人員配置や役割、現在業務で使用している基幹システムやアプリケーション、ソフトウェアなどの情報が必要となります。また、導入検討の前提として、効率化のターゲットとなる作業の現状を詳細に把握し、工程ごとの所要時間を計測しておくといった検証作業が必要になることもあります。

業務の自動化が可能で、かつメリットもあると判断された場合は、複数存在するRPAツールを比較し、当該業務との相性を探ります。具体的には、実業務に近い条件で各ツールのシミュレーションを行い、その結果を対照して選定することとなります。
ただ、ここで注意すべきなのは、初期導入時にツール選定で時間をかけすぎないことです。まず導入し、ロボットと働く環境を体感して初めて気づくことも多く、トライアルサービスの利用も有効といえます。

このほか、RPAの導入・運用に関わる担当部署を決め、トラブル発生時を含めた運用の手続き(エスカレーションの仕組み)を明文化しておく必要もあります。過去の導入事例をみると、こうした体制構築を主導するのは、部署を新設した場合を除き、導入先となる業務部門か、情報システム部門のいずれかです。そもそもRPAが業務支援のツールである点を考えると、取り組みの中心は業務部門が担い、同時に関係部門とも連携して進めるのが理想的な形だといえるでしょう。このステップの完了に必要な時間は、おおむね8週間~3ヶ月程度です。

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■導入・運用(初期フェーズ)

検討やシミュレーションの結果をもとに、対象業務の一部で小規模な実運用を始める段階です。RPAによる業務処理をモニタリングし、効率化の程度を定期的に評価・分析。その結果をもとに、より効果的な設定へ変更するといった修正も随時行います。基幹システムなどと異なり、業務の変化に即して現場レベルで迅速・容易に修正を行えるのは、RPAならではのメリットといえます。

もっともこうしたチューニングは、処理している業務の内容とRPAの設定との対応関係が把握できている場合にのみ可能なものです。RPAの設定を修正したくてもできない「ブラックボックス化」を避けるには運用ルール(ガバナンスの構築)を遵守し、最新の作業内容を常時把握しておくことが欠かせません。また、RPAでの処理に万一トラブルが生じたときに備え、応急的な対応が可能な人員をそろえておくことも必要です。過去の実績では、このステップで運用が確立するのにおおむね3ヶ月を要しています。

■運用(拡大フェーズ)

最初に導入した業務でRPAの運用が成功した場合、拡大運用のフェーズに入ります。具体的には▽ロボットが処理する業務の割合を増やす▽自動化の対象業務を隣接領域まで拡大する▽単一部署での運用から社内全体での活用に踏み切る、などの選択肢が考えられます。当初の運用が確立してから拡大が完了するまでの期間も、およそ3ヶ月程度と見込まれます。

さらに先進的なRPA導入企業の中には、自社で蓄積したノウハウをもとに他社への導入コンサルといった事業化を検討するケースもみられます。RPAにいち早く取り組むことにより、社内の生産性向上にとどまらず事業拡大の機会も得られるのは大きなメリットだと言えるでしょう。

■小さく始める・こまめに見直す・使える範囲で生かす

ここまでRPAの導入検討から運用の確立、さらに拡大に至るまでの流れを大まかに説明しました。それぞれの段階を円滑に進めていく上での詳細情報は別記事での解説に譲り、以下では担当者の心構えとして重要なポイントのみを挙げます。

まず大切なのは「小さな規模で、とりあえず始めてみること」です。RPAは比較的操作が容易なソフトウェアであり、テストやシミュレーションが現場レベルで行えます。技術的なハードルの低さを生かし、業務改善に役立つシーンを積極的に探していくスタンスが実践的です。

ブラックボックス化を防ぎ、また導入対象を広げる意味では「こまめに見直す」ことも重要です。RPAはカスタマイズも容易。手順がひんぱんに変わる業務であっても、その都度RPAの設定も見直していけば、従来あきらめていたような工程も自動化することが可能となります。

そして、何より欠かせないのが“100%”を求めないことです。ターゲットの業務に例外処理が多く含まれているケースが典型ですが、100%の自動化を目指すことは検討項目を爆発的に増やし、実現を遠ざけてしまいます。RPAの持ち味である手軽さや柔軟さを生かす意味でも「使える範囲で生かす」姿勢で臨むのが得策と言えるでしょう。

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