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私たちが推奨する「日本型RPA」とは

■海外のRPA導入成功事例を真似しても失敗するRPA

ここ3年ほどで欧米を中心に浸透し、日本でも2016年から本格的な導入が相次いでいるRPA。産業界からの注目度や導入実績、さらにユーザーフォーラムで交わされる情報量といった面ではなお海外が先行する状況にあるものの、そうした日本以外での成功事例を、そのままの形で国内に採り入れることは困難と考えられます。というのも、世界各地のビジネス環境や企業文化は当然大きく異なっており、したがって事務作業に対して具体的に求められる自動化・合理化の内容や、それを実現するためのソリューションも一様ではないためです。ここでは、RPAの実用化で先行する欧米と日本の比較を通じ、この国のオフィスで生産性向上を実現する「日本型RPA」の条件を明らかにします。

■内資企業と外資企業の構造の違い① ~欧米はトップダウンで大規模に標準化~

企業における間接部門の業務を自動化・効率化するツールという点で、欧米のRPAと日本型RPAは技術的に共通しています。両者の違いは主として、それぞれの地域における企業の意思決定プロセスや業務の進め方の違いを反映したものだと言えます。

例えば多民族国家である米国は、多様なバックグラウンドを持つ人々が共通して理解できることが伝統的に重視されます。ビジネスの現場では、業務で用いるツールから文字を減らして視覚的に分かりやすいものとしたり、業務手順を標準化したりといった配慮がなされており、RPAもそうした工夫の延長上に位置づけられています。具体的には「オペレーター1,000人の入力画面操作を1カ月間すべて収集し、この結果をベースに標準化した手順を整備。この手順を自動実行するツールとしてRPAを活用する」といったパターンが多くみられます。人工知能研究の盛んな西海岸地域ではさらに、機械学習などの技術を採り入れた業務の完全自動化にも積極的です。

また欧州は、言語を異にする国家の集合体であり、各国ごとに運用されてきたシステムを一体運用する必要に迫られている地域です。老朽化に伴う更新のタイミングでシステム統合が検討されますが、時間と費用が過大と見込まれる際に、各システムの連携を自動化するツールとしてRPAを導入するケースが多く、このためRPAの運用は人が介在しない完全自動のプロセスとなることが大半です。

さらに、欧米を本拠とするグローバル企業は、意思決定をトップダウンで行うのが通常で、世界各地の拠点で使用するサービスやツールも一方的に指定・指示されます。それらを現場に合わせてカスタマイズするよりは、そのまま運用できるように業務のほうを適合させる傾向にあります。

■内資企業と外資企業の構造の違い② ~“現場”が強い内資企業~

一方で日系の内資企業は、“現場”が力を持つとされています。絶え間ないカイゼンで品質向上を図っている設計・生産工程や、個別の事情にきめ細かく応じる受発注業務などが代表例で、こうした仕事の進め方が確立した要因としては、職人芸が尊敬される文化的な背景に加え「終身雇用制のもと、職務内容を厳密に取り決めることなく採用された従業員が、実際の必要に合わせて柔軟に対応してきたこと」なども挙げられています。

このように現場の発言力が強い日本の企業では、標準化されたサービスやツールは「現場の実情に合わない」として敬遠されがちです。既存の業務に適合させるためのチューニングが可能なサービスやツールが評価される傾向にあります。またシステム投資においても、トップダウンによる大規模な刷新で合理化を図るよりは、小規模なテストで実用性を実証し、徐々に横展開を進めるほうが現実的です。

RPAは、人間がPCを介して行っていたような既存の業務を、既存の手順もそのままに自動化・高速化できるソフトウェアです。もちろん、トップダウンで大規模な標準化・自動化を進める欧米型の運用でも有効ですが、日本のビジネス環境においては、既存業務の手順を変えることなくそっくり代替させられるRPAのメリットを、まずは小規模にでも実際に確認した上で、現場でのさらなる活用を促していくアプローチが有効と考えられます。

■それぞれの組織に合ったRPA選びが重要!

RPAの製品には「プログラミング知識がなくてもカスタマイズしやすいエンドユーザー向け」「システム開発部門によるエンジニアリングが容易」など、それぞれに特徴があります。現在のところ、導入実績が比較的豊富な代表的製品としては、以下のものが挙げられます。

  • Basic Robo(アメリカ)
  • Blue prism(イギリス)
  • UiPath(イギリス)
  • Automation Anywhere,(アメリカ)
  • NICE(イスラエル)

上で述べたような日本型RPAの実現にあたっては、現場の従業員にとって使いやすく、確実に受け入れられるツールとすることが欠かせません。日常的な操作や業務フロー変更に伴うカスタマイズ、複数のRPAを運用する場合の調整業務などを誰が担うか想定した上で、もっともふさわしい製品を選ぶことが重要です。

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